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第4章

第四章

 1


 次の日曜日に坂井を除く七人が、竜也のマンションに集まった。

外で会うことも考えたが、人に聞かれるとまずい話も出るはずだ。

ゆっくり話せる場所を探したが、結局竜也の比較的広いマンションに落ち着いた。

 竜也は午前中に気合をいれて部屋の掃除をした。


「へえ~、男の一人暮らしにしては綺麗ね」

 加奈子は2LDKの部屋を見回しながら言った。

 今日も加奈子は短めの黒いタイトスカートに、クリーム色のセーターを着て、シックにきめている。

「ここのお台所、清潔にしてんのね。加奈子のご主人も大阪でちゃんとやってんだろうね」

 玲子は竜也の隣でキッチンをチェックしている。

「加奈子のご主人のとこは愛人が掃除してくれてんじゃないの。彼もてそうだから・・・・・」

 聡美がまた余計なことを言った。

「就職したうちの娘の部屋なんて、あのベッドルームの広さしかないわ。竜也は稼いでるのね」

 由香里はみんなのオーバーコートを畳んで、ベッドルームに置いて戻って来た。

 由香里は黒い眼鏡を取ると、ひょっとしたらこの中で一番美人かもしれない。薄いメイクと真っ黒な髪がとても初々しく見える。

「おいおい、おばさん趣味はやめろよ。いいかげんにしてこっちに座ったらどうだ」

 良二はすでにテーブルについていた。

「良二、おばさんは酷いわね。私たちはいいけど、聡美はまだ未婚よ」

 一瞬冷めた沈黙が流れた。

 玲子の反論に対して聡美は迷惑そうに目を閉じた。

 十二畳ほどのリビングを大きな八人用のテーブルが占領している。北欧風の白木のテーブルで、荒削りなところが暖かい雰囲気を醸し出している。

「熱いから気をつけて」竜也はメーカーでコーヒーを立てて運んできた。

 聡美が全員のカップにコーヒーを注ぎ始めた。

「昔からこんなカップ使ってた?」聡美が思わず漏らした。

 竜也は聡美の方を見て、慌てて片目を瞑った。

 聡美は俯いてペロッとピンクの舌を出した。

「聡美、もしかして竜也と付き合ってるの?」加奈子が訊いた。

「違うわよ。竜也の昔のマンションに一度だけ行ったことがあるの。ず―っと昔よ。竜也が浦安に住んでるころのマンションよ」

 聡美は頬を赤くした。

「聡美が羽田から飛び立つ飛行機を見たがってたからね。グループ会社の懇親会のあとで・・・・・。言っとくけど、その時だけだよ」

 竜也がしどろもどろで弁解した。

「へぇ―、ここよりいいマンションに住んでたんだ。きっと東京湾の綺麗な夜景が見えるのね。私もあんな旦那じゃなくて竜也と結婚すればよかったな~」

 由香里が寂しそうな顔をした。

「そんなの昔の話だよ、聡美に会ったのだって五年ぶりだよ」

「でも、やっぱり独身貴族はいいわねぇ。婚活なんてしない方がいいわよ。聡美みたいにね」

 加奈子は大きな声で笑った。

 聡美はバツの悪い顔をして、隣の加奈子を肘で突っついた。

 聡美のおしゃべりは治ってないな。竜也は改めてそう思った。

「もう余計な話はやめて、みんな集まって」良二が少し強い口調で言った。

 みんなしぶしぶ座って、おとなしくコーヒーを啜り始めた。

「新聞によるとシアン化カリウム、要するに青酸カリが死因のようだな。自殺か他殺かはまだ分からないって、柳田刑事は言ってたよ。昨日彼から電話があったんだ。来週から参加者全員の事情聴取を始めるらしいよ」竜也が口火を切った。

「えっ、また色々訊かれるの?何だか私たちが犯人みたいね。ご近所に知れ渡ることないかしら」

 玲子が肩をすぼめて震えるまねをした。

「だから俺たちの手で俺たちの潔白を証明するんだよ」

 竜也は遠くを見るような目をした。

「当日の悠太の行動で、何か気づいたことはない?」

 良二は刑事のように手帳を開いた。

「悠太は私の隣にいたけど、特に変わったことはなかったわ。ただ・・・・・閉会の少し前にお手洗いにたったのは覚えているわ」

 聡美は右手を頬にあててゆっくりと話した。

「それと聡美と加奈子が来る少し前に、俺は宴会場の左側にある喫煙スペースで悠太と一緒だったよ。たしか先生もいたけど、先生は煙草を吸い終わったら、先にそこを離れたよ」

