11.
冒険者視点
「うえ・・・ここ地面泥だらけで私あんまり歩きたくない、アル君抱っこして」
「そうね、あんまりここの中進みたくないわよね・・・靴汚れるし」
「・・・・汚くなる」
それぞれの女性が泥について批判するが・・・・
「ここに盗賊の残党が入ってくのが見えただろう、今度こそ俺たちの手であの盗賊を捕まえるんだ!」
と意気揚々と泥を踏みしめて、彼は先に進んでいった。
それを追うように彼女ら三人も愚痴を零しながらもこの洞窟へと足を踏み入れた。
普通の洞窟でも盗賊で住んでいるのならいるのなら罠の一つくらいあるだろうとは・・・普通の冒険者なら当然罠を見抜くためなど気取られないように注意して進むのだが・・・彼ら四人にはそのような様子は見えなかった。つまり何が言いたいかというとただのアホ四人だということだ。まぁ、ただのアホ四人が盗賊退治などは普通は依頼などされないのだが・・・
ダンジョンマスター視点
「うわー罠を力技で防ぐ、落とし穴ハマった瞬間ジャンプ、上から来たら剣圧で吹き飛ばす・・・・え?なにこの脳筋達?」
画面の様子を見ながら、このダンジョンの管理者、佐原は唸っていた・・・なんだこの見た目ハーレムの脳筋集団はと、四人の構成?大剣、棍棒?杖?また大剣・・・魔法みたいなことするような杖に見えるんだよ・・・・なんだろう俺の異世界知識が間違っているのか、彼女らがおかしいのか・・・
泥や湿度で徐々に体力や気力を奪って殺ろうって思ってたのにさ・・・全然歩みも止まらないし、喜々として棒振り回しているし、えーーーーいや、マジでどうするか・・・そうしているうちにも彼らはどんどんとダンジョンの奥へと進んでいった。
「あーもう!バネッサ迎撃用意とそのほかも全員集合で半分の瘴毒蟲は自分の体液が当たりやすいように2層目の入口付近で、最初は剣圧で周囲の泥を吹き飛ばすと思うから、泥の手は瘴毒蟲を覆って、なるべく吹き飛ばされないように守って、吹き飛ばし後に鳥系の魔物は上からもう半分の瘴毒蟲を落として、それと同時にバネッサたちと人形系統のやつらで迎撃、クモか・・・・粘着質な糸でも作って後方から投げといて、筋肉的に長く拘束はできないだろうけど・・・あとそれと・・・あぁGかー最初の剣圧を遠目で見たら自由に攻撃して」
各魔物に指示を出しながら、彼はこう一言つぶやいた。
「脳筋とかよりハーレムのほうが絶対殺るの楽だったわ・・・・はぁ・・・」
ハーレムと思ったか?ハーレムだけど全員脳筋なのさ!!