47話 兄に対してこんな顔するのか?
「おかえり、凛。女子会は楽しかったか?」
「うん!とっても有意義な時間だったよ」
なにが有意義だったのかは分からないが妹が笑顔ならそれでいい
・・・・・・別にシスコンな訳ではないけどな?
「どんな話しをしたんだ?」
「・・・・・・・・お兄ちゃん、女子会の内容を聞いたらデリカシーないって言われちゃうよ。
だから、ひ・み・つ・ね♪」
凛の笑みは見るものを虜にさせるように可愛く、どこか危険な笑みだった
「分かった、それなら聞かないようにするよ」
「それでよいのだー、それより明日の学校の準備はしてるの?」
「あ」
「やっぱりなにもしてないんだね」
でも特に準備とかいらないし大丈夫だろ
「今『別に大丈夫だろ』とか思ったでしょ」
「ギクッ」
「それ普通言葉に出る?」
はぁーと凛にため息を吐かれる
兄の威厳は一体どこに行ったんだろう
「忘れてると思ったけどやっぱりだったか。明日はクラスで水族館に行くんだよ」
なにそれ?俺初耳だよ?
「3人でグループを作って行動するんだけどそれは今日決めたの」
「俺は誰と一緒なんだ?」
「お兄ちゃんと私と淳さん」
まぁ、予想通りだな
「本当は男の人は一緒のグループにしないつもりだったんだけど、マサトと一緒のグループじゃないなら行かないと淳さんが頑なに拒否するからこうなったんだよ」
「よくそれでみんなは納得したな」
「来ないよりは一緒のグループじゃなくてもチャンスがあるからね」
それはそうだとは思うけどよくそれで納得したな
「まあ、お兄ちゃんと淳さんが並んでる姿を見たいって声もあったからね」
だいぶ欲望に忠実だったね
「とにかく早く準備してくれたらいいから」
「なにを準備したらいいのか教えてくださいませ凛様」
俺が媚びるようにそう言うと凛はどうするか悩んだ表情を浮かべた
「頭を撫でてくれるならいいよ」
「それくらいお安いご用意だし、頼まれたらいつでもするよ」
頭を撫でると凛は蕩けたような顔になりながら教えてくれた
・・・・・・・・兄妹がいたことないから知らないが、普通は兄に対してこんな顔するのか?
ブクマしてくださると嬉しいです