 竜也ははっきりと記憶していた。

「うん、俺も近況報告の少し前に喫煙スペースで会った。とすると、悠太が部屋から出たのは三回かな?」

 良二の質問に竜也は頷いた。

「それ以外で部屋の外には出てないと思うよ」

「私も三回に間違いないと思うわ。私の後を通る度に、先生に失礼します、って言ってたもの。」

 由香里も可愛い口元を引き締めて大きく頷いた。

一人だけソファーに座って、じっと目を閉じていた健一が突然目を開けた。

「みんな善人のように振舞ってるけど、この中の誰かが青酸カリを呑ませたんだろう?」

「健一、何言ってるの。あなたみんなを疑ってるの?」

 加奈子が顔を歪めて大きな声を上げた。

「だってあんな席で、自ら毒薬を飲むやつなんていないだろう。もしホテルに来る前に呑んだとしたら、クラス会が始まる前に悠太はお陀仏さ。だから誰かに呑まされたんだ。会の途中でね。誰が悠太をやったんだ。もう自白しろよ―」

 健一の叫びが静かな部屋にひときわ響いた。聡美と加奈子は怯えるように肩を寄せ合った。

「健一、そんなに興奮するなよ。何かの事故、そう誤って呑んだかもしれないじゃないか」

 良二が眉間に皺を寄せて健一をたしなめた。

「ごめん悪かった。でも誤って呑んだにしたって、誰かが毒薬をホテルに持ち込んだってことだろう」

 健一は目を瞑りコメカミを親指で押した。

「ホテルの人間だって疑わしい。だから俺たちで検証するのさ。俺たちが犯人な訳ないじゃないか。クラス会は高三の時の仲のいいメンバーが集まったんだぞ。まずはみんなを信じることから始めようぜ」

 竜也の話にみんなは黙りこんだ。裏を流れる善福寺川のせせらぎの音が聞こえてくるようだった。


「すこし休憩しようよ。私お茶を入れるから」玲子が提案した。

 みんな各々、煙草を吸ったり、メールをしたりしている。

 しばらくして玲子と由香里が日本茶を運んできた。

「これ旨いなぁ」良二が目を細めて言った。

「そうでしょう。知覧茶よ。私が持ってきたの。だって竜也の部屋には日本茶なんてないと思ったから」

「さすが主婦。正解―」竜也は場を和ませるために、両腕で丸を作っておどけて見せた。

 健一はソファーでクッションを抱えて、じっと考えている。

 聡美もそれをじっと見ていた。

 そのクッションは昔聡美が作ってくれたものだ。

 竜也は聡美が関係しているものを隠し忘れたのだった。少しうんざりした顔になった。

「竜也はサッカーの関係でたまに悠太と会ってたんだろう?何か変わったことはなかったのか?」健一がクッションを抱えたまま訊いてきた。

「先月新宿で飲んだけど、普通だったよ。家庭も円満だし、仕事は順調だって言ってたよ」

「やっぱりあいつの自殺はありえないな」

「決まりだろうな」良二も納得顔だ。

「じゃぁ、このメンバーの中で、毒薬が入手可能な人は誰?」

 聡美の言葉にみんなは固まった。

 良二はお茶を一口啜った。

「そりゃぁ、まず俺だな。医者の俺なら持ち出すのは簡単だ。あとは玲子。君も調剤薬局があるドラッグストアに勤めているから黒だ。そして竜也。実家が病院だ。そんなところかな」

 良二は大きなため息を吐いた。

「待ってよ、私だって黒よ。ずっと一緒に住んでないけど、夫は製薬会社に勤めているわ。由香里だって・・・・・、お嬢さんが今年から看護師として、良二が勤める病院に就職したわ」

