16.
「こちらで住み込みで働かせてもらうダンジョン商会のマリウスといいます」
こちらに礼をしてきたのは腰まで届くかのような鮮やかな黒髪と、一度見たら忘れないであろう翡翠色の瞳が印象的だった・・・・
「ちなみに男です」
「・・・おうふorz」
「なんで皆さん人の性別なんて気にするんでしょうね、毎回聞かれるので先に答える様にしています」
あんたの容姿と身長のせいだろ
「これからよろしくお願いしますね、マスター、あ、僕の部屋は勝手に自分のポイントで作りますからちょっと部屋が増えても気にしないでくださいね」
「あぁ、わかった」
「さっそくダンジョンの様子を見せてくれませんか?僕これでも長く生きてるんで、何かアドバイスできるかもしれませんよ」
「他の奴に教えてお前が情報を横流しとかする可能性があるから嫌なんだが・・・」
「そんなことしませんよ、ダンジョン商会の理念に反しますし、ダンジョンの不利益の行動は直接的・間接的にもできないように契約するという転移の時の説明に書いてありませんでした?」
首をかしげながら俺の顔を覗き込んできた、だが、男だ。
「・・・読んでない」
「はぁーあとでダンジョンコアから確認してください、それでダンジョンの様子を見せてくれますか?」
ダンジョンの契約を軽く目を通して、その内容を確認してからマリウスにダンジョン様子を見せた
「・・・・・・・・・マジですか」
「今の現状はこれだな」
今のダンジョン内の様子と、戦力などを見せたら唖然としてた。
「・・・・正座」
「・・・はい?」
「そこに正座しろって言ってんのが聞こえないのですか?マスター」
大変ご立腹であった。
「リバーシの発案者だから、僕が色んな権力やコネを使って、専属要員になって、今の今まで引き継ぎ作業とかお得意様への挨拶回りとかしていたのに、なんですか、このダンジョンは!?ていうか、リバーシとかのアイデア料や儲けの一部きてポイントに還元されるはずですよね、なんでまだ二階層しかないんですか!」
「えぇっと・・・ゲーム買うのに使いましたよ?」
「ゲームってのが何なのかは知りませんけど、今日は生きてても明日は生きていないのかもしれませんよ!だから、まず生き残るためにダンジョンを強化するのが普通ですよね?リバーシなんて特殊なものを作るのですから、あなたは普通じゃないのかもしれませんけど」
「・・・ありがとう?」
「それに、なんですか、アホですか、ダンジョンなのに中には蟲と泥ってバカなんですか?あなたダンジョン舐めてますよね?こんなモンスター排出するだけのとこなんて、よくてレベリング用のダンジョンマスター捕縛の飼い殺しとかですよ?普通にこんな瘴気まき散らしのとこなんて軍隊派遣しての即刻の完全破壊ですよ?えぇ、聞いてますよね?聞いてなかったらぶち殺しますよ」
「・・・聞いてます」
「それになんですか、ゴブリンやコボルドの魔法陣を設置してあるのに稼働してないとかバカですか?人型の魔物って外での活動に必須ですよ?ゴブリンは殺しても殺しても沸く害虫みたいなものですし、コボルドも鼻が利くので隠密もできたりできるんですよ?それなのに泥の中で機敏に動けないからいらないとか馬鹿なんですか?」
「・・・はい」
「それに何ですか、一階でこんな辛辣な罠は蟲毒なんてもっと中層でやるべきものですし、上に罠とか殺しにしか来てませんよね?ひよっこダンジョンマスターのあなたはすぐに人間たちに討伐送られたい自殺志願者か何かですか?それに、ダンジョンといえばの宝箱が一つも設置してないとかどこのアホですか」
「・・・・・・はい」
二時間もダンジョンについての講座が始まった、知識は持っていても経験はない新米ダンジョンマスターだもの、仕方ないじゃない・・・・
見た目美少女、だが、男だ