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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
121/255

114.


 ホムンクルスが生活に入り込んでから、もう1週間が過ぎようとしていた。


 顔が徐々に俺に似てきて・・・純粋にその変化の様が気持ち悪いと思っていたりしていた。


 そんな感じで、ふとホムンクルスが自分と同じ黒髪になっていて・・・黒髪ってどのくらいな人数いるの?とマリウスに聞けば・・・


「黒髪の勇者の子孫が結構いますから、別に珍しくもなんともないですけど・・・髪の色変えたいですか?」


「・・・変えられるなら変えたいな・・・赤とかなんかよくない?」


「赤ですか・・・そうですか・・・ちょっと待っててくださいね~」


 何かを探しに自分の部屋へと戻っていき、数分後になんかの液体を持ってきて・・・それをホムンクルスに無理やり飲ませた・・・動かないから無理やり飲ませるしかないんだけど・・・自分と似たような顔や背丈のホムンクルスが無理やり何かを飲まされているのというのは・・・うん、見ていて・・・あの時のポーションは、そう飲まされたんだろうなと・・・忌まわしい記憶がよみがえってくる。


「これで徐々に赤色の髪の毛に変化しますよ、これもダンジョン商会で買えるんですけど・・・今回は最初のホムンクルスですし、僕のおごりですよ~」


「へ・・・へぇ」


 そんなことよりも・・・ちょっと思い出して、気分が・・・無料は純粋に嬉しいけど・・・


「ホムンクルスを自由に動かせるように頑張ってくださいね、旅をするならもっと距離が離れていて、今よりやりにくいでしょうし」


「ちょっと休憩してから練習する~」


「そうですか、僕はちょっとダンジョンのこととか、イオルのことをしてきますので、頑張ってくださいね」




「2人組体操~」


「・・・・何やってるんですか?」


 ギ・ギ・ギとバランスを取りながら振り向けば、そこには仁王立ちをしているマリウスの姿があった。


「・・・ホムンクルスの練習さ・・・」


「その割にマスターしか動いてないようですけど・・・それにやるなら、マスターが下の四つん這いをして、ホムンクルスが上でポーズしたほうがいいと思いますよ?」


「・・・同じ黒髪なら気づかれなかったのに」


「そんな早く髪の色なんて変わりませんよ・・・それに変わっていたとしても、口が動いているのがマスターだけな時点で分かりますよ?」


「・・・髪の色はだいたい何日くらいで変わるの?」


 唐突に話を変えて、逃げよう。


「数日前後ですよ・・・早くなれるためにも、痛みが本体にも来るような訓練をホムンクルスでしましょうか?」


「いっぱい動かすと・・・魔力が・・・やる気がなくなるから・・・これは立派な休憩なんだ」


「はい、どうぞ」


 その手の中には・・・あのポーションがいっぱい詰まった籠があった。


「慣れないうちだけですし、大丈夫です。頑張りましょう」


 応援する人はそんな危険物を差し入れに持ってこないと・・・この世界の常識ではないと思いたい。




 そして、ホムンクルスの髪の色が変わった数日後。


「・・・髪の毛やっぱり黒でいいわ・・・似合わない、うん」


「・・・ふふ、そういうことなら・・・まぁ、それでいいなら何も言わずに治しますよ。実際僕も思いましたし・・・これもおまけですよ・・・さすがに似合わなさすぎますし・・・」


 何も言わない。笑わないとは言っていない。くすくすと・・・笑い声が漏れる音が聞こえてくるよ・・・。


「化粧技術があれば・・・ゲームキャラみたいなイケメンになれる・・・はず・・・だった」


 そんな技術を持っているわけもなく・・・旅をするとしたらそんな呑気に化粧をしている暇があるかと聞かれれば・・・『ない』と言われるだろうけど。


 マリウスはそんなことに文句を言うでもなく、値段を言うのではなく、ただ黙々と・・・そして、時折ホムンクルスを見ながら笑いながら、口をこじ開けさせ、その中に瓶の液体を注ぎ込んでいた。

 狼で大部屋に入った時に初日に死ぬと・・・暇だよね・・・。


 どうせすぐに殺されすぎで飽きると思うけど・・・楽しいわ・・・。

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