 由香里がペロッと舌を出した。彼女自身が娘のようだ。

「だったら俺も厚労省だから、医療機関との接触は容易だよ。聡美だって生命保険会社に勤めてる。富士生命は二つの病院を持ってるし、社医との接触も可能だ」

 健一が平然と言った。

「だったらここにいる全員が毒薬を入手できる可能性がある、ということか・・・・・」

 竜也は腕を組んで、良二の方を向いた。みんなは交互に全員の顔を見た。

 そのあと、話はいくらも進展しなかった。

「疑惑」と「絶望」が部屋の中に渦巻いただけだった。


 2


 竜也は翌週の土曜日、西荻窪の南口商店街にいた。

買い物のあと、ビールでも飲みながら晩ごはんを食べようと、行きつけの焼鳥屋「鳥村」の前に来たのだった。

「鳥村」はグルメ本などで紹介されている人気のある店だ。でもこの時間ならまだ空いている。腕時計の針は午後五時を少し回ったところだ。

 店に入ろうとすると変な女がうろうろしていた。中を覗きながら、店の前を行ったり来たりしている。ジーパンにカーキ色のフリースという気軽な恰好をしていた。

 店に入るのに邪魔だった。

「すみません。ちょっといいですか」

「ごめんなさい」女は咄嗟に体を逸らして入口を空けた。

「なんだ、聡美じゃないか」竜也はしまったと思ったが、もう遅かった。

「あら、竜也。何でここに?」

「俺はこの街の住人じゃないか。聡美こそどうしたんだ」

「別に」聡美は拗ねたように下を向いた。

「ちょうど晩ごはんを食べようと思って来たんだ。一緒にどうだ?」

「この店は有名店だから、話の種に見てただけ」

「中に入りたそうにも見えたけど」

「いいの、私忙しいから帰る」

「じゃぁ、少しだけでも付き合えよ」

 竜也は引っ込みがつかず、聡美の手を引っ張って強引に店の中に入っていった。

 ちょうど奥のカウンターが二席空いていた。

 聡美を奥に座らせて、竜也がその右隣に座った。

「少しだけよ。私忙しいんだから」聡美は頬をピンク色に染めた。

 聡美の見栄っ張りは変わってないなぁ。竜也はそう思いながら笑って両頬を膨らました。

「大将、生二つと盛り合わせ。それから例のやつ」

 聡美は目を丸くして店の中をやたらと観察している。

 店は廃校になった小学校の教室を、そのまま移築して再現している。昭和の時代を彷彿とさせることで有名になった店だ。

 テーブルと椅子も当時のもので少し狭いが、それがまた評判になっている。

 聡美は美味しそうにビールを一口飲んだ。

「今日はどうしてここに?」

「テレビとか雑誌で取り上げられてるでしょう、この店のこと。今度友達と来ようと思ってるの。だから今日は下見よ」

「じゃぁ中で飲めてよかったね」

「別に。外からでも十分だったわ」

「相変わらず素直じゃないなぁ」

「だって本当のことだもん」

 竜也もビールを二口ほど飲んで喉を潤した。

 焼き鳥が焼ける香ばしい匂いが鼻を擽る。急にお腹が空いてきた。

「竜也、あれからどうしてたの?」

 聡美は一番訊いて欲しくないことを訊いてきた。

「あれからか・・・・・」竜也は目を閉じた。

 また一瞬、聡美のメールが蘇った。

【もうお終いにしましょう・・・・・】

「・・・・・あれから病気した。一年ほど松本で治療してた。それが理由で会社をやめたんだ」

 竜也は薄い笑いを浮かべた。

 聡美は口をしっかり結んで下を向いた。あれから連絡しなかったことを後悔しているのかもしれない。

「それで・・・・・何の病気だったの?」

 竜也は一瞬間をおいた。

「うん、胃潰瘍。永島病院のE棟に入院してた」

 永島病院はA棟からD棟までしかなかった。

「それで手術はしたの?」

「したよ~。脱ぐとお腹にこ~んなに大きな傷があるぞ―」

 竜也は両手で大きな丸を作り、子どもに怖い話をする時の口調で言った。

「大変だったね」

「そうでもないけどね」

「それじゃぁ、私が夏休みとお正月に帰省した時も、竜也は松本にいたんだ」聡美は目を細めて口を曲げた。

「いたと思うよ。一年間東京に戻らなかったからね」

「そうか。大変だったね」

「大変じゃなかったって。のんびりしてたよ。もうその話はやめようよ」

 『彼女から突然別れを突きつけられたことが病気に決定的なダメージを与えた』と主治医に言われたが、聡美が故意にやったことではない。でも、何度考えても憎しみは和らがなかった。

 いくら大目に見ても、彼女の他人への思い遣りの欠如は今後も致命的だろうと思う。

「ほら、焼き鳥が冷めちゃうぞ。早く食べようよ」

 しばらくすると、注文した「例のやつ」が出てきた。

「へい、おまち―」大将がカウンター越しに銀色の大きなプレートを差し出した。

「えっ、これ。これ何?」聡美は大きな目を更に大きくした。

 鶉を丸ごとローストしたもので、見た目は小さなチキンの丸焼きのようだ。

「旨そうだろう」

 鶉のお腹の中は、もち米、ナッツ、レーズン等、数種類の具で満たされている。バターの香ばしい匂いがした。

 竜也はナイフとフォークを使って切り分け、聡美に胸肉の方を勧めた。

「美味しい―こんなの初めて食べたわ。今度友達と絶対こよう」

 聡美は大きな目を細めて、嬉しそうに笑った。

 今日聡美が西荻窪に来たのは理由などなかった。妙に竜也への思いがこみ上げてきて、竜也が住む西荻窪の雰囲気に浸りたい、と駅の周辺を散策していたのだ。

 だから、竜也と会えたのは、聡美にとっては願ってもない幸運だった。

 聡美はうきうきする気持ちを抑えようとして、時々下唇を噛んでいる。

「ところで聡美こそ、あのあとどうしてたの?」

「う~ん、特に何もなかった。昇格試験の勉強ばかりしてたわ。でも落ち続けたの。やっと受かったと思ったら、結局その先は何もなかったわ。課長って言ったって、ライン課長じゃなくて無役の課長だから、部下なんていないの。周りの人は出世したって褒めてくれるけど・・・・・部下がいない上に同僚もいなくなったわ。更に孤独になっただけよ」

