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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
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ただの蛇足回2.


 ぽつり、ぽつりと、自分の思っていたことを彼は話をし始めた。


「夜の見張りの時、友人が死んで、復讐をしようと、そう!・・・ゴブリン程度なら俺でも、不意さえつかれなければできると・・・あるの時は本気でそう思っていました」


 そうして、倒せると!座り込みながらも、気迫を少し感じさせられる声で言った・・・だが、次の瞬間・・・その表情は一変して、暗い表情に変わった。


「でも、結果はやろうと思っていたゴブリンじゃない、ゴブリンにすら勝てなくて、挙句のあてには、村長に助けられて、無様で情けなくてどうしようもないですよね、俺・・・」

「うむ・・・」


 そう心の内を聞き、相槌を打つだけで、村長は肯定も否定もしなかった。


「深夜の戦いには参加できずに・・・俺じゃない誰かが代わりあいつの仇を倒してくれて・・・それを聞いて、俺、ほっとしたんです。その気持ちに気づいて・・・」

「戦いが終われば、誰でもほっとなんぞするじゃろう?」

「違うんです!!自分がやらなくてよかったとほっとした自分がいるんです!俺が・・・あいつの最後を見た俺がやらなきゃいけないのに!!だから、ずっと・・・あの夜が明けてからずっと・・・聞こえるんです、友人の声が・・・ユルサナイという恨み言が!」


 その勢いに何かを考え込むように無言になる村長。


「・・・」

「だから、俺は・・・もうどうすればいいのか、分からなくて・・・ここに死体も眠っているはずなのに・・・おかしいですよね」


 彼は今にも泣きそうな顔で村長にそう問いかける。


「ふぅーおぬしはわしに怒ってほしいのかの?・・・それとも村長であるわしに赦してほしいのか?」

「違います!」

「違うのか?そうじゃのぉ・・・まずその声は死者の声と呼ばれる幻聴じゃ・・・まぁ、神官や、魔法使いやらには治せん、精神的なもんじゃがのぉ」


 そう村長は自分の知っているその病名を言ってはみるが・・・彼はそれに反論する。


「そんなんじゃないです!今でも横にあいつが!」

「声だけじゃろう?」

「それ、は・・・」


 その問いかけに言い淀む彼。


「死者の声はのぉ・・・まぁ、わしの昔の知り合ったやつらには少しはいたぞ?その奴らも普通に暮らしていたがのぉ」

「そ、んな・・・それは違う!」


 自分のとは違う。こんなにも苦しいのに、こんなにも胸を締め付けられるのに普通に暮らせるはずなんかない!そう彼は感じて、すぐに強く反論した。

 だが、そんな彼の勢いに、まぁまぁとまだ話を続きがあると両手で座るように促す。


「まぁまぁ、そんな否定せんでもな・・・そやつらもその声を克服などしとらんよ、時々夜一緒に寝る時など耳元で絶叫された、わしには・・・嫌な思い出もある」


 そう本当に耳が痛かったのだろう。

 村長は思い出して、顔が嫌そうに引きつった。


「・・・どうやれば、俺は彼に赦してもらえるんでしょうか・・・」


「まずは自分を赦してやれ・・・と知り合いは言っておったのぉ・・・じゃが、真面目なお主のことじゃ、難しいじゃろうな・・・なら、赦されるな!向き合え・・・まずは供え物を持って、ちゃんと墓参りに来い、それからじゃろう?」


「それで・・・本当にいいんでしょうか?俺は・・・」


「それだけで赦さないと自分を戒めるのなら、そうじゃの・・・ゴブリンを100匹、1000匹、全てを殺す!などとな・・・そういう目標を作ってはどうじゃ?」


 そう子どもの浮かべるような壮大で荒唐無稽な夢を語る村長。


「俺は・・・村長ぐらい強くはないです」


 それに俺は・・・自分はそう強くないと自嘲気味にそう村長に告げる。


「強さなどいらん、やる気があれば・・・今からでもわしが鍛えてやる、おぬしをな」


 それがなんだ!といわんばかりにこちらに手を差し伸べる村長。

 その手を掴みそうになって・・・本当にそれでいいのかと一瞬迷っているうちに、その少しの隙間を村長から埋められて、強引に手を掴まれた。


「それと・・・そうじゃな・・・忘れぬために、償うためにここに神父がいないというのはお主の知っての通りじゃが、いつまでも先祖の墓を誰も管理をしないというのはな、悪いじゃろう?・・・じゃから、おぬしが月1で掃除をすることを村長として、命じよう・・・今はそれぐらいでよい、・・・・・死者に縛られ続けるのは苦しいからのぉ」


 自分がまだ迷ってると感じられたのか、そう追加でそう言われた。

 最後の方は声が小さくなって上手く聞き取れなかったが・・・

 俺は手を引かれる形で・・・本当にこれでよかったのか?とそんなことをまだ自問自答して、村長に夢現で相槌を打っていたら・・・・


「そういうわけで・・・おぬしとそこの妹が良い年じゃし、夫婦になることになったぞ」

「・・・え?」


 ・・・え???


 


 今日も村長の家からは悲鳴が聞こえてくる。

 それはあの余所者が出て行った後も変わらない。

 変わったことといえば、教会の墓地には綺麗になって、そこには毎日花が綺麗に供えられていた。

 シリアスを描こうと・・・・・・・・。



 次はまとめか・・・・。

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