9.冒険者視点
その一室にはふたつの影がいた。
「あんらー盗賊団の団長と幹部数人を逃がしちゃって、こっちに報告もせずに闇雲に追いかけっていったのね、あたしがつけてた案内役の冒険者を置いて・・・バカかしらん?」
「いや、オルガのだん。・・・」
そう彼が言った途端、前にいる大きな影から途轍もない殺気が溢れ出した。
「あぁん!!!!!!」
「いや、ミントのお嬢」
そうこれが正解だ、その巨漢の依頼だったとしても、これだけは間違えてはいけないと、少し任務で苛立っていた彼はそう改めて認識した。
「ん~なにかしらん?」
「俺も依頼だから、ガキのお守りなんてしてたがな、あれはもう上にあがれねぇよ・・・・バカなんだしよ・・・・・・」
「夜はテントの中でいちゃこら、馬車の中ではぐーすか、魔物を倒したとしても討伐部位以外は処理しねぇし、盗賊団のアジトに来たら、足音をがさごそ、声を潜ませもしねぇ・・・・おじちゃん、この任務やってて心折れそうになったよ」
それはもう可哀想なくらいに目に隈がある中年のくたびれたおっさんがそう悲愴そうに言った。
「はぁーあたしもこれが初の人殺しの任務だし、ちょうど斥候がいないし、魔物の剥ぎ取り方も悪いし、実力はあるけど、ハンターとしての知識はないし・・・・斥候系のあなたを見て、少しでも学んでほしかったのよん♡」
「斥候やってるやつなんて、根っからの潜むハンターばっかだよ、あんな冒険者の塊みたいなやつら絶対無理だね!おじちゃん断言すよるよ!おじちゃんもうこれやってて次からはちゃんとマスターの依頼でもな・・・評判確認してから受けるわ、もうさ・・・本当に疲れたんだよ・・・あんたは剣士系だからよぉ・・・・・まぁ、それでもおじちゃんの苦労が少しでも分かるなら・・・休ませてくれ、おじちゃん最近寝てないのおもにあいつらのせいで」
酷く居た堪れなくなる巨漢・・・・
「あぁん♡そのつもりよん♡さすがにあたしも今回の依頼は悪い気がしてきたわ・・・いや、本当にごめんなさい、少し依頼料にあたしのポケットマネーから上乗せしてくわん♡」
「まぁ、そういうことならありがたく頂いとくぜ・・・・まぁ、今はそんなことより早く安心できる場所で寝てぇよ」
もう今すぐにでも倒れそうな彼をみて言った。この依頼を受けてくれたのは彼だけだったし・・・
「ギルドの仮眠室でも使いなさい」
「おう、ありがとよ、マスター」
そう言って、彼は部屋から出て行った。
「・・・次からは人柄とか依頼達成率以外でも選ぶ条件決めなきゃ♡」
人狼にハマった役はリリアンですな・・・ちょっと出してみたかったんや・・・・・
回線的弱者な作者は暇な時を見つけて、これからちまちま書いていきます!
改めて毎日更新とか中の人は化け物ちゃうか?と思う日々・・・読専だったから、余計にそう思う。
みんなは作者を急かすより、楽しみに待ってなきゃダメだぞ^^
いや、ほんと、文章書けるって凄いことだからね・・・・・・・