第46回 わらしべ 10
おじいさんのありがた~い おはなし。
それからというもの日本中で「きつねだんす」が大流行、そして第2だん、「しこうてい」も2つの「ちゅうかなべ」をふりまわす、かっきてきなだんすで大好評、ど〇きつねたちは、毎日すけじゅーるにおわれるほどの人気者になったそうな。
そして、毎日のそばも、「てんたまそば」にぐれーとあっぷしたそうな。
「なんかそばが、どんどんごうかになってるよ。」
「金ぴかしょうぐんから、今日、えび天がとどいたし。」
「でも、なんで毎日そばなんだ!」
どんまーきゅりーが、ほかほかのおもちをもってもどってきた。
「みんな、がんばっているから、お給料あっぷですって。」
「やった~!」
「これで売かけが……。」
「でも、いつもらえるのよ!」