金髪ツインテで独裁主義な小3ロリとお前(読者)の友達
小2よりも小3のほうが好きだ!という人向けの第二部。偏見MAX。多分全年齢対象。
腕時計の短針が丁度8を刺した頃、滝村康太はようやく家に着いた。
(いやー。今日は楽しかった!公平のことゲーセンに誘えて、良かった良かった。)
康太は部活終わりに、向かいの家に住む友人の公平を誘ってゲームセンターで遊んでいた。ご飯も食べずによく遊んだものだ。
家の中に入ろうと玄関のドアノブに手をかけるが、ドアが開ききらない。
おや、玄関の様子が?
「なるほど、チェーンロックか。防犯対策も万全だな。」
インターホンを押す。
ピンポーン
『はい。どちら様でしょうか。』
「この家の当主の康太です。チェーンロック開けろ。」
『申し訳ございません。この家の中には現在誰もおりませんので、開けることができません。野宿しなさいクズ。』
康太は荷物をおろして身軽になると、屋根に登って二階の自室の窓から家の中に入る。そして、階段を勢い良く駆け下りる。
康太はリビングに入ると、中央に立って見回す。おかしな事に、ソファに積まれた洗濯物から足が生えている。
康太は咳払いをすると、何かを淡々と口にする。
「エナはコーヘーの事が好き。大好き。いつも優しいし、かっこいい。この世界の誰よりも好き。カナには負けないもん。」
「うわぁぁヤメロぉぉぉぉ!!!」
洗濯物を撒き散らして、一人の少女が康太に殴りかかる。康太は受け流して、頭を叩く。
「何すんのよ!可愛い少女の恥ずかしい思い出を掘り返した挙句暴力を振るうなんて、サイテーよ!」
少女の名前はエナ。金髪ツインテールの、生意気な小学3年生。現在、妹と喧嘩をしてそれぞれ違う家に住んでいる。そのエナの別居先というのが近所にある康太の家だった。
「思い出も何も昨日のことだろうが。そういうのを書くのはいいが、リビングに置きっぱなしにしているのは馬鹿だろ。」
「エナはバカじゃないもん!テスト満点だったもん!バカはコウタでしょ!明日からもう家に入れてあげないから!」
「じゃあ公平にあのことをバラす。」
「あのこと...?まさか、エナが毎日コーヘーの写真にキスしてること!?」
それは知らなかった。
「あー、それそれ。バラさないから今度から普通に家の中に入れてくれ。」
康太はため息をついて玄関先に置いてきた荷物を取りに行く。全く、面倒なクソガキがいたものだ。
(元はといえば、公平が提案してきたんだよな。『少しの間でいいから知り合いの女の子を預かって欲しい』なんて言われて仕方なく引き受けたものの、コイツらの喧嘩は終わる気配ねえし...。公平はお人好しすぎんだよなぁ。)
別に一人暮らしだから居住スペースには困らないし、小さい子は嫌いじゃない。だが好きでもない。だがエナにおいては一緒にいると疲れてくるから、苦手な部類に入るのかもしれない。
康太がリビングに戻ると、エナはテレビを見ていた。この子は絶対に反省しないタイプだ。
「おいエナ。飯は?」
「カップ麺食べた。」
エナは料理が苦手だ。そもそも今時、小学生で料理ができる方が珍しい。いつもは康太が料理をしているのだが、今日は帰りが遅くなったので作れなかった。その点は申し訳ない。
(俺もそれで済ませるか)
康太もお湯を沸かしてカップ麺を食べる。そして食べ終わると、二階に上がっていく。
二人の行動は基本的に別だ。ご飯を食べたら康太は自分の部屋で高校の課題に取り組んで、終わると下に降りてくつろぐ。エナはずっとリビングでゲームやケータイをいじっている。勉強している姿はまだ見たことがない。
だが最近は、二人の行動を一緒にする時間がある。というのも、康太とエナは一緒に近くのジムでトレーニングをしにいくのだ。行く時間帯はまちまちだが、康太が下に降りてきて数分後というのが平常だ。
康太は自室の椅子に座ると、まずは引き出しからメモ帳を取り出す。そしてそこに
『家に入ろうとするとチェーンロックがしてあり、インターホンで呼び出しても開けてくれなかった。』
と、今日受けた嫌がらせを書き記す。あとで全部親にバラし、叱ってもらうつもりだ。
この一仕事を終えて、ようやく課題に取り掛かる。
(あー、ヤッベ。数列分かんねえ...。まあいいや。解けねえ問題は明日公平に聞くか。それにしても、今日は満喫したなぁ。)
康太は公平とゲーセンで遊んだ事を思い出して干渉に浸っていた。
駄目だ。全く勉強がはかどらない。とにかくこれを早く終わらせないと、エナにまた何か言われてしまう。仕上げてしまおう。
