第48回 つちぐも 1
おじいさんのありがた~い おはなし。
今回から一部教育漢字以外も入ります。
「みんな!盛り上がっていくよ!」
今日も小式部&博雅のらいぶは超満員、最前列ではそろいのはっぴを着た貴族の若者たちがおどったり、飛んだりしていたそうな。
「今日は、みんなに最高のにゅーすがあるんだ。聞いてくれるかい。」
わぁー!
「これから、いっしょにらいぶをやる新めんばーのしょうかいだ!」
おおお~!
「まず、紫のけいふのこの人だ。」
「大弐三位でーす。さんみーと呼んでください。」
さんみー!
「それから、この人」
「小馬命婦でーす。みょーぶーと呼んでください。」
みょーぶー!
「っていうか、なんで私?ママといっしょで、あまり歌うまくないのに……。」
「ほんと、何でこんな人といっしょなんですか?百人一首に入っていないでしょ。」
「いいから、のりよ。三人官女2世のたんじょうよ!」
文字どうり、和泉式部、紫式部、清少納言の三人官女の娘。2世ユニットの誕生であった。
「でも私たちはママたちと違って、ロックだぜ!」
おおおおおっ~!
「もりあがっていくぞ!!!」
博雅のげんじょーぎたーがうなりをあげ、式神バンドの重低音さうんどがひびきわたる。
ライブ終了後、最前列にいた貴族の若者たちがもめていた。
「トップオタはやっぱりおれだ!」
「兄さんは、歌はうまいけど、政治力ぜろだから、TOは無理。」
「最初に見つけたのはおれだぞ!」
「ぼくは、花見にさそいました。」
「自分の家にも花は咲いてるって、断られたくせに」
関白殿の次男の頼宗と、5男の教通があらそっているのを、しんせきの範永がおろおろしてみている。おなじくいとこの公成がとめようとオタ長老をさがしてきた。
「何をあらそっているんですか?落ち着きなさい。」
「うるせー、あさぼらけおじさんはだまってろ!」
「仕方がありませんね。」
あさぼらけおじさんこと定頼は、急にお経を唱えだした。
「うっ、頭が…。」
「いたたたたっ」
頼宗と教通は、とりあえずおとなしくなったそうな。
「おしにガチ恋してはいけませんよ。それは厄介っていうんです。」
「厄介?」
「握手会独占しようとしたり、他のファンにマウントとったり、目立とうと迷惑かけたり、プライベートで会おうって、個人メールできょうはくしたり、総選挙の票をそうさしたり。」
「ん?」
「身に覚えはありませんか?」
ギクっ!
4人は顔を見合わせた。
「まさか、勝手に家に押しかけたりしてませんよね?」
「い、いや……、まだ…。」
「父上の保昌さんがこわくって、私には無理です。」
「まあ、関白殿の息子ってぱわはら、使える人は別でしょうけど」
「おれたちも、そんなこと……。」
「正々堂々と、花盗人作戦で、臨むとよろしいのでは?」
「盗人が正々堂々なのか?」
「兄さんそんなことも知らないの?」
「頼宗さん、蓬莱の玉ですよ。」
「玉?」
「みなさんが、小式部さんの望むものを用意するってことですよ。」
そんなわけで、小式部内侍をめぐる7人の男女の恋物語がはじまるのであった?
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
おしにガチ恋はやめような。
【ごきょうくん】が大事
基本小学高学年にも読めるレベルです。
子孫が寝る前におはなししてあげてください。
何か少し前の事件を思い出しますね。
読んでいただいてありがとうございます。
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