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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
132/255

125.


 筋肉痛が痛いが・・・ちゃんと朝起きて、おばあさんの作ったご飯を食べて・・・今日も昨日と同じように稽古をしている庭に出たんだ。


 ご飯の時に席についていなかった爺さんをそこで待っていると、数分もすればやってきて、こちらに木の盾を渡してきた。


「ほれ、おぬしがこれから使う大楯じゃ」


「・・・か、軽い」


 昨日のように爺さんに片手で渡されたから、あの大盾のようにずっしりという感覚が来るかもしれないと身構えていたが・・・そんなことはなく、少し拍子抜けした気分になった。


「木なのじゃから、当たり前じゃろう。さすがにこれは重くて丈夫でも扱い方を分かってない者にやらせるわけないじゃろう。昨日のは冗談で押しつぶされそうなところを見て笑いたかっただけじゃ」


 その表情の変化をしっかりと見ていたのか、爺さんがそう言ってきた。昨日の大盾を玄関から持ってきて、そう笑いかけてくる。


「・・・性格が悪い気がする」


「はっはっは、まぁ・・・おぬしが鍋の蓋を選んでおっても、わしが普通に教えられるのは大盾だけじゃしのぉ・・・大は小を兼ねるともいうし、この盾が不満なら、あっちのほうにある鍛冶屋の爺に頼めば、小さいのも使ってくれるだろうがのぉ」


 とそっちとだいたいの方向を指さしながら、『どうする?』とこちらに目で問いかけてくる。


「・・・」


 どうせお金がかかるんだろうし・・・持ち物にそれらしい金属はない。いや、持ち物を売ってお金を作るという選択肢があるよな。でも、そもそもこの村に売れるとこがあるのか?いや、さすがにある・・・よな?いや、なくても、村といえば、行商人が来たりしたりするような気がするよな。いつになるか分からないけど、来る時にでも行ってみるかな・・・。


「まぁ・・・あの程度でそのへっぴり腰になっているからのぉ、当分はこっちの盾は無理そうじゃがな、はっはっは」


 あの盾が使えるぐらいに頑張ってみるのもいいかもしれない、うん。


「俺はやってやるぞ!」


「はっはっは、元気じゃのぉ、さてさて、それじゃぁ・・・まぁ、片手剣の復習でもしてから、昼飯のあとにやるかのぉ」




 昼飯後


「まぁ、教えることなど、基本的にこれについては持てて、ある程度の時間走れるだけの能力があれば、教えることはない・・・まぁ、ほぼほぼ邪魔じゃしな、これは」


 そう自分の持っている大盾を指さしながら、そう答える。


「これは技術なんぞほぼほぼいらんからのぉ・・・はてさて、まぁ・・・やるとしたら、あれかのぉ・・・」


 パンッと手を叩くと、爺さんはこう言った。


「さて!おぬしがやることはただ一つじゃ、それをもって全力でわしに体当たりして来い」


「・・・は?」


 あの筋肉に体当たり・・・はっ!?これは剣の時にボコボコにされた恨みを晴らすチャンスなのでは・・・


「なんじゃ、その気の抜けた返事は、まぁ・・・それで、ん~あの野花の位置ぐらいまでわしを押し出せたら、今日の稽古は終いじゃ」


 そのあとは自主練でもして・・・ってことかな?まぁ・・・速度×体重×恨みなら・・・いける!相手は筋肉ムキムキな爺さんだけど、いける!!・・・はず。


「それじゃぁ・・・来い!」




 その日、数度の休憩を挟みながら、その稽古は続いた。


「まぁ・・・今日はこのぐらいで終わりでいいじゃろ。よし、飯じゃ飯!」


 その動いた爺さんのいた場所には、しっかりと耐えていた靴跡が残っていた。


 ・・・その靴跡の動いた距離は、最初の位置から数ミリ程度だった。

 重装歩兵・・・盾の種類って色々あるよね・・・って調べながら思っていた。

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