結局中途半端に課題を仕上げて下に降りていくと、やはりエナはソファの上で足をバタバタしながらスマホをいじっていた。制服も脱がず、エナの部屋として空けた小部屋に荷物を置きに行くこともなく、だらしない。
「ああ、コウタ、遅かったじゃない。ほら早くジムに行くわよ。」
別にそんなに遅れたつもりはないのだが、こう言ってくるのはエナの気分の問題だろう。おおかたオンラインゲームで連敗し、むしゃくしゃしていると言ったところか。思考もだいぶ読めるようになってきた。
「はいはい。とにかくお前は着替えろ。」
「わかってるわよ!待ってなさい!」
本当にわがままだ。これに慣れてしまった自分が嫌だ。
待っていろと言われてからしばらく玄関先で待っているが、中々来ない。たしか以前は『女の身支度は長いのよ。』と言われた。エナが来たのは十数分後。どこに時間をかけたのかわからないほど普通の格好だ。
「さあ行くわよ。打倒カナ!」
「俺にはそんなつもりは無いんだがな。」
夜も10時に差し掛かろうとする中、二人は街灯を頼りにして、駆け足でジムに向かった。
ーーーーーーーーーーー
「あれ?康太?それにエナちゃんも」
トレッドミルの上を無心で走っていると、後ろからよく聞きなれた声が聞こえてきた。この声は間違いなく公平のものだ。
マシンから降りて振り返ると、そこには公平とカナちゃんの姿があった。二人は仲良さそうに手を繋いでいる。なんか、見てて変な気分になる。
「おお、公平がココに来るなんて珍しいな。」
「まあな。カナが部活に入って、自主トレがしたいって言うから付き添いでな。まあ俺もテニス部だし、運動して無駄なことはないよな。それにしても、康太達がここに来てるとはな。」
「まあこれは俺らの日課だな。」
出かけ先で友人に会うと、意外にもテンションが上がる。
少し姿勢を低くして、カナにも声をかける。
「カナちゃん、こんばんは。」
「康太さんこんばんは。」
笑顔の可愛らしい良い子だ。エナとは全く違う。交換はできないのだろうか。
会話していると、エナも寄ってくる。
「あ、コーヘーお兄ちゃん!」
なんだこいつは。ものすごい猫かぶりだ。目をキラキラさせて、いかにも純粋そうな顔をしている。
その輝かしい目で公平に抱きつくため両手を広げようとしたエナを、何かが邪魔した。エナの抱きつこうとした場所に先回りして、カナが公平を独り占めしている。
「なんだ。エナも来てたんだ。」
「お姉ちゃんと呼びなさい?」
下方で火花を散らす二人には公平も関与できなさそうだ。このままではトレーニングどころではないので、公平に小さな声で話しかける。
「あのさ、カナちゃんを連れて向こうの方でトレーニングしてくれるか?俺はクソガキを連れてもとの場所でやるよ。」
「クソガキって...まあ、そうしてくれると助かる。」
公平は熱戦を広げているカナに優しく声をかける。
「カナ。あっちでやらないか?」
「うん!わかった!」
去り際にカナが歯噛みするエナを鼻で笑った気がした。どちらにも難ありだ。
顔を赤くして怒りの溜まったエナは、こちらにその怒りをぶつけてくる。足を踏んだり、バカと罵ったり、やることは子供臭い。
「おい。さっさと行くぞクソガキ」
「...やるならあっち。」
そう言ってエナが指差したのは、公平達が行った方向だった。行かせればまた厄介な展開になることは目に見えている。
「は?やめとけって。あ、おいこら!」
静止の言葉をはねのけて、エナは公平達のいる方へスタスタ進んでいく。
公平とカナが真面目にトレーニングしていると、エナがひょっこり顔を出した。クロストレーナーを使っている公平は思わずマシンから降りる。
「エナちゃん?どうかしたの?」
「カナの応援がしたくって。ガンバレ!カナ!」
心無しかカナが使っているトレッドミルの動きが早くなる。すると、エナも隣のトレッドミルを動かす。
「なに?エナはあっちでやりなよ。」
「せっかく可愛い妹を応援しにきたのに、つれないじゃない?」
エナはマシンの速度をカナのよりも一段階速くする。
「ガンバレ!」
「うるさい。」
負けじとカナも速くするが、エナもまた早くする。
エナを追ってきた康太は公平から事情を聞かされて、申し訳なく思う。
「すまん公平。アイツ、いう事全然聞いてくれねえんだ。」
「うーん...エナちゃんも癖のある子だからな...。」
「知ってたのか。」
「ああ。あの子達とは結構親しくしてるからな。」
それを知っていて敢えてエナを任せてきた公平の事が恨めしい。しかし、公平は意外なことも口にした。
「エナちゃんもだけど、カナの癖も強いんだ。どちらかというとカナの方がたち悪い。」
