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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
185/255

173.


 ガネルが先に入っていってしまい、5人の誰かの後をついていきながら、こっそり潜みながらついていけば、目立たないなんてことを考えていたのに・・・今ここにいるのは俺1人。

 そういえば・・・と、ギルドの扉を開ける少し躊躇っているときに、マリウスからギルド用にと習った言葉の数々を思い出した。


「・・・・」


 あれ?あいつら5人はそう怖くなかったし、むしろ優しかったけど・・・冒険者は舐められた終わり!!みたいな感じのことを言われたし・・・。


「・・・ふぅーーー」


 覚悟と気合いを入れてから行こう。

 パンッと両頬を軽く叩いて気合を入れた。

 覚悟は・・・大丈夫、できている!

 そう!今の俺ならいける!!!

 よし!行くぞ!!




 そう覚悟を決めてから扉を勢いよく開けると・・・そこには予想とは違ったが、ある意味驚きな光景が広がっていた。

 そう・・・なんかガネルが巨漢のメイクをした男・・・オカマに抱擁されている光景が目の前に広がっていた・・・・・・なにこれ???え?本当にナニコレ?

 なぜオカマか分かったか・・・その抱擁をしている人物は女性らしき服を着て、鍛え抜かれたであろう腕や、スカートから覗く・・・いや、嫌でも目についてしまう足が驚くほど太かった。そして、抱擁されているガネルが足がつかなくなる程度には高身長・・・もし、これが本当に女性だったのならば、後でその本人に謝ろう。

 そして、俺が予想していた粗暴な人たちというと・・・付近にいる冒険者らしき粗暴な感じの人たちは、机や椅子などを脇に寄せ、決してその光景に関わることがないように視線を逸らし続けながら、木のジョッキに注がれいているであろう酒?を飲み続けていた。

 それはある意味、自然という驚異を前にして、避難している一般市民のようにその天災が過ぎ去るのをただただ祈るようかのように見えた。

 そして、ガネル以外の4人の仲間達はそれを止めるでもなく、ただ少し行ったところにある受付のあるところで、1人の女性に怒られていた。

 ・・・これは止めたほうがいいの?それとも目の前の光景をスルーして受付のほうに行ったほうがいいの?

 いいや、ここはなんだか嫌そうな顔をしているガネルを助けるべきだろう!!!

 依頼人と冒険者という関係ではもうないのだ!旅を共にした仲間なのだから!!!

 でも・・・ちょっとこの人に強気で物申す気にはなれない・・・だって、外見的にも怖いもの。


「・・・あの?」


 そう控えめ気味にそのオカマに問いかけると・・・


「ああん?」


 返ってきたのは野太い声と、鋭い視線による威嚇だった。


「ひいぃ!?」


 鋭い眼光、鍛え抜かれた手足、奇抜な恰好・・・もう俺はこの人には関わらないほうがいいと確信した。

 すまない・・・俺にはガネルをこの人から助けられそうにないと心の中で助けられない己の弱さと、不甲斐なさに涙を流し、見捨てることに謝罪をしながら、私は3歩後退し、回れ右をして出口のほうへと直進した。

 うん、私には少し冒険者ギルドに入るなんてことは早すぎたんだと思う。大人しくこの都市を観光してから、三日後にどこかに帰ろう・・・いいや、旅に出よう。

 そして、ここではないどこかのギルドで・・・登録しよう、うん。




「あ!ちょっと!ユウキさん、なんで出口に向かってるんですか!?この人が原因ですよね!?大丈夫です!見た目ほど危険な人じゃないですから!!って、もう!ちょ、ギルド長!離してください!!」


 そうガネルがジタバタともがきながら、その拘束・・・抱擁から抜け出そうとするが、決してビクともしない巨腕。


「ああん、い・け・ず」


 そんなもがきを受けながらも、そのオカマは涼しい顔?・・・いいや、頬を赤らめながら、そんな言葉を吐いても、その両腕はしっかりと固定している。


「うるさいです!ちょっと!本当に離してください、あの人地味に精神的に打たれ弱いんですから!あとでうちのリーダーいくらでも抱擁していいですから!」


 そう自分の代わりになるであろうリーダーという生贄をオカマに差し出した。


「おい!やめろよ!ガネル、俺を巻き込むな!!」


 その声がしっかりと耳に届いていたからか、アルはその言葉を真っ向から否定する。

 あれには・・・あの抱擁は受けたくないと。


「ちょっと、アルさん、まだお話は終わってませんよ、ギルド長も早く仕事に戻ってください!」


 そうして、アルの視線がガネルのほうに向けた時に、説教をしている女性がアルのことを止め、同時にオカマ・・・ギルド長に仕事に戻るように言った。


「ああん・・・そうねぇ~久しぶりにガネルちゃん成分も吸収したことだし、あとのお・た・の・し・みも増えたことだし、お仕事に戻ってくるわ~ん」


 くねくねと身をくねらせながら、受付の奥のほうへと歩いていった、だが・・・去り際に鋭い眼光から放たれるウィンク・・・それを不幸にも見てしまった男性は気分の悪そうな顔を必死に隠そうとしながら、その嵐が過ぎ去るまで耐えた。

 一言でこのギルドを現すなら、混沌(カオス)であった。

オカマを書く時が一番楽に書けるし、楽しく書ける。

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