表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

近い天井

作者: TOMMY
掲載日:2025/11/01

朝起きると金魚鉢の下が濡れていた。

不思議に思いながら周囲の水を拭き取り、金魚鉢の底を拭くために静かに持ち上げた。

すると、金魚鉢の水が大量に溢れた。


「えっ!?」


よく見れば金魚鉢の水は口切りいっぱいに揺れている。そんなに水を入れた覚えはない。

私は水槽を静かに置いて、中の様子を凝視する。

背中に嫌な汗が流れた。


──金魚が明らかに、大きくなっている。

金魚鉢の体積の半分以上が金魚。

その黒い瞳に、私自身の顔が歪んで映っていた。

私は後ずさりしながら理解した。

金魚鉢の水は、金魚の膨張によって溢れたのだ。


バサバサ、バサッ。

背後に響く羽音。私は悪い予感を悟りながらも、

ゆっくりと振り返った。

キィと鳥かごが軋む。

私は立ち尽くした。


鳥かごの柵は膨れ上がり、インコは狭苦しそうに羽をばたつかせている。

大きなインコの羽は部屋を舞っていた。

──生き物が巨大化している。


怖くなり、外に出たくなった。

外の様子を見たい。

真っ暗に締め切ったカーテンに手をかける。

しかし、震える手はそれを拒み続ける。

長年蓄積した外界への恐怖は、

そう簡単に拭えるものではなかった。

ドアに視線を向ける。

そこはどんよりと暗く、到底近づけるものではない。


「うっ……」


急いで視線を落とす。

目眩と吐き気。

その両方が急激に襲いかかる。

心臓の鼓動が早く、痛い。

私はゆっくりとベッドに戻った。


翌朝。

目を覚ますと、金魚もインコも縮んで見えた。

「やっぱり夢だった」

安心してベッドから立ち上がる。


ゾリッ。

急に頭頂部が熱を持ったように痛い。

頭を擦ろうと手を上げた。


ドン。

手は何かにぶつかった。


見上げた。天井が、異様に近かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