エンゼツ×オシラセ
話に区切りが着くまでは週に2回投稿していこうと思いますので、読んでもらえると嬉しいです。
俺は今、本格的な学校生活が始まる知らせである始業式に参加している。いわゆる高校デビューがしたかった俺にとっては期待と夢の始まりと言っても過言では無いだろう。
喜びの舞でも踊りたい気分だ。ヒャッハー!
━━━━━━━━━━━━━━
始業式は淡々と進められ、最後の校長による演説を残すのみとなった。
「それでは校長先生の演説です、よろしくお願いします」
その司会の先生の言葉を合図に舞台袖から出てきたのは、おそらく20歳前半くらいだろうか、ビシッとスーツが決まっているどこかの偉人のような風格がある綺麗な女性だった。
いやいやいや、綺麗なのは置いておいて若すぎやしないか?
「おはよう諸君、1年生については、はじめまして。私は本校の校長の唯我丘明里彩だ。それではこの場を借りて、言うべきことを言っておこうか」
なんかいきなり雰囲気が変わったというか、オーラ?覇気みたいなのがビンビン伝わってきて怖いんだが。絶対気を集めて放出する攻撃出来るだろ!
「その言うべきことというのは、今年から変更された、共学への変更と1年生の推薦基準についてだ。これらの案を提出したのは私なので意図や思惑を説明しようと思う。
簡単に言うと私がこの学校の質を上げるために必要だと思った、「尖った」モノを持っている人材を男女、経済的な問題など関係なく推薦させてもらったということだ。まぁ、前校長が定めた最低基準を私が変えただけなので安心してほしい。以上だ」
ゴクリ。
思わず俺は息を呑んでしまった。
この演説で推薦入学をした1年生の生徒達は、純粋に疑問を浮かべる人と、俺みたいに冷や汗が出てくる人に別れると思う。
なんせ校長の言った「尖った」が俺の思った通りの意味だった場合、俺が小学五年生からひた隠しにしてきたあることが校長にバレていることになる。ていうか、どこからそんな情報が提供されてんだよ!
でも俺のやつって尖ってるとかいう以前に、一種の「祟り」なんだけどな。
そんなことを考えながら俺は、体育館の一番前の席で震えていた愛月にも目をくれずに、教室へと戻った。まぁ、何とかなるだろ。うん。
そしてしばらく待っていると、式の途中で発表された担任である雪風穂乃果先生が教室に入ってきて、自己紹介を始めた。
もうこの人が担任だと分かっていた俺にはなんの楽しみもなくてなんだか損した気分だ。
「私がこの1-Bのクラスを任されることになった雪風穂乃果です〜。よろしくね〜」
明らかにイケイケ組な男女がもう既に「ユッキーって呼んでいい?」とか言ってる。お前らどんだけコミュニケーション能力高いんだよ。
ちなみに愛月は体育館から無事?に帰ってきたが、今度は意気消沈してる。こんだけ人見知りが発動したんだからちょっとは症状良くなるだろ?元気出せって。
「それでは高校生活初日ということで、色々やることがありますので〜、早く終わらせちゃいましょ〜!」
その雪風先生の言葉を合図に、学校に関する沢山の書類が配布されたりした。
「よ〜し。じゃあ今日最後のお知らせ行くよー!来週の月曜日にあなた達は2泊3日の野外学習に行くことになってま〜す」
みんなはあまりお互いを知らないこともあって馬鹿騒ぎはしなかったものの、興奮しているのは見ているだけでわかった。
いやー、まさか入学してすぐに、こんな友情アップイベントがいきなりあるとは、これはクラスのイケイケ組と仲良くなるチャンスだ!ありがとうございます神様。
逆に、このイベント一つによってクラスのカースト順位と自分の立ち位置がほぼ決まってしまうことを、ゲームで同じイベントがあっただけの経験不足な俺なんかが気づけるわけがなかった。