13話 大行列
「待ち合わせ場所には着いたけど待ち合わせの時間より45分ぐらい早いし時間潰すか」
予想通り早く着いたし喫茶店で時間でも潰すことにして店に入ると女の人に案内された
「こんにち・・・・は?こっ、こちらの席に座ってください」
俺の顔を見てから顔がどんどん赤面になっていき言葉もしどろもどろだった
「大丈夫ですが?顔が赤いですよ」
心配になり顔を覗き込んだ
「はっはひ!大丈夫でしゅ!」
「本当に大丈夫ですか?」
さらに心配になりおでこに手を当てた
「確かに熱はありませんね」
「あっ、あわわわわ」
やってから気づいたが知らない人に急に額を触れられるなど不快に思うだろう
「すっすみません。つい妹みたいに接してしまいました」
「いえいえ全然大丈夫です。むしろご馳走さまでした」
「?」
「なにあの店員」 「調子乗んなよ」 「うざっ」
俺には意味が分からなかったが周りの人には伝わったらしい。この時代の隠語かな?
「ではご注文してください」
「じゃあチョコフラッペで」
自分でもベタすぎると思うがやっぱりチョコこそ正義である
それにしてもなんか人が増えた気がする、というか増えすぎている。さっきまでは数人しか
いなかったのに、今では順番待ちで行列ができている。それに入って来た人は心なしかずっと俺を見ているような気がする
「チョコフラッペです」
えっ?早くない?こんだけ人いるのに。やっぱり男だから優遇されてるのかな
「ありがとうございます」
笑顔でそう言うと店員さんは顔が赤くなって逃げるように席を離れた。なぜか俺の顔を見た人は全員顔が赤くなっている気がする。この時代は男の人を見たら女の人は顔が赤くなるのかな?
「まぁいいや、そんなことより早く飲みたいし。・・・・あっ、そういえば一ノ瀬さんに写真を投稿しろって言われたな」
一ノ瀬さんに事務所用のSNSアカウントを作って定期的に写真を投稿しろと言われている
「どうせ需要ないと思うけど撮って投稿しとくか」
片手にフラッペを持っていて、とびきりの笑顔の写真を投稿した。そのタイミングで鼻血を出した人が大量にいたから少し心配したが幸せそうな顔をしていたし大丈夫だろう
「よし、じゃあ飲むか」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一時間半後
「やっと入れたぜ」
なぜかくたびれた様子で淳が店内に入って来た
「遅かったな、約一時間の遅刻だぞ」
「・・・・・・・・なぁそれ本気で言ってるのか?外を見てみろよ」
「どういうことだ?」
「はぁ、自覚なしか見てみれば分かるよ」
そう言われたら見るしかないだろうと思い閉めていたカーテンを開けた
・・・・・・・・なにこれ?ユ○バのハリウッド・ド○ームか?
ここには入るために一時間半はかかりそうな大行列ができていた。しかもそれは客がすぐ出た場合だから本当のところはもっとかかるだろう
「流石に呆れるよな・・・・・。結局俺は15分待ったあたりで嫌になって男だからと言って無理やり入って来た」
「それよりなんでこんなに行列が出来てんだ?」
「それゃあ色音・・・・マサトを見るためだよ」
「外では色音って呼んでくれ、本名バレたらめんどく・・・・てかなんで色音のこと知ってんの?」
俺は一度を色音の話を淳にしてないはずなのになんで知ってるんだ?
「はぁ・・・・あのなぁ、お前のことを知らない人の方が珍しいぞ。お前は有名になったんだよ。それなのに変装もなにもなしでこんなとこに来て挙句はSNSに写真投稿しやがって」
なるほどなるほど。俺が結構有名になって、そんな色音に会いたいという人たちが投稿した写真を見てここに来たってことか
「それって結構やばくない?」
「ああだいぶやばい、それにお前はもう芸能人だ。俺は大丈夫だがお前は写真を撮られても文句は言えねぇ」
確かに周りを見ると写真を撮っている人がたくさんいた
「ならとりあえず出るか」
「それが一番いいと思うぞ」
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