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2話目

祝 人間卒業


なんか一日のランキングの下のほうに名前あってちょっと笑っちゃいました。読んでくださりありがとうございます


この調子でいつも下のほうにいるようにカサカサ行きたいです


「この状況で放置ってのはひどすぎない? どなたか状況説明していただけませんかね」


 まったく状況が理解できない。なんか光って気付いたら8体の死体と共に薄暗い洞窟に放置である。もうどれだけ待っても動くことは無いであろう、吊るされている死体に話しかけてみるが、当たり前のごとく返答は無い。


「いやまぁこれで生きてたらそれはそれであれだけどさ……〈俺より蟲を愛す者〉の称号をプレゼントするくらいだけど」


 いくら好きでも、体内から食い尽くされ、体の至る所から蟲を出し入れしつつ生き残るなんて所業は当然自分では不可能であり、また、やって欲しいとは思わない。


「そういえば……」


 あの大量にいた蜘蛛や蠍が入っていった自身の影を見る。魔方陣のようなものの僅かな明かりしかない薄暗い洞窟の空洞である。あわよくば影で見えづらいだけで、その下に更なる地下空洞でもあるのではと、飲み込まれていった場所を確認してみる。


「やっぱ何も無いよな……」


 やはりそんなようなこともなく、魔方陣には自身の影が映るのみであり、そうなるとあの蜘蛛や蠍がどこに消えたのかが謎になる。


「ほんとに状況が謎過ぎる……まじで魔法とかそんな感じなの?」


 あまり考えたくは無いが、足元のファンタジー要素満載の魔方陣や常識を超えた大きさの蜘蛛や蠍、目の前の死体や消えた蟲たち、もろもろの状況の説明がつくのがやはり魔法という言葉である。


「夢ならとっくに醒めるだろうし……何がしたい……ん?」


 見続けていた影が不意にざわめき始める。影というものは、自分を映し出すものであり、自分と同じ形をしていなければならないのだが、ざわめき始めた影が、蜘蛛や蠍へと姿を変え始める。


「もうこれ以上ビックリはいらねーって。誰か家に帰し……あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


 影が蜘蛛や蠍へと姿を変え始めたと思えば、今度は体中に激痛が走り始める。自身の影は、原形をとどめず黒い液体のようにドロドロになり、次々と姿を変え続けている。


「また……ぎぃいいいいいがぁああああ……あぁぁぁあぁああああぁあ」



――ズリュリュ


 しばらくして背中から何かが生まれるかのような嫌な音が聞こえ、同時に痛みが引いていく。何分苦しんでいたかはまったくわからないが、体中汗だくになり、両手を地面につけて荒い息を吐き続ける。


「はぁはぁはぁ……さっきから何でこんな苦しい思いしないといけn……」


 言葉がそれ以上続かない。地面に写る影に目が行った瞬間に、完全に言葉を失ってしまう。影とは自分自身を写すものであり、その場に紡しかいない以上、人の姿をした影を映していなければならない。


 だが、今自分の目の前に写る影は人の姿を映していない。いや、人の姿は姿なのだが、人についていてはいけない物が同時に写っている。そっと首だけ反転して、自身の背中を確認する。


「……嘘だろおい」


 もう驚きが追いつかない。部屋が光ったと思ったら、死体と大量の蜘蛛や蠍に囲まれ、それが自分の影へと飲み込まれたと思えば、影が形を変え、激痛に襲われ、痛みが引いたかと思えば、自身の背中から蠍の手や尾、蜘蛛の足が生えているなんてことになれば、どう驚いていいのかわからない。


「俺をどうしたいんだよ……どうせやるなら完全な蜘蛛か蠍にしてくれよ」


 自身の両肩からは蠍の手が鋏と共に、背中からは蜘蛛の足が3対6本、骨盤からは蠍の尾が飛び出している。しかもアクセサリーのようなかわいいサイズではなく、蠍の手や尾は人間に風穴を開け引きちぎれそうなほど力強く、蜘蛛の足は紡ごと壁に張り付くこともできそうなほど大きい。

 

 それが紡の意思に関係なくウネウネしている。これ以上ないほどうねっている。


 ここまでくるとどうでもいい気もするが、紡自身の腕も、蜘蛛の手足のように、毛が伸び覆われている。


「いやいや、蜘蛛とか蠍になれたらな~とは言ったけど、これは違うよ。うん、これは違う。これは望んでないです」


 誰に届くかもわからない言葉を呆然と呟く。確かに、蜘蛛や蠍になれればもっと色々わかりあえると思い言ったことがあるが、こんなわけのわからないフォルムになりたいと思ったことはない。なれるなら完全に蜘蛛か蠍でお願いしたいところである。


