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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
173/255

166.


 もう太陽が真ん中に位置しようとするときに、冒険者のリーダーである彼とさっきの葬式でも言葉を言っていた神官の女性が村長から依頼のサインとは別に何かをもらっていた。

 彼らは一応、村長の目の前ということもあり、断りを入れてから、中身を見てみると、ある程度の銀貨が入っていた。

 依頼が間が悪く、ゴブリンの襲撃の後のような形になってしまい、減額をされた分よりも、見た感じ多そうに感じられた。


「いいんですか?こんな略式の葬式みたいなものでお金をいただいてしまっても?」


 そんなことを神官の彼女は村長に問いかける。


「いいんじゃ、いいんじゃ・・・それにのぉ、今の教会に神父がいないこの村では、それだけの価値がある!それにわしの懐から出した金じゃし、文句など言わせんよ。調査に来てくれても、ゴブリンが村を襲った後じゃと、おぬしらも身の入りが少なくなるし、こっちも依頼に高評価を出せんのでな、それの詫びの分と諸々も含めて受け取ってくれ」


 そう申し訳なさそうに村長は腰を曲げる。


「・・・いえ、では、ありがたくこちらは受け取らせていただきます」


「ユウキ、おぬしも達者でな」


 俺はまだ少し俯いた顔のまま、村長にお礼を言う。


 今日俺はこの村から出て、冒険者と一緒に旅をする。


「今日までお世話になりました」




 村でのいろいろが落ち着いてきたころに、数日前にマリウスが言っていた『すぐ寝るのはやめたほうがいい』という言葉が気になった。

 ダンジョンに戻った時に聞こうと思って、そういえば~あれ?あの時のあの言葉という感じで、マリウスに聞いてみた。

 あの時、なぜあんなことを言ったのか。


「ん?まぁ・・・普通にゴブリンが来ると思ったからですけど?寝ている間に何もしないでホムンクルスだけが無残に殺されて、終わりなんて終わり方じゃ、マスター納得しないでしょう?」


 まぁ・・・うん、納得しないだろうけど・・・普通に来ると思うの、かな?マリウスが普通に気づくなら、ヒューさんも、爺さんも来ると分からないか、な?


「だから、なんでゴブリンが来るって分かったの??」

「ん??そりゃ・・・ゴブリンなんて野生で生きていれば、どんどんと狡猾になっていく生き物ですよ?雨音で足音が紛らわせる、視界も悪い、ゴブリンは夜目もきくなら、絶好の機会ですよね?普通は来るでしょう?」

「ん?なるほど~」


 うちの農場ゴブリンさんはいいゴブリンさん達・・・想像が・・・いや、実際戦ったからある程度できるか。


「でも、なんであんなゴブリンって・・・強い?ずるい?なのかな・・・最序盤で出会っていたら、死んでた気もする」


 ホムンクルスが受けてたであろう腹をさすりながら、そんなことを言う。


「まぁ、最序盤で出会っていたら、それほどじゃなかったと思いますよ?でも、死んで、またやり直しする!なんて言わないように、僕がいろいろして森の奥へ追いやったんですよ~ゴブリンを」

「・・・・え?」


 ゴブリンを森の奥へ追いやった?


「ゴブリンは弱そうなのを見つけたら、襲いますからね~勘が鈍いのか、僕も追いやろうとする前に襲われましたもの・・・まぁ、ちゃんと殺しましたけど」

「弱そう、うん」


 見た目は弱そう・・・ボコボコにされた記憶があるけど。


「まぁ・・・見た目についてはあまり否定しませんよ、見た目については!」

「ふふ」


 そう二度言うマリウスを少し笑うと、彼は話に戻り始めた。


「そうして追いやったゴブリンなら、春先になれば、好奇心が強いゴブリンは僕の威圧のことを恐れずに、というか忘れてたりもしたと思いますけど、森の手前にいきますし、それで奥で生き残った戦利品なんてのも持っているかもしれません。それで近くに苗床となる人族の集落があったとしたら、普通に襲うでしょうね。それに森の奥で生き残ったなら何かしらの一芸があるでしょうし、最序盤のゴブリンよりは強くなってますよ」

「へぇ~・・・もしかして、俺のせい?」

「マスターのせいなんかじゃないですよ?・・・ん~これはマスターのやりたいことや、ダンジョンのことをサポートするのが、僕の今の仕事みたいなものですからね~しいて、いうなら、僕のせいですかね」

「はぁ~~そっか・・・そっか、今日はもう寝るわ」

「あ、そうですか?おやすみなさい、マスター」




『マスターのためにやったことです』


 あの言葉がそんな意味に俺には聞こえていた。

 マリウスがやったとしても、そのやる原因を作ったのは俺自身だ。

 その言葉が寝ている間も俺の頭の中で繰り返される。


 ダンジョンマスターとして、やっていくうちに最初に殺した盗賊の人たちは正直こっちを殺そうとしてきたし、違う人もたくさん殺していたらしいから良心なんてのはこれっぽちも痛みはしなかった。

 ダンジョンにやってくる冒険者も正直ダンジョンに入ってきて~正直こんなので死なないわな~ぐらいの難易度で痛みつけられるのも、それを覚悟できているから仕方のないことだと思った。

 だけど・・・ホムンクルスで旅したいという、自分のわがままのせいで、こんな襲撃があって、死んだ人がいて、傷ついた人がいて・・・傲慢かもしれないけど、あ~悪いことをしてしまったなという罪悪感が生まれて、心が痛んだ。

 今日の寝つきはいいものとはいえなかった。


 明日どんな顔をして、村長たちに顔を合わせればいいんだろうか。

 重く考えて、自分のせいだ!!という罪悪感の連鎖をしようとしていたら、この主人公が重く受け止める???ないな、うん。

 そろそろ村のが終わるから、ダンジョン紹介と、魔物紹介・・・ついでに人物紹介を作らなければいけない・・・のだ。という使命感が作者の中に目覚める。

 見直さないと、なんの魔法出してたのかも忘れかけているし・・・。

 26以降してないからね・・・うん。もう一度読み返して整理か・・・3日で終わるか、な?

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