3話 身の危険
「はやく行こうよお兄ちゃん。代表なんだから普通の生徒より早めに行かなくちゃ」
学校の入学式の日を楽しみにしていたのかリンははやく学校に行きたそうだった
「分かったじゃあ行こうか」
そう言うと満面の笑みで
「お兄ちゃんが誘拐されたら大変だから手を繋いで行こっか」
「リンは気遣いができて優しいな。ありがとう」
「そっそうなの褒めてくれてありがと」
その言葉を聞き嬉しそうにしていた。若干目が泳いでいる気がしたけど気にしないことにした
「じゃあ行ってくるねお母さん」
「できるだけはやく帰ってくるんだよ」
「は〜い」
手を繋いでひっぱられながら玄関を出て行った
「学校で過剰なスキンシップをとらなきゃいいんだけどね〜」
誰もいない家でマリンが一人ごとをつぶやいた
「お兄ちゃんって自分がなにクラスかわかる?」
「う〜んまだ発表されてないから知らないな。でもリンと同じクラスがいいかな」
「それに関しては安心して。この学校はABCDEクラスに分かれていて、女子は成績がいいとAクラス悪いとCクラスになる」
それだとリンがAクラスになるのは確定しているが俺はどうなるかは分からないのではないかと思った
「それで男子の方はAクラスがカッコイイ人Bクラスは普通な人人CクラスにはABに選ばれなかった人DEには男子が一人もいない。そんなルールがあるからカッコイイ男子と距離をちぢめるために女子が必死になって勉強するって仕組みになってるよ」
中学校にしてはやることが合理的だなと思ったが新入生代表に選ばれている俺も確定でAクラスでありリンと同じクラスになるわけだ。しかしここで疑問が生まれた
「男子ってプライドが高いのにAクラスに選ばれなかった生徒は納得するの?」
この時代の男子は女の人を自分の機嫌をとるゴミ程度にしか思っていないため常に自分が一番であると考えている。だからこそ「Aクラスに選ばれるべきなのは俺だ」とならないのかという疑問である
「全然納得しないらしいよ。先生の見る目がないだとかAクラスのやつが先生を買収してるとか言って先生やAクラスの生徒を目の敵にしてるの」
リンに詳しく学校の情報について聞いていると女の人にぶつかってしまった。リンよりはちょっと下だがかなりの美少女だった。「シスコンすぎるだろ」だとうっせぇー本当に可愛いんだよ1人漫才をしているとさっきぶつかったことを思い出し謝罪をしようとすると
「すいません私が悪かったです。だから許してください」
ぶつかったのはこっちなので謝られる理由はないと思うがすごい必死に謝られて驚いた
「なぁリン俺からぶつかったのになんでこんなに謝られるんだ?」
小声でリンに聞くと教えてくれた
「男の人から当たった場合でも女の人を痴漢呼ばわりする人がいるからだよ」
別に女の人は悪くないけど、ケチをつけてくるやつがいで悪者呼ばわりされてしまうということ。でも俺はそんなひどいやつではないのだよ
「いや俺がちゃんと前を見てなかったからだよ」
そう言って手を差し出すとすごく驚いたように俺の手を掴んで立ち上がった
「ありがとうございますこの御恩は忘れません」
いつの時代だよと思ったがこの時代では普通なのかな?
「俺が悪いから全然覚えとかなくていいよ」
とびっきりの笑顔でそう言うと女の人は
「わっ分かりましたではさようなら」
と言い、走りさってしまった
「なぁリン俺なんか悪いことしたか?」
「はぁ〜お兄ちゃんの場合は自覚のなさが悪いところかな。それと気をつけたほうがいいよ。手を差し出したことをいいことにそのままずっと触ってきたりする人もいるから」
なんの自覚か分からず考えてみたがなにも分からなかった。
そんなことより男の人が優しくしようとしても、それを利用して痴漢をしてくる人もいるなら男の人が警戒するのも当然なことだし俺も警戒しなきゃと身の危険を再認識した
「まぁさっきのはいい人だったしそんな人ばっかりじゃないよ」
「そんなことよりお兄ちゃんに触れられることが問題なんだよ。警戒しなきゃ」
小声だったのでなんて言ったかは分からなかったが急にリンの機嫌が悪くなった気がしたので頭を撫でるとすぐに機嫌がよくなった
そんなこんなしていると学校に着いた。学校についての感想は思ったよりも綺麗で大きかった程度である
「初めまして私は甘瀬由衣この学校の先生です。あなた達が星名さんで間違いないわよね」
話しかけてきたのはこの学校の先生のようだ。俺達が新入生代表だからだろう
「初めまして甘瀬先生僕が星名マサトでこっちが妹の「星名リンです」僕たちはどうすればいいですか?」
甘瀬先生は俺をアイドルなトップスターを見る目でこちらを見ながら
「これから私の家・・・じゃなくて体育館の舞台裏に来てもらいます。」
言い間違えたのかなと思っているとリンが甘瀬先生のことを犯罪者を見るような目で見て軽蔑していたが俺には理由が分からなかった
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