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14話 変装をする

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃねぇよ見れば分かるだろ。それにお前は明らかに逃げてたよな!?」


俺達が店を出ると大行列はなくなったが、その代わり俺を囲む円が出来ていて逃げられなかった。そして淳は逃げられないと知ると迷いなく俺を捨てて一人で逃げやがった。


淳がいなくなった後は写真を撮られまくって流石にくたびれてしまい、結局は淳が呼んでくれたタクシーで逃げたが、タクシーが到着するまでは永遠に写真を撮られ続けた。


「それにしても凄かったな、一気に有名人だ!」

「馬鹿にしてるだろ!でも事務所の人が言ってたみたいに変装はしないといけないし変装道具でも買うか」

今回の目的はショッピングモールで服を買うことだったが、服より変装道具を買わないとこれからまともに出歩けなさそうだ。


「おっ、着いたぞ」

「タクシー代は俺が払うよ。俺のせいでタクシー使うことになったし」

「サンキュー」


「これで足りますか?」

「まだ足りませんね、後はあなたの連絡先を渡してもらえればお支払い完了です」

「足りてるな、早く行こうかマサ・・・・色音」


やばいな、なんだよ連絡先でお支払い完了って。この時代で男が有名になるって大変なんだなー。とか楽観的に考えてちゃ危ないな。誘拐しようとしてくるやつがいるかも知れないし気をつけよ


「てか変装道具ってなに買えばいいのかな?」

変装なんかしたことないからなにを買えばいいのかが分からなかった


「普通ウイッグとかでいいんじゃね?」

「やっぱそうだよな。じゃあ買いに行くか」


話しながら歩いていて気づいたが見られはするが二人で歩いてる時は写真を撮られない。やはり俺を撮るのはいいが芸能人ではない淳を撮るのは駄目なのだろう


「ここで買おうぜ」

話していたらすぐに着いたがどういうのを買えばいいのだろうか

「どういうの買えばいいのか分からないんだけど店員さんに聞けば大丈夫かな?」

「多分な、とりあえず店員でも呼ぼうぜ」


「店員さん早くこっち来てこいつに似合うウィッグ選んでくれね?」

やっぱり店員さんに対してもこの態度なのが普通なのか

「すみませんただいま行きます」

淳か店員を呼ぶとすぐに店員さんは来た


「どんなものが・・・・・・・・失礼ですがなぜウィッグが必要なんですか?」

「知ってると思いますがこいつは色音です。それがバレないように変装したいらしいです」

「やっぱりですか!私、色音様の大ファンなんですよ。


様⁉︎俺って一部の人にはそんな風に呼ばれてるんだ。それよりこの店員興奮しすぎじゃね?早くウイッグ選んで欲しいんだけど


「なぁ淳これどうすればいいかな」

「そうだなじゃあ、あれしてくれ」

「ほんとにあれなんで大丈夫か」

なぜそんなことをするだけでいいのかと疑問に思いながらも実行することした


「すみません。俺達急いでるんで早くしてもらっていいですか?」

耳元に口を近づけて出来るだけイケボでぼそっと呟いた

「はっはい、すぐに」

顔が真っ赤になっていたが興奮はおさまったみたいだ


「本当に興奮がおさまったな。これからもこれ使うわ」

「う〜ん、興奮がおさまった訳じゃないしできるだけ使わない方がいいぞ」


その言葉になぜだろうと言う疑問を持って首を傾げた

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