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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
139/255

132.


 村に戻ってきたには戻ってきたのだが、最初に彼女が向かっていったのは爺さんの家ではなかった。

 なぜ俺がそんなことを俺が知っているのかといえば、ずっと村に帰ってからも彼女に付きまとっているからだ。ストーカーではない、断じて違う!!・・・考えてもみろ、俺だけ先に爺さんのところに帰って行っても、第一声に・・・孫はどうした?とか爺さんに詰め寄られそうな気がするんだ。・・・護衛を頼むようときにあんなことを言ってくる爺さんだよ?1人で帰るのなんて何が起こるか分からない?!1人で帰るなんて怖くて無理だ!


「・・・あんたなんでまだついてきてるのよ?」


 さすがにずっとついてくることに普通に不審がられて彼女にそう言われる。


「あのさ・・・後で爺さんの家に向かうよね?」


「・・・まぁ、行くけど、それで?」


 ふむ・・・行くのか、なら・・・それらしいことを言って、爺さんのところまで一緒についていこう。


「俺1人で爺さんのところに帰って行ってもな・・・うん、ほら、な?・・・うん!爺さんたちから護衛頼まれたからには爺さんの家までついていくのが、護衛だと俺は思うんだ」


「そう・・・村の中に別に危険なんてないわよ」


 まぁ・・・村の中に危険がある!なんて俺ならそんな村に住みたくないし、危険なんてあるわけないよな・・・。でも、1人で爺さんのところに先に戻るのはそれはそれで嫌なんだ。


「・・・」


 何も言わずにいると、彼女はそう言ったあとに、彼女は自分の目的の場所へと向かおうとするのだが、それに俺が後ろからついていくことをまたちらりと見ても、もう何も言わずに、ついてくることを受け入れるのであった。




 トントントン


 彼女はある家の前で止まって、家の扉へとノックをしたと思うと、その音が聞こえたからか。ドタバタと家の中から足音が聞こえたかと思うと、ガチャっと扉が開いて、1人の女性が現れた。


「アリシアさん、こんばんわ、あのヒューさんに用があるんですが・・・」


「あら、フィーちゃんじゃない・・・・・・・・・そう、ヒューに用なのね、呼んでくるわね」


 後ろにいる俺を一緒にいることを少し訝しんだような感じで見た後に、ヒューという人を呼びに家の中へと戻っていった。


 家から『ヒュー!フィーちゃんが用事だって!』と中から聞こえてくるが・・・聞かなかったことにして、ヒューという人が来るのを待っている彼女をじっと爺さんの家に早くいかないのかな・・・という気分で待っていると、やがて1人の男性があくびをしながら、扉を開いてやってきた。


「ふぁーなんだ?なんだ・・・あー坊主とフィーリエじゃねぇか、ふむ・・・なんか出たか?それとも、見たか?」


 俺達の全身を見てから、俺達が森のほうに行っているということを察してか、そんなことを言ってくる。


「いいえ、逆に全く出ませんでした」


「・・・ん?どういうことだ?」


「少し奥のほうまで行ってきて、この成果です」


 そう言って、袋に入れてあるウサギを見せながら、そう彼女は言った。


「あぁあぁ、そうか、そういうことか・・・でも、おめぇ・・・奥のほうには爺さんから行くなって言われてたよな?」


「偶然罠を仕掛けやすいところを探してたら、奥のほうまで行っただけです」


「あーはいはい、わかったわかった・・・そんなことはほどほどにしとけよな、ったく、まぁ・・・やっちまったもんは仕方ねぇか。よし、爺さんのところに行くか・・・っと、その前にアリシアに言ってくるわ」


 そう言って、彼は家の中へと戻っていく。

 そして、数分後くらいに彼は再び扉を開け、出てくる。


「よし、じゃあ、行くか」


 そう言うと、彼女は歩き出していった。




「よぉ、坊主・・・元気にしてっか?」


 爺さんの家のほうに向かっているときにヒューは俺に話しかけてきた。


「・・・・」


 面識ないのに元気にしてっか?って・・・ん~~?


「なんだなんだ?無視とか、悲しいじゃねぇか」


「いえ・・・爺さんの稽古してて、大丈夫か?とかそういう意味ですか?」


「あぁ、違う違う、俺がおめぇが倒れているのを見つけて、爺さんのところへ運んだんだよ」


「あぁ・・・なるほど、ありがとうございます」


 俺の第一発見者か・・・なるほど。運んでくれたのは素直にありがたい。


「いいってことよ、別に俺の家で世話するわけでもなかったし、それにお前が爺さんを相手にしてくれていれば、俺が爺さんの運動相手にならなくて済むしな」


「・・・」


 まぁ・・・うん、稽古だし、一応こっちにちゃんと利があるし、いいけどね、うん。

 俺がいないときは村の人たちがやってたって言ってたし・・・最近じゃ逃げられているとも言ってたけど、その中でヒューさんは爺さん相手にしてたってことか・・・俺より絶対この人強いよな。


「そういえば、自己紹介がまだだったな、俺はこの村の猟師の中で一番長くやっているヒューだ、まぁ・・・よろしくな」


「ユウキです、よろしくお願いします」


 俺達がそんなことを話しているうちに爺さんの家へと着いた。



 いつも通りの更新予定ならあけおめ・・・な時に小説投稿か、これは事前に書いて予約投稿にしておかないとな・・・今年も一年ありがとうございました。

 ・・・投稿し始めてから、一年もたってないけどね。

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