表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泥のダンジョンマスター  作者: ハル
157/255

150.


「・・・(どうしよう)」

「なんでユウキあんたまで呼ばれいるのよ?」

「あはは・・・どうするっすか?」


 フィーリエからは純粋な疑問の視線を、ウィーン先輩から俺へと向けられる『え?なに、彼女と仲良さそうだね』という驚きと恨みがこもった視線を俺は受けながら・・・森の中にただ突っ立っている。

 俺、ウィーン先輩、フィーリエはヒューさんに言われて、村周辺のゴブリンの痕跡を探すために行動していた。




 朝起きると・・・いつもどおりに爺さんのいる庭に向かったがいなかった。

 お婆さんは居たので、そこで爺さんのことを聞いたら・・・『今日は家の庭じゃなくて、井戸の向こうのほうにある広い空き地に行ったわ』と言われた。

 井戸の向こうの空き地?なんで・・・そんなところに行ったんだろう?・・・空き地全体を使っての稽古だったら、めっちゃ疲れそうな予感がするな~と思いながらも、そこへ向かう。

 一応練習相手になるという・・・契約?口約束?・・・泊めてもらってる恩として、向わなければいけない使命感。

 つくと・・・そこには知らない男の人たちが爺さんと一緒に素振りをしていたりしていた。


 ・・・・・・見なかったことにして、回れ右して、釣りにでも行こうかな。

 今までそんな関わってこなかった側として、一度にこの人数の知らない人を相手にするのはきつい。そう!これは逃げるのではない。戦略的な撤退なのだ~!!

 そう逃げる前に爺さんに見つかって、肩を掴まれた。

 ギギギと頭をそちら側に向けらせられる。爺さんの素振りが止まったことで、なんだ?なんだと、集まる俺への視線。そこには・・・多数の男たちの目に、助かるという救いこちらに来たという喜びがちょっと宿っていたような気がしないでもない。


「小僧・・・ヒューが呼んでおったぞ。それに今日のわしはこやつらの稽古で忙しいので、なしじゃ」


 そう言い終わると・・・解放された。

 よし・・・ヒューさんのところに行こう。




「おう、来たな」


 ・・・眠そうなフィーリエとウィーン先輩。


「掃除だ、手伝え・・・」


 石造りの周りよりも大きな建物に来た・・・周りを見ながら・・・『ん・・・地味に埃が多いな・・・まぁ、あとで女衆に掃除頼むか・・・』とぼそりと何かをつぶやいていた。


「んじゃ、お前ら・・・てきとーに置くとこの埃払ってから、俺が指示する場所に荷物を運んでけ。あぁ・・・そうだ、もちろん坊主とウィーンは重そうなもの優先で頼むわ」


 途中から、いつの間にか来ていたお婆さんから指示が出されるようになっていて、その頃には、村のおばちゃん方が応援に来て、いろいろとしていった・・・俺は指示された通りに黙々とやっていた。

 それでお昼頃に俺達3人は解放されて、お婆さんからヒューさんからの伝言を伝えられた。




『お前ら3人で村の周辺一通り見ておいてくれ』そうお婆さんから伝えられて、俺達はちゃんと装備を整えてから森の中へとやってきた。

 そんなわけで・・・俺達3人は森の中にいたんだ。


「じゃあ、ここで分かれましょ。3人で探すより、私たち猟師2人でここから、分かれて探したほうがいいでしょ?・・・ユウキは、別に村の近くだし、護衛とかは必要ないでしょ?もしゴブリンがいたとしても、静かに村に逃げるし、見つかったら大声で叫ぶわ。まぁ・・・ないとは思うけどね。それで私が1人、そっちが2人でいいわね?」


 一緒に森を歩きたさそうなウィーン先輩もこれには・・・納得せざる負えない。

 もしこの提案を・・・断ったとしよう。

 それは自分が猟師として腕を、未熟だと偽らざらなければならない。

 それで・・・一緒に探せたとしよう・・・それで彼女の自分への評価が上がるだろうか?・・・いいや、下がらざる負えないだろう。

 自分の一緒に探したいという欲望か、自分はできる猟師だと頼れる存在だという誇りか・・・そんなこと選択肢は一つしかありえない。


 誇りだ。


 自分が頼れる猟師だと優良な結婚相手だとアピールするためにも、この・・・1人余計なのがいるかもしれないが、2人っきりになれる機会は諦めなければいけないだろう。


 そうして・・・ウィーン先輩と俺の2人での痕跡探しが始まったのだが・・・正直ヒューさんのを見ているから・・・まぁ、うん、何かいるんじゃないかな?いたんじゃないか、な?ぐらいなことはわかるようになってきた。その痕跡が鹿とか兎とかイノシシとか熊とか・・・あんまり分からないけど・・・いや、熊だけは豪快や、これはやばいとヒューさんが教えてくれたので、分かるが・・・。

 怪しい所なんてないな~と本職じゃない俺がそう思いながら、村の周辺をてくてく歩く。


「・・・」


 喋る必要がないからか、それとも痕跡を見つけて自分ができる猟師だとフィーリエに思われたいためなのか、黙々と真剣な表情で探すウィーン先輩。


 探していたら、木の上から、ガザゴソという音がして、そこから冬眠明けのリスが出てきたり・・・

 木の上からバサッっと雪が落ちてきたり・・・そこからリスが出てきたり・・・していた。

 ウィーン先輩はリスはお肉があまりとれないし、食べれるけど骨が多いんで、取ってきたら取ってきたで、すり身にするらしいんだけど・・・今はゴブリンの痕跡探しのほうが優先っす!!と説明してくれた。

 それを聞いた俺はリスを・・・自然へと返すのであった。


 リスのすり身食べたい?あのくりっとした円らな瞳でこちらを見つめてくるのを殺したい?・・・甘い?自然界じゃそんなの生きてけない?うるさい!かわいいのは食べたくないんじゃ・・・めっちゃ美味しいとか、そういうのだったら、例外はあるけど・・・。


 そんなこんなで探していたが、フィーリエが探していたところも一応探して、ゴブリンの足跡は見つからなかった。

 私のことが信用できないの?という不服そうな彼女の姿があったけど・・・ウィーン先輩は夢中で探していて、気づいてなかったようだ。

 暗くなってきたら、夜の森で探すなんてことはせずに、素直に森でのゴブリンの痕跡探しは終わったのであった。



 そして、その日の夜から、爺さんから今日掃除したところに逃げろということと、寝るときは防具をつけて、武器と灯りになるランプはすぐとれるところに置いておくようにと言われた。

 ・・・久しぶりにこの感覚で横になっていると、あぁ・・・あの外で寝てた時の懐かしさと、あの時はよく寝れていたな・・・普通に寝にくいわという感想しか出てこない。

 よし・・・意識はダンジョンに帰って、ホムンクルスに寝ることは任せようっと。

 ランキングで探すよりも、レビューでいい作品探しをし始めた。

 レビュー見てたら、凄い、なにこれ!?面白そう!って思って、ついつい読みたくなるのは仕方ないこと。

 感想は書いたことあるけど、レビューはこれは多くの人に見られるかもしれないと思うと、なかなか手を出せないよね・・・その引き込まれるレビューを見ながら最近読む作品探し始めた作者だけど

 みなさんも、検索では出てこないかもしれない面白い作品を、レビューで自分好みの作品を探し始めたらどうですか?

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