カナに裏がある事は知っているが、詳しい事は分からない。公平は難易度イージーの方を譲ってくれたのだろうか。やはり公平は優しい。
会話の途中でエナとカナがこちらにやってきた。
「コーヘーお兄ちゃん!助けて!」
「お兄ちゃん!マシンを速くしすぎちゃった!」
全く何をやってるんだか。っていうか、少しぐらいはこっちも頼ってほしい。
公平は唸りを上げているマシンを慌てて止めに行く。この子達は本当に手のかかるクソガキだ。しかしその子達に信頼されている公平とは、一体何なのだろう。
ーーーーーーーーーー
ジムから切り上げる頃には四人とも精神がすり減ってクタクタになっていた。特に公平の放心状態に近い表情は印象的だった。
エナは家に着くと玄関先に倒れ込んだ。
「まさかカナがいるなんて...不運だわ」
「殆どお前が悪い」
あの後もエナとカナは何回もモメた。その原因は両者にあることもあったが、殆どはエナからふっかけた喧嘩だ。
時計はもう12時を差しており、眠気が強い。早くシャワーを浴びたい。
くたびれて重く感じる腰を上げて、寝転がるエナをほったらかして風呂場に向かう。
(疲れた...今日はぐっすり寝よ。)
取っ手をひねってシャワーを浴びる。汗が皮膚の表面から流れ落ちていく感覚が心地いい。しかしその静寂な心地よさを邪魔する者が来た。
「ちょっと!私が先にシャワー浴びたいんだけど!」
鏡に写るエナの姿は、全裸だ。胸は慎ましいくせに態度は全く奥ゆかしくない。
「うるせー。じゃあ一緒に浴びれば良いだろ。」
「何を言っているの?こんな美少女の裸を見たら、コウタは私を襲ってくるに決まってるじゃない。そしたら警察に訴えてアナタはお終いよ?」
「俺が今までお前を襲ったことがあるか?お前がヘソ出してソファで寝てるときだって優しく毛布をかけてやるほどに俺はピュアだ。」
「そう?それじゃあ遠慮なく。」
エナは自分の体に余程自信があるらしい。というか、エナはジムでの事で相当疲れているのだろう。このクソガキが頭のおかしい行動を取るときは決まってそうだ。
エナは背中に肌を密着させてくる。柔らかい感触が全身に伝わってくる。よし、これからはクソガキじゃなくてクソビッチと呼ぼう。
エナは体を擦り付けながらこちらの『コウタ』の反応を見る。
「嘘...微動だにしないですって?」
「お前、とにかく今日は早く寝ろ。相当疲れてるぞ?」
学校でロリコン扱いされ、実際にそれらしい言動も見せることがある公平なら、こういう時にエナを襲ったのだろうか。だとしたら、エナと同居しないというのは正解だったと思う。
エナはいきなり大人しくなってその場に座り込む。
「私の身体にはそんなに価値がないの?」
「ほんとにクソビッチだなお前。これ以上喋ると絶対に黒歴史になるからもう黙れ。」
シャンプーで髪を洗い終わったので、シャワーの主導権をエナに渡す。
しかしエナを残して浴室を出ようとしたとき、エナの口からとんでもない言葉が発せられた。
「そうか。コウタはホモなんだ。」
「え?」
エナはいきなり元気になって立ち上がり、高らかに笑いだした。
「コウタが興奮しないのはホモだからだわ!だから私の身体は無価値と言い切れない!よって!まだコーヘーお兄ちゃんとの希望は残されている!」
こちらも疲れて、もうどうでも良くなってきた。別に反論するでもなく、無言でその場を立ち去る。そして自室のベッドと融合するかの如く、身を深く沈めた。
(俺がホモ?...ありえないだろ。多分。絶対に違うって。)
いざ眠ろうとしたときにそんな事を考え込んでしまって、少し眠気が冷めてしまった。
落ち着いて、自分の中で自分がホモでないことを証明しようとする。
(落ち着け俺。俺はホモじゃない。そう。例えば俺の好きなアイドルは...。)
一旦そこで思考が停止する。
(いやまあ、あのグループは格好いいから、『憧れ』って感じか。いやいや、じゃあ、俺の今までの恋愛経験は...)
また思考が停止する。
(いやいや、確かに告られる度に振ってるけど、それは学業に支障が出るからだ。じゃあ、今の俺の好きな人。一緒に暮らしたいと思う人は...)
真っ先に公平が頭に浮かんできた瞬間、自分で自分の頬を殴った。
(有り得ねえ有り得ねえ有り得ねえってこれ!そうだ!明日になれば、忘れてるよきっと。ホモだって言われたから先入観が湧いてるだけだって!)
さあ寝よう。今日は充実した日を過ごせたし、きっといい夢が見れるはずだ。
幼いって魅力的だよね。
友人としてホモが出て来たのは、作者が久しぶりに会った旧友がホモになっていたという実体験が影響しています。ショックでした。貞操は守ります。