『生き返った息子が使っていたプレスマン』
ある家の息子が死んでしまい、墓場へ運んでいって、穴に入れて、まさに土をかけようというとき、棺の中から声がするので、これは生き返ったと思って、中から出してやると、親や兄弟も勢ぞろいしているのに、誰一人覚えていないという。自分はどこそこ村の誰それだ、と名乗るので、そこに遣いを出したところ、そこの息子も、同じ日に死んだのだという。そこの家の者がやってくると、大層懐かしがり、そこの家に帰りたいという。こちらの家では納得がいかず、息子を引き渡すことを拒んだが、当人が、実はあの世で生き返らせてもらえることになったのだが、自分は火葬されてしまっていたので、体が残っていたこの人の体を借りることになったのだという。生前に使っていたプレスマンの色や本数なども正確に覚えていたので、こちらの家も、納得したわけではないものの、息子を引き渡すことにした。この息子は、二年後にもう一度死んだので、両家の者が、また生き返るのではないかと思って、酒宴の支度をして待っていたが、何日たっても生き返らなかったので、酒を飲み、ごちそうを食べてから、葬儀に臨んだという。
教訓:結婚式や葬式は、同じ人について二度以上やると、周りが盛り上がらない。




