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探索者になります、一般人。

ひたすら説明してます。

「探索者なんて、何の役にも立たないんだ、辞めとけって。それより、冒険者になって、俺達のクランに入れよ、な。」



いきなり出て来て、この男は何を言っているんだ?。


一般家庭を助けて、何が悪い。


その一般家庭が在るから、おまえ達が生活、出来ているのに。


何ふざけた事抜かしとんじゃ、ワレ。




……。


えぇ、勿論。


心の中でですが何か?。


そんな事を言ったら、私は一般人失格です。


騒がず、慌てず、隙を窺って、即座に撤退です。


若しくは、生贄を……。



「マーカスさん!。いい加減にして下さい。」



バン!!!。


オウ!?。


お姉さんが、受付カウンターを、激しく叩いた。


「アナタの所属している[クラン]は、現在、活動停止の筈です。勧誘も認められません。其れとも、[クラン]の活動禁止、或いは……。」


「はいはい、判ってるよ。じゃあな、探索者はクソだからやめろよ?」



……。


2人が騒いで終わってしまった……。



「………。失礼しました。」


そう言って頭を下げる、お姉さん。


「今の人は……?。」


「現在、冒険者ギルド所属、[クラン]『筋肉神の信奉者』のマーカスさんです。」



……は?。


……筋肉神?。


……信奉しゃあぁ~?。


あの、見るからに山賊があぁ~~。



「えっと……。」


「……。言いたい事はわかりますが、事実です。


[クラン]『筋肉神の信奉者』


は、数多ある[クラン]の中でも、歴史のある[クラン]でもあります。」



はい、クランもありましたよ~。




「尚、[クラン]は冒険者ギルド独自のシステムです。一時期、冒険者の人数が膨れ上がり、ギルドによる統率や、調整が効かなくなり、住民や他のギルドに、被害が拡大した為、当時の高位冒険者パーティーによる、風紀の引き締めを、決行した結果、[クラン]が出来たと言われています。」


「冒険者の人数が増えた理由は判っているんですか?」


「……。」



アレ?。


もしかして、地雷踏んだ?。



「……。理由は探索者ギルドとの確執です。」



確執?。



「基本的には、先程の説明通り、迷宮は探索者が、冒険者が迷宮外で、活動しております。」



さっきも聞きました。


忘れてませんよ?




「凡そ、500年ほど前の事です。当時の迷宮は探索者、冒険者共に入れ、共闘していました。」



共闘……。


確かに、あり得ない話じゃないよな?。



「更に、当時のサブ職業は1つだけでした……。」


「?。それの何処に問題が……?。」


「大有りです!。迷宮は生きていると言われております。その為、中に居る、モンスターの数が少なくなると……。」


「……当然減った分は、補充しますよね?」


「はい。更に、それでも減り続けていたら……?。」


「もっと増やすか、モンスターの質を上げる?」


「はい。ギルドに残された資料では、全ての迷宮街で、その両方が一斉に、起こったとあります。」


「それって……。」


「……『災厄の時代』(さいやくのひ)……。そう呼ばれております。」


「……因みに、聞くのが怖いんですが……その時の被害は?」


「当時の迷宮街は、全部で80ほど、その殆どが、住民を含め一万人以上が生活していたと、推察されます。」



って事は、総人口80万人?。



「……推察ですか?」


「はい、生き残った人達は、それぞれの街で千人程度。その半数以上が、子供だったと……。」


「……。つまり、子供を優先したと……。冒険者や探索者などは……。」


「……当時、高位の冒険者や探索者の殆どは、戻って来なかったそうです……。」


「……。」


「その後、冒険者ギルドの登録数が増え、探索者ギルドの登録数は減りました。」


「それは、仕方がないのでは?」


「……その後の調査で、原因が冒険者だったとしてもですか!!!。」



なっ、何!。


殺気出てるんですが……。



「原因は、冒険者による、無秩序なモンスターの乱獲です!。」


「乱獲ですか?でも、冒険者と探索者で入れば、乱獲になるのでは?」



「確かに、パーティー単位で入れば、自然とそうなります。」


「なら……。」


「そうでは無く……。所謂、嫌がらせで乱獲していたみたいで……。」


「は?嫌がらせ?」


「ギルドが、将来有望なパーティーを、優先、若しくは保護するのは、多々あります。」



先の展開が読めた。



「それに不満を持った中位のパーティーが、新人(かれら)の評価を落とす為に、依頼(クエスト)を受けずに、偶然を装い、先に成功させてしまう。」



新人への嫌がらせ。


ラノベ、テンプレBest10(当社比)に入りますよね?



「しかも、迷宮内では、モンスターの遺体は残らず、ドロップアイテムも、放置しておけば、時間経過で、迷宮に吸収されて消えます。」



証拠隠滅必要なし。


完全犯罪成立。


評価下がるね……。



「ドロップアイテムは、迷宮の外に持ち出すのが基本、生活に必要な消費アイテムですから。」



燃料とかだしね。



「それなのに、放置して、再吸収させました。迷宮にどんな事が起こるか想像もせずに……。」



……。



「その辺りの危険性は、教えて無かったんですか?」


「当然教えています。迷宮内での、必要以上の討伐。更に、ドロップアイテム。特に魔石を、再吸収させる危険性は、講習会では勿論、ギルドカード更新の際にも、口頭で説明します。」


