【詩】境界線
■触れるか触れないかの境界線
透明な青空と
私との間を隔てて
触れそうで
触れないくらいの
境界線上に
君は佇んでいる
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■落ち葉
この季節にはまだ
そぐわない落ち葉を
思いがけず拾ってしまったから
私は講義室を出て
すぐ傍の
壁に背を当てて
茶色い葉先に触れながら
灰色の煙と共に
青空を吸い込んでいく
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■置き去り
器用さを無くしたら
すぐに駄目になるだなんて
結局何年経っても変わらない
蔑ろにした魂に
続けとばかりに
繰り返して
遠くに離れた
心と心と
目前の視界に
へばり付く現実は
在りもしない正しさで
塗り固められて
もう 手を伸ばしても
誰一人として
届かない場所に
僕は僕を
置き去りにした
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■失う
君の声と
デジタルな住所と
そこで交わした約束を
今手放せば
泡のように消えて
失ってしまうだろう
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■音粒
スピーカーから
音の隙間に沈むように
床へと落ちた
君からの手紙は
置き場を無くしている
サプリメントと
クレンジング剤も
隣に転がっている
私は散らかった部屋で
仰向けのまま
呟く様な声で
天井に囁く
隣の家から
小さな子供の
歌声が聞こえる
ハーモニカと
ピアニカの音で
視界は回る
10代の頃から書いていて慣れているので
詩から載せてみました。
まだまだ表現力が足りませんが
ひっそりと書いていこうと思います。