貯金します、一般人。
徐々に迷走してきております。
ご注意を……。
スキルを覚えたらしい。
早速確認。
ステータスカード
名前:タロー・キノモト
年齢:16
気力:100/100
霊力:20/20
職業:浪人
属性:聖
魔力:10/10
スキル一覧
ユニーク:なし
メインスキル:刀術LV2、歩行術LV2
サブスキル:言語学LV1
魔法スキル:生活魔法[聖]
一般スキル:危機回避(笑)
武技一覧
飛刀<燕>(ひとう<つばめ>)LV1
居合い<閃>(いあい<せん>)LV1
装備品:刀(無銘)、〔鞘(霊術:状態保持)〕
所持品:〔闇の〕風呂敷、〔拡張の〕箱籠、
さっき、冗談で考えたスキルがある!。……。
取り敢えず、スキルも確認。
危機回避(笑)
危機を察知し、回避できるかも……。何となくレベルの信頼度。気休め程度。
低っく!。
何、気休め程度って。
使えるのか?。
……いや、まず、(笑)が付いてる時点で、普通のスキルではないでしょう。
絶対、誰かのイタズラ(嫌がらせ)でしょう。
大丈夫か?、この世界……凄く不安なんですが。
……。
待てよ?。
考えたスキルを覚えたって事は、もしかして役立つスキルを覚えられる?。
……。
いやいや、そこまではないでしょう。
……。
……。
ダメ元で試そう。
………。
………。
………。
………。
駄目だ、そこまで甘くないか。
ん?、何考えたかって?。
取り敢えず、
鑑定、看破、観察、気配察知、気配隠蔽、不意打ち、
かな?。
やっぱり職業スキルにでも入ってるのかな?。
もういいや、今日は飯食ってから、寝るべ寝るべ。
アルムの街・某所
薄暗い部屋、唯一の光源は扉のノブに掛かったランプ型の魔道具。
複数の人の話し声。
「で、あのガキは?。」
「へい。あの後、迷宮に潜った様で……。」
「確認してないのか?。まさか尾行を撒かれたか?。」
「と言うより、尾行が出来なかったんで……。」
「尾行が出来な……まさか!。」
「そのまさかで。どうも、ギルド職員用の、入り口を使ったみたいで……。」
「そいつは拙いな。」
「どうしやすか?。仕事しようにも、場所が作れないと……。」
「………。しかなねぇ。ギルドから出たら、襲え。」
「……いんですかい?。[クラン]に追われますぜ。」
「構わねー。手配が回る前に、消えりゃあいい。逃げる準備だけはしとけ、良いな。」
「へい。」
扉に向かう影、一瞬顔に光が当たるが、顔の判別が出来る前に扉の向こうへ……。
……。
何かを考え込む様子の影。
「………彼奴に繋ぎを取っておくか……。」
朝です、おはようございます。
今日も元気に迷宮に行きましょう。
朝食を食べ、おっちゃんに鍵を預け、忘れないうちに、服を売ってる店が、何時開くのか聞く。
何と開いてるらしい、朝早いな。
朝なら危険は少ないはず、サッサと買って、迷宮で稼ぎましょう。
ギルドの建物内は、沢山の人が……。
隠れるように移動しながら、外に出よう……、と思っていたら、ミラさんにバッタリ。
着替えを買いに行く事を伝えると、なら案内をすると言われ、返事も聞かずに歩き出す。
慌てて付いて行くと、ここに入った時の入り口ではなく、横にある扉。
真っ正面に有る店に行くのに何故?。
ミラさん曰く。
あの店は、冒険者ギルド御用達で、探索者ギルド関係者だと、ぼったくられるそうだ。
勿論探索者ギルド御用達もある、との事。
溜め息も出て来ない……。
……。
その店を見て……500年前の人は何て、罪深い事をしたんだろうと、しみじみ思う。
なんせ、職員用の出入り口の真っ正面にお店の入り口が……出入り口の屋根に至っては、一体化してる。
