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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
122/255

115.


 ある程度自由に動かせるようになったころに、いよいよ旅立ちの時・・・ここからホムンクルスの旅が始まるんだ・・・・。


「ランダム転移の巻物とある程度転移の場所を指定できるのはどっちがいいですか?」


「なんかランダムだったら特典の武器とか、場所指定だとポイントめっちゃかかるとかない?」


「しいてメリットとデメリットをあげるとすれば・・・メリットは巻物に魔力を込めるだけで準備しなくていいから楽です、デメリットはどこに転移するか分かりません。指定転移はある程度場所を絞れるということがメリットです、デメリットは僕がすごく面倒でマスターのホムンクルスが行く最中と行った後、ホムンクルスを操作しているマスターにイラッとします」


「どのくらい?」


「数時間で忘れますよ、そのぐらい・・・で、どちらにしましょうか?マスター、僕はランダム転移の巻物が未知という楽しめる旅ができると思うのでオススメですよ」


「指定転移で」


「・・・ちっ」


 舌打ちが・・・聞こえて・・・面倒くさそうなマリウスがこっちをじっと見つめている・・・睨んでるか。


「はぁ・・・そっちになると思ってましたし、いいですよ、面倒ですけど・・・あ、そういえば、僕って指輪の説明ってしましたっけ?」


「ホムンクルスの扱いが楽になる」


「あぁ・・・あまり詳しくあの時話していませんでしたね。マスターで言うところのやる気が消費されますので・・・全力でやらなかったんでしょうね。全力でやるとやる気がなくなってマスター自身が気絶して、それをやり続けるという意識がある限り眠り続けます・・・あ、でも大丈夫ですよ、気絶したときのお世話はちゃんと僕と人形でやりますからね・・・その代わり全力でやり続けると、それだけホムンクルスが自由自在に動かせるようになって、戦闘は楽になりますよ?たぶん・・・でも、同調し続けるのは普通に心配なのですし、マスターしかできないダンジョンの仕事もあるので、強制的に丸薬型のあのポーションを流し込みますからね」


「いや、世話されるのばっかり嫌だから、しないよ?本当だよ?絶対にしないよ?だから、やめてね」


 丸薬型・・・あれを固めたもの・・・絶対味が濃縮しているだろ・・・それはヤバい。絶対にヤバい。


「全力で同調しなくても生きていけたらいいですね」


「・・・そこそこ俺戦えるよね?」


「慢心せず、日々努力を続けて、自分に倒せるだけの獲物を狩って、強いものからは逃げ回るならそこそこ生きれるんじゃないですか?」


「・・・」


「今のままだと数週間ですよ・・・今は生活魔法を覚えているので数か月に伸びるかもしれませんけど・・・森は美味しい獲物がいる奥に入れば入るほど、獲物の痕跡が見つけにくくなったり、逆に自分が狼などに襲われるようになったり、予期せぬ戦闘が何回かあるので・・・それでですけど、最初に転移する位置は森の最奥がいいですか?」


「・・・いや、普通に王都とか付近で」


 なんでこの話の流れでそこに移動させようとしているのかな?忠告かな・・・森の奥に入りすぎなっていう・・・獲物の痕跡の探し方教えてもらったことがない気がするけど・・・自分でやり方を知れってことなのかな・・・


「王都なんかは人の出入りは激しいですけど、最初の門の衛兵に止められると思いますよ?身分不確かですし、それに村から出てきたとしてもそこに至るまでにどこにも身分証の提示がなかったとは思いませんし、ただの村人と答えたとしても、ただの村人が商人ギルドや冒険者ギルドの身分証を持たずに王都に来るなんて考えられません。まず怪しまれて牢に入れられますね」


「・・・辺境の村とか?」


「辺境なんてだいたい差別的ですよ・・・村の外の人間なんかには、身分などはあまり求められないと思いますし、そこまで危険な人なんてのはいないと思いますけど・・・偶然猟師なんてのがいなかったり、薬師がいなかったり・・・警備が人手不足だったりで戦闘力のある人ならある程度歓迎されますけど・・・」


 猟師?むりむり、薬師?むりむり・・・警備?旅したい・・・それに一時的に警備なら集落みたいのを潰せみたいな殲滅求められていると思うし、継続なら村人として取り込まれそうだし・・・うん、無理。


「・・・あ!馬車が偶然魔物に襲われて助けたりとか」


 定番なスタイル


「・・・そんな戦闘力マスターにありませんよ?それに護衛だってついてるでしょうし、自分のことだけでも怪しいのに、人を守りながら戦うというのは無理だと思います・・・それにマスターより弱い護衛を雇っている商人なんてほぼ信用できる店という可能性はないでしょうし・・・駆け出しか見習いかってとこで分不相応なことをしている愚か者にしか見えませんよ」


 あ・・・うん・・・納得できるんだよな・・・うん・・・それなら・・・それなら・・・うーーーん。


「ねぇ・・・さっきから否定的じゃないかな、うん、マリウス何かいい案はないのか!?」


「僕はここでマスターが一応仕事をしてくれているのが一番うれしいですよ」


「・・・お、おう」


「真面目に答えるとしたら僕らの商会から偽の身分証を買って、そのまま外の魔物がある程度狩られている王都ですかね・・・」


「中の魔物は?」


「中に魔物なんて・・・下水道にしかいませんよ、それも普通に衛兵や冒険者などが退治していると思うので・・・中は人間以外怖いものなんてありませんよ」


「人間は?」


「スラム、商会、貴族街、王城なんてのは・・・色々危ないのとかいますよ」


「・・・他に!?」


「人のいい辺境ぐらいですかね・・・でも、普通のことですけど、何もしない人は歓迎されませんよ?」


「経験積んでから・・・王都に行きたい・・・うん・・・」


「分かりましたよ・・・でも、魔法陣の準備などは時間がかかりますし、僕は僕でダンジョンでの仕事もありますから・・・1週間後くらいでお願いしますね」


「はーい」


「はぁ・・・これでいったん区切りがついたら、まぁ・・・まだ大丈夫ですので、いいですか・・・マスターのことですし、意外と早く死にそうですし」


「何か言うことあるの?」


 聞こえてるよ?死にそうって・・・頑張るし(((震え声


「何もないですよ・・・少しでも生き残れるように準備でもしておいてください。場所指定で僕の手も借りるんですから、ホムンクルスが死んだらダンジョンのことですからね」


「は~い」


 まだホムンクルスの旅は始まってなかった。



 第三陣営って自分の勝利だけを考えて、周りの被害を気にしないから楽だよね・・・人●の話だけど。

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