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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
128/255

121.


「俺どこに運ばれたんだろうか・・・」


 ダンジョンで起きて、そのままだらだらとご飯を食べて、憑依してホムンクルスで起きれば、見慣れぬ場所・・・どっかに運ばれているということは予想はしていたが、そうだ、家探ししよう・・・なんて勇者みたくどこの誰かもわからない人のタンスを見る気にはなれない。何もなかったけど・・・いや、これは違うんだ、周りにあるのはリュックとマントはあるんだが、一度も使ったことない相棒の剣が見当たらないんだ・・・・見つからないから、タンスの中に剣が隠れてあるかもしれないという可能性があるというだけで探してしまうのは仕方ないことなんだと思うんだ。


「・・・それにしても、起きたからって、都合よく人なんて現れないよな」


 俺が起きてから、部屋の中をすこーし物色していても、何もおかしなところもなかったので、いい加減この部屋のものは探ったので、ドアノブを捻ると・・・普通に開いて、出ることができた。


「うむ、監禁されてない」


 小声で家主に聞かれたら、ぶっ叩かれたそうなことを言ってみながら、外の様子を見るが・・・左右を頭だけ出して、チラッチラッと覗いてみるが・・・。


「・・・誰もいないな」


 そう覗いてはみるが、人影は見つからない。


 次の部屋のどれに剣があるのかな?と思いながら歩いていると、階段が見えるではないか・・・。こういうところって、だいたい1階のリビングや台所にいる・・・ような気がする。ゲーム的なあれで。


「・・・のそりのそり」




 階段を降りると、左のほうを見れば玄関?いや、たぶん今までの扉と違うから、玄関だと思う扉を一目見て、逆の方向へと行こうとしたら、その扉はひとりでに開いて、その先から大柄で白髪の老人が玄関から入ってきたんだ。そして、俺を見かけると少し驚いたかと思うと、大きな腕を俺に向けて・・・。


「いやぁ、やっと起きたのか」


 そう笑顔を浮かべながら、太い腕でバンバンと俺の背中を叩いてくる。


「えぇ・・・おかげさまで」


 無難にこう答えておいた。それにしても・・・お、重い、威力的な意味で。


「朝になっても、起きる気配ないからのぉ、多少心配したぞ、まぁ・・・無事で何よりだ。あーそうじゃそうじゃ、そろそろ昼時なのじゃが、お主腹減っておるよな?」


 ガシッと肩を掴まれてたと思うと、グググと顔をこちらへと近づけてくる・・・コワイ。


「あ、、、はい」


「ははは・・・遠慮せずに食べてけ食べてけ、うちの嫁のお手製でうまいぞ」


「えっと・・・ありがとうございます」


「昼食ついでにお主のことを少しでも教えてくれるかのぉ」


 その言葉と共に肩を組まれて、強制的に歩かされる俺なのであった。

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