中に入るには、ギルドカードによる認証が必要……、何と闘うの、何と。
中に入って判ったが、ちゃんと、街の門のある通りに、正面入り口はあった。
そりゃそうだ、探索者ギルドの職員だけじゃ商売に成らんでしょ?。
このお店は職人達や主婦にも、大人気だそうだ。
以下、ミラさん情報。
安くて。
丈夫で。
長持ち。
このお店の初代は、アッチのお店の長男だったが、商才のある次男にお店どころか、街からも追い出される。
しかも、商人ギルドのカードも抹消。
勿論、再発行は不可。
商人として、犯罪行為を行ったとして、店側から登録抹消を申請、よく調べもせずに商人ギルド、登録抹消の申請受理。
他の街に行っても、ギルドカードは抹消済み、再発行は不可。
そこを救ったのが、職人ギルド。
元々、職人になりたかった長男。
喜んで職人ギルドへ。
その際、名前は勿論、経歴まで変更(詐称ではない)。
職人として新たなスタート、そしてその才能を遺憾なく発揮。
それまであまり、使い道のなかった低級魔石を、糸へと変換する技術『魔糸』を生み出す。
更に、その糸で編まれた衣服、ある商人が惚れ込み、何と娘と結婚させる(娘もまんざらではないかった様子)。
自分の店を持つ為に、貯めてたお金を使い、娘夫婦のお店を開店。
魔糸で編まれた衣服、製造、販売の専門店へ。
めでたし、めでたし。
……で、終わらないのがこの世界。
その頃既に、冒険者や貴族に人気絶頂の次男の店。
『魔糸』の噂を知り、買い付けに乗り込む。
2人バッタリ再開。
次男激怒。
追い出しといて。
次男激怒。
事情を知ってる、お義父さん。
丁寧(?)にお断り。
再び、次男激怒。
店を潰そうと、商人ギルドへ乗り込む。商人ギルド、事情は知らないが、店側に何の不備なく、ギルドの収入が減るのは嫌。
実は、魔糸が量産化出来た頃に、職人ギルドの上層部、グランドマスター達が、商人ギルドに乗り込み、先手を打っていた。
いずれは、次男の妨害が行われると、確信しての行動。
〇魔糸に対する如何なる妨害をも認めない。
〇もし、妨害を受けた場合、魔糸に関わる全ての物を、商人に卸さない。
〇その際は、魔糸製の売上は全て、職人ギルドの物とする。
……etc.。
など、魔糸に関わる全ての事柄を突きつけたらしい。
商人ギルドは、二つ返事で契約した。
当たり前だ、妨害さえしなければ、収入が増えるのだから。
逆に職人を怒らせる方が、損害額が大きい。
この話を聞いた次男。
憤死寸前。
ならば、別方向からと、営業妨害に、風評被害。
コネと伝手を使って開始。
先ず、貴族。
マイナスイメージ叩き込む。
成功。
元々見栄や、プライドで生きてる種族達。
簡単に乗ってくる。
次は各ギルド。
商人ギルドと職人ギルドはすでにダメ。
魔導ギルドも魔糸に、興味津々。
これもダメ。
あとは、冒険者ギルドと探索者ギルド。
数の力で、冒険者ギルドに。
探索者ギルドは、低級魔石を卸しているから、囲みたかったが、冒険者ギルドとの中は最悪。
諦め、冒険者ギルドの囲い込み。
成功。
その結果、綺麗な住み分けが出来る。
貴族、冒険者は、次男の店を。
職人、探索者は、長男の店を。
それぞれ、贔屓にする。
なお、
商人は、流通の関係でどちらの店とも取り引き。
魔導師は、服ではなく魔糸に夢中な為、論外。
凡そ、400年ほど前のお話。
因みに、
次男のお店の名は、
『至福の逸品』
長男のお店の名は、
『未来への希望』
である。
着替えは、着物は無いだろうと思ったが案の定無く、見本があれば、仕立ててくれると言われ、穴の開いた着物を預ける。