 聡美は寂しげな顔をして、焼き鳥を齧った。

 「出世したら、人は孤独になるのはあたり前だよ。そんなこと端から分かってるだろう」

 竜也は、「今さら何を言ってるんだ、そんな子どもみたいなこと言ってるから名ばかりの課長なんだ」と言おうとしたが、ビールとともに呑み込んだ。人事風吹かせないでよ、と言われるのがおちだ。

「でもさぁ。いいこともあったじゃないか」

「何のこと?」

「フィアンセができたってことさ・・・・・。四十三歳で結婚か。ちょうどいい年齢だよ。羨ましいよ」

 竜也は聡美の顔を見ることができなかった。

 聡美は焼き鳥をごくりと飲み込み、しばらく下を向いた。

「信じてたの?」

 聡美は右向きに座り直し、上目遣いに竜也を見た。

「まさか嘘じゃないだろう?」

 竜也は強い口調で言った。

「あれは嘘。だってあの場の雰囲気じゃぁ、ああ言わざるを得なかったでしょう?」

 聡美は悪気のない顔をして、ピンクの舌をほんの少し出した。

「いいかげんにしろよ。みんな信じて拍手してたじゃないか。そんなことで嘘をつくなんて悪趣味だ―」

 竜也は不機嫌そうに顔を歪めて、ビールを一気に飲みほした。

 こころが少し軋んだ。

 思い遣りのない聡美の言動に、新たな憎しみが生まれた。

「ごめん、ごめん。口が勝手に動いたんだから仕方ないじゃん。この口が悪いのよ」

 聡美は少し捲れたチャーミングな上唇をチョコンと突き出した。

 竜也は口元を曲げて渋い顔をし、勝手に白ワインのボトルを注文した。

 しばらく重い沈黙が続いた。

「ところで竜也はいい話はないの?」

 聡美は無理に硬い笑いを浮かべて訊いた。

「いい話って?」竜也は怪訝そうな顔をした。

「結婚とか・・・・・そういうこと」

「もう俺はだめかもね。誰かさんのお陰で結婚恐怖症だ。それに東京じゃ生活していくがやっとだからな」

「ふ~ん、そうか」聡美は落ち着かない目をした。

「お互い寂しいよね」

「やめてくれよ―聡美と一緒にしないでくれ。俺は寂しくなんてないよ。今の仕事が充実してるし、会計士の試験も控えてるからね」

「そう、いいわね」聡美は自己嫌悪を感じたのか、冷笑で応えた。

「私はねぇ、このところ週末が特にいや。昔は友達を誘ってよく買い物に出かけて、豪華なランチを食べたりしてたけど、今はみんな子育ての真っ最中。誰も相手にしてくれないわ。たまに家に呼ばれて夕飯をごちそうになったりもするけど・・・・・子どもと旦那の自慢話を聞かされるだけで、もう共通した話題もないの。旦那だって歓迎してる顔をするけど、たぶん本心は迷惑よね。だから週末は仕事か家に引きこもりよ」

 聡美はわずかに目を潤ませていた。

「でもさぁ、時間があるなら、課長を目指した時のように更に上を目指せばいいじゃないか」

「上って、部長?部長になるなんて、副部長まで七年、更に部長まで五年。その時はもう私五十五歳、定年前よ。出世だけじゃ生活が充実しないわ。それがよく分かったの」

 完全にモチベーションが下がった聡美に対して、だから言ったじゃないか、と竜也は口を開きそうになったが、いいも悪いも聡美自身が選んだ道だった。余計な口を挿むのはやめた。

 竜也は「うつ病」が完治してから愚痴を一切言わなくなっていた。

 しばらくして、重たい空気を払拭するために話題を変えた。

「ところで、事件の件で何か気がついたことでもある?」

「うん、それなんだけど。今回なぜクラス会をやったかってことがどうも解せないの」

「だって先生の転勤があったからだろう」

「でもさぁ、私たちが高校を卒業して上京したのは、もう二十五年も前よ。その間一度もなかったのよ、クラス会なんて・・・・・。なぜ今ごろやることになったのか・・・・・先生の転勤だけじゃ不自然だわ。先生をよく思ってない人だってメンバーに何人もいるじゃない。例の事件、竜也だって忘れてないでしょう」

「うん、言われてみればそうだけど」

「言われなくてもそうよ。私、玲子に会ってみるわ。何か分かるかもしれない」

「俺は先生に会ってみるよ」竜也は目の奥を光らせた。

「お願い!」聡美も先ほどと違って、鋭い視線を竜也に向けた。



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