「いや、でもそれは…


「迷宮には、2つあります。」


……。」



何だイキナリ?。



「1つは、迷宮の近くに街を作り、管理している街迷宮。もう1つは管理されていない迷宮、此方はハグレ迷宮と呼んでおります。」



……???。



「迷宮は魔素濃度の高い所、所謂、[魔降](まこう)に生まれます。その際、周辺の魔素を大量に吸収する為、魔獣や魔物は居なくなります。」



……成る程。


人が生活出来る訳だ。


………で?。



「迷宮は魔素を吸収して大きく、その中にいるモンスターも、強くなります」



……。



「また、魔石は魔力ではなく、魔素の塊が魔石と呼ばれます。」



あ~成る程、成る程。


つまりは。



「迷宮に、魔石を、大量に、再吸収させてしまうと、迷宮が成長してしまうのです。」



……やっぱり…。


でも、何でだ?。


500年前、既に教えてたって事は、それ以前に同じ事が、遭ったって事だよな?。



「不思議に思っていますね?。何故500年前に……と。」



コクコク。



「それの答えは、ハグレ迷宮にあります。」


「ハグレ迷宮……ですか?。」


「はい。ハグレ迷宮は、発見が遅れたり、発見者がわざと報告しない場合があります。」


「迷宮発見に報告義務は無いんですか?」


「御座いません。街の近くなら、管理出来ますが、遠いとなると流石に。現在の人数では……。」


「良いんですか?。それで。」


「ハグレ迷宮は、許可が要らない為、冒険者でも入れます。街迷宮への出入りのみ、禁止しているだけですので。」


「……。」


「ハグレ迷宮のモンスターは、とても強いのです。それは、モンスターの数が減らない為、モンスターの生産に使う魔素が、そのまま迷宮の成長に使われる為と言われています。」



使わないなら、使ってしまえ、迷宮さん。


字余り。


……それは、強くなっている訳だ。




「それに、複数の[クラン]で挑むのならまだしも、パーティーでは、乱獲は不可能に近いかと……。」



成る程ね。


それは確かに安全。


……[クラン]か……。


確か、さっき活動停止って……。



「他にお聞きになりたい事は御座いますか?。」


「じゃあ、さっきの人の[クラン]が、活動停止なのは?」


「それは、


「新人を使い潰したからさ。」


……!?。」



誰?、後ろ?。



振り返ると、赤い髪のお姉さんがイマシタ。


鎧を着ているが、激しく自己主張をしている部分(何処とは言わない。)に、つい目が行きそうになるのを堪え。


「どち…

「ノーラさん!。お帰りなさい。」

ら…。」


「ああ、ただいま。」


「依頼完了の報告ですか?。」


「そうさ、依頼主の都合で遅くなったんだよ。」


「依頼主の都合って事は、また?」


「そう。マルグレン商会のキンガさ。」


「それは、大変お疲れ様でした。」


「全くさ……。で、コッチの子はどうすんだい?。」



「あっ。……すいません、ご紹介しますね?。ノーラさん、こちらの方は、今日登録した、タローさんです。」


「どうも。タローです。」


「タローさん、この方は、冒険者ギルド[クラン]『白銀の御子』のノーラさんです。」


「新人かい?。ノーラだ、よろしく。」


改めて見ると、背中に大剣を背負っている。


……何て言うか、お姉さんって感じよりは、姉御……かな?。



「……何か今、変なこと考えなかったかい?。」



鋭い。



「……いえ。凄い剣だなって。」



危ない、危ない。



「そうかい?。それじゃあセレン、あたしはギルドに報告に行くよ。」


「あ、すみませんでした。報告の邪魔をして。」


「別に構わないさ。コッチが勝手に、会話に参加したんだからさ。それより、説明は良いのかい?。」


「!。そうでした。後は……。」



「……探索者の職業スキルを……。」


「……探索者の職業スキルは迷宮脱出(ワープ)です。」


「迷宮脱出……。」


「このスキルはその名の通り、迷宮から出るスキルです。迷宮には、階層毎に、<転移陣>がありますが、その階のフロアボスを倒さないと使えません。何故なら、次の階層に行く為の物ですから。」



……まあ、普通、フロアボス倒さないと、次には行けませんよね?。



「各階層の、何処ででも使えますが、回復アイテムが無くなったり、ドロップアイテムが、持ち切れない時に使います。」



基本中の基本ですね。



「但し、モンスターと闘っている時は使えません。何故なら、周囲の魔素を使うため、モンスターの近くでは、魔素が足りないのです。」



それは、そうでしょ。



「また、パーティーの場合も同じです。こちらは、パーティーの人数分、魔素を集めなくてはならないからです。」



パーティーの人数分、魔素を集める?



「正確には、人数分、ワープの魔法陣を、大きくする必要があるのです。」


「でも、探索者しか使えないなら、問題はないのでは?」


「依頼で、依頼主と護衛を連れて、迷宮に入る事もありますので……。」


「そんな依頼があるんですか?」


「御座います。この街の様な迷宮では、ありませんが……。」



???。



「この街の迷宮は、迷宮ランクが最低の、低級です。その為、ドロップアイテムも、日常で消費するアイテムしか、出て来ません。」



それって、全然儲からないって事?



「低級ランクの迷宮は新人用として、必要不可欠ですが……。」



うん。


その新人が居ないんだよね?。


………。


……あれ?、コレって……。


もしかしなくても、狩り場独占!?。


良いかも、探索者。


すぐ逃げられるし。


・な・に・よ・り・、モンスターは消えるので、グロ無し。


万々歳です。



「確かに、1つ1つの買い取り額は少ないですが、元々大きな変動が無いため、常に一定の収入は確実かと……。」



…探索者…。


……良いんじゃないでしょうか?。



「あの~。職業探索者で、手続きお願い出来ますか?。」


お読みいただき、ありがとうございます。

次こそは、話を進めたく……。

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