13.
「プロテクション」
さて、二人に防御魔法をかけましたし・・・うーん、ローラさんのほうがちょっと危険そうですね・・・二人はまぁ、負けないと思いますし、ローラさんの援護に行きますか、そっちのほうが楽しそうですし
「・・・二人はいいの?」
「二人には支援魔法かけましたし、こっちのほうが私殴れますしね!」
こちらに群がってくる敵を倒しながら二人で会話する。
「・・・さすがに多かったから助かる」
「いえいえ、でもこいつら一向に減りませんよね・・・どんだけ魔物飼ってたんでしょうね?」
寄ってくる蟲系統や泥系統の魔物を倒しながら二人はある程度の余裕を保ちながら冷静に対処している。
「・・・盗賊団にテイマーの情報はなかったから新規加入もしくは」
そうつぶやいているうちに鳥の魔物が突っ込んできた。
「ホーリーボール」
「・・・連携取れてる、やっぱり」
ブツブツとローラがつぶやいているけど、ちょっとこっちは喋る余裕が・・・蜘蛛系統の魔物が糸吐いてくるし、鳥は一度突っ込んできたら、一撃離脱方式でくるし、下からは泥系統のが足引っ張ってくるし、なんでしょう、一撃一撃は痛くないんですけど、うざいです、途轍もなくうざいです・・・・我慢です、我慢ですよ、私
「ちょっとローラさんも殴ってないで魔法使ってくださいよ!!」
「・・・えーこの範囲ちょっと時間かかるし制御面倒だし、殴りたい」
気だるげに魔物を殴り殺しながら、そう告げてくる。
「魔法使いでしょ!ちょっとーこれじゃあ本当にジリ貧になりますからお願いしますよ~範囲してる時はちょっと逃げますからね?ね!?」
さすがに私もこの数を殴り続けるのはやめたい・・・ていうか、私も本職ヒーラーなんですけどね・・・・魔力の無駄遣いを避けるために殴りますけど、この数は遠慮したいですよ?!本当ですよ!?
「・・・仕方ない、ちょっと準備入るその間お願いね」
「前衛二人いないから仕方ないですけど、ヒーラーに頼むのってなんでしょうね・・・詠唱止めないでください、私が守りますからね!ね!」
さすがにメイスでローラさんにくる糸とか払ってるとべちょべちょになります・・・これ結構新品なんですけど、仕方ないですね、そろそろ詠唱も終わりそうですし、少し距離を取りますか。
突如としてそれは現れた
その者は闇より暗く、その体は暗さの中で光り輝く光沢、長く太い触覚が二本がそそり立つそれが私の真横を高速で飛んで行った。
飛んで行った先はローラの顔面だった。
「・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
すぐに取り払って、杖で何度も何度もそれを潰していった。
「殺さなきゃ・・・殺さなきゃ殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺殺殺殺殺殺殺」
その詠唱を再開した言葉には聞くもの全てに対しての途轍もない殺意が溢れ出していた。
「あ・・・・・さて、狂化しちゃってますよね」
腰のポーチの中から緊急警戒用の術式を封じてある道具を取り出して、点火させて・・・・私も防御しないとヤバいですよね・・・ポーションを頭の上からかけてっと
「ふぅ、詠唱破棄、ホーリバリア、プロテクション、ついでにオートヒール」
ローラの周りに黒く淀んだ魔法陣とそこから溢れ出す黒い魔力があって、もう術式が完成間近であることを予感させた。
「・・・・・獄炎」
黒い炎が周りの敵を次々と焼き払って、その黒炎は私の眼前へとも迫ってきていた。
ゴキブリそれは人類の敵
わ、私は・・・屈したりはしない!!!しない・・・・はず・・・かも・・・でも
まぁ、逃げますよ・・・