 が、少し時間が経ち、冷静になってみると問題がない気がしてくる。


「あれ? でも……別に不便なさそうだよな……人に見られたらあれだけど」


 よくよく考えてみると人目さえなんとかなれば、別に困ることもないような気もしてくる。むしろちょっと良いかもしれないと、背中に生えた様々な物をもう一度見てみる。


「この蜘蛛の足とか超かわいいし、蠍の手もなんか便利かもしれないし。尾は……うん。毒とかでそうだしね! なんかそんな感じで」


 別に自分が化け物のようになったところで、他人さえどうにかできれば特に問題があるわけでもない。むしろ大好きなものが体から生えてきて、ちょっと嬉しいまである。


 心なしか蠍の手や蜘蛛の足は嬉しそうにうねっているように見える。逆に尾はしょぼくれているように見える。


「おいおい見れば見るほどいいじゃない! 尾はなんか絡まれたりとかしたときにさ、毒とか必要かもしれないし……てか毒でるのかなこれ」


 先程までしょぼくれていた尾に対し紡がフォローを入れてみると、まかせろーと言わんばかりに尾がうねる。まるで嬉しいときの犬の尻尾のごとく踊りだしている。



――コツン



 ウネウネしている自身の背中を見ていたところ、石を蹴るような音が洞窟で響く。

振り返って見てみると、まるでアニメなんかで出てきそうな騎士のような鎧を着込んだ人が4人、目の前の死体と同じような白っぽいローブを着込んだ人が1人、紡の視界に入ってきた。


「お、おぉおおおおおおおおおおおぉお」


 この謎の状況にこれはまさしく救いのようなものである。嬉しさのあまり、思わず変な声が出てしまう。自分の身に何が起こったのかはわからないまでも、とりあえずここはどこかくらいは聞けるだろうと笑顔で近づこうとすると、目の前の5人は紡にもわかるほど警戒態勢をとり、各々武器を構え始める。


 武器は様々だが、白いローブを着込んだおそらく世間一般で言うとかわいいにあたるであろう赤い髪の毛をした女の子が、先端に変な珠がついている木でできているような杖を取り出したのにはさすがに目を疑う。


「(殴るなら鉄パイプとかのほうが強そうだけどな……それともまじで魔女とか?)」


 さすがにここまでくるとそう思わざる終えない。小柄な体系で、見るからに緊張と恐怖からか顔に余裕がなく、若干震えているようにも見える。何が言いたいかというと、どう考えてもあの杖を使って撲殺を試みそうな人には見えないのだ。


 そう考えるくらいならあの変な木の杖で魔法か何かを使うと考えたほうがまだましに思える。


「(てかまじ何なんだこれ……ここ地球か?)」


 ここまで色々重なると、夢じゃなければここが地球だと考えるほうが難しい。目の前の5人、秋葉原にでも行けば大絶賛されるのではないかと思うほど、見事に騎士や魔女の姿である。こんなのが5人揃ってこんな洞窟に集まるなんてことは地球ではありえないのではないのだろうか。もしくはよっぽど役にはまっちゃってる人々だ。


「(まぁ、とりあえず現状確認だけでもしたいな。)」


 髪の色的にとても日本語を話せそうには見えないが、話してみなければわからないと近づこうとすると、5人は今にも腰にある剣を構える。


「(……あぁ~そっか)」


 なぜこんな警戒されなければならないのかと考えたところで、背中から生えてうねっている様々なことを思い出す。

 上半身が裸なので、それらが丸見えな状態なのだ。


「(この状況だっる……)」


 半ばやけくそな感じになり、目の前で吊られている死体の着ているローブを剥ぎ取り、死体を投げ捨て、駄目もとで着てみる。ローブの下で生えてきた手や足や尾が蠢いており、下半身に比べ明らかに上半身が発達したような状態になっているが、素のままよりはましだろうとそのまま着込む。


「(人間? 見た目が全てじゃないしな。何もしない雰囲気を出しつつここがどこかだけでも聞ければ大丈夫だろ)」


 人間関係のことなど考えたこともないが、なるべく朗らかな雰囲気を出せるよう最大限のがんばりを見せ、5人に話を聞こうと足を踏み出した瞬間


「放て!!!」


 先頭に立っていた屈強な筋肉質の男の騎士の掛け声の下、赤毛の女が木の杖から紡目掛けて特大の炎を放った。


 

 

 



 




 


 


 

まぁこんな状況ならこうなりますよね。


本当は向こう側の視点も含め2話目でした。

ですが、活動報告見ていただければお分かりいただけるかと思いますが問題が発生したので、とりあえずこれだけあげときます。


ブルスク○ね。大学行ってきます;ねみぃ

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