料金は凡そ、銀貨10枚程度で、初めて造るので2、3日時間が必要。
取り敢えず、サイズの合う服と、無論下着も購入。
お金の都合上、一組しか買えなかった。
ミラさんの話が長かった為、お店を出たのは、またお昼前だった。
急いで、お弁当を買い迷宮へ。
ボルトラさんとの会話を、適当に相づちしながら聞き流し、迷宮へ。
今日は遠慮なく、殺狩せてもらいます。
お覚悟を、スライム達よ。
………。
………。
……今日の収入は銀貨8枚程度。
立派なスライムハンターです。
明日は、朝から潜らねば……。
もう寝ます、お休み~。
ある店主の創作活動、1日目。
「ふんふん、なる程、なる程。」
「ここは、こうなっているのか……。」
「む、コイツはこうした方が良いな。」
「これを、このサイズにしたのか……。むう、負けてられん。」
………こうして、ある店主の1日は終わる。
清々しい朝です、皆さんおはようございます。
今日こそ朝から潜ります。
ミラさんに気をつけなければ……。
朝飯後、お弁当を買って一階へ。
受付にミラさんを確認して迷宮へ。
スライムハンター・タロー、始動。……。
自分で言ってて何ですが、かなり恥ずかしいです。
1人で良かった。
迷宮に入って、狩り開始。
魔石が皮袋に溜まったら、ボルトラさんの所へ。
繰り返す事三回、まだ何のLVも上がらない。
やっぱり下の階層に降りなきゃ駄目だな。
取り敢えず一週間程はスライムハンターとして、頑張ろう。
狩りのペースを考えないといけないからな……。
今日の収入、最高額の銀貨20枚位、着物が出来るまでもう少し貯めておこう。
防具も欲しいしな。
さて、寝るか。
お休み。
*ある店主の創作活動、2日目。
「これと、それをこうやって……。」
「ここは、こうじゃろ?、そんで……。違った、左右逆じゃったか……。いや?、あっとる、あっとる。」
「あとは、ここをこうして……、完成じゃ。己の腕の素晴らしさ……、惚れ惚れするわい。」
「父さん、仕事中の独り言が五月蠅いよ。近所迷惑だ、静かに作業出来ないのかい?。」
「喧しい。文句があるなら、ワシの作る物より、良いもの造って見せろ。出来んのじゃったら黙っとれ。」
「不気味だから止めろってんだよ、クソオヤジ。」
「誰がクソオヤジだ、クソガキ。」
「あぁ~ん。ヤんのか、クソオヤジ。」
「やれるもんなら、ヤってみろ、クソガキ。」
両者一歩も譲らず、一触即発寸前。
…ガン、…ゴ~ン。
頭を抑えうずくまる2人。
「どっちも、どっちだよ。夕食の時間に喧嘩なんかするんじゃないよ。まったく……。あぁ~あ、フライパンが、凹んだじゃないか。2人の小遣い減らして、買わないとね~。」
「「ちょっと待った。」」
「悪いのはオヤジだから、オヤジのを減らしてくれよ。」
「その鍋は確か、先月買ったばっかじゃろうが。なんで凹むんじゃ。」
ワイワイガヤガヤ。
ピーチクパーチク。
「あぁ~もう、五月蠅いよ。嫌なら小遣い無し、暫く飯抜き、でも良いんだよ。どうする?。」
「「ゴメンナサイ。」」
「じゃあ、サッサと食べるよ。………まったく、なんで夕食だって、呼びに行かせただけで、ケンカになるのかね~。」
ヤレヤレと言う感じで、先に部屋を出て行った、2人の後に続く。
………こうして、ある店主(一家)の1日は終わる。
その頃、タローは。
「オォ、最高級のA5ランクのお肉。旨そうだな~。……イヤ、待て。……今月は……、ここでお肉………苦しい……。むにゃ……、ぐう~~。」
………。良い眠りを、タロー。
お読みいただきありがとうございます。
今回も色々と、脇道にそれております。
御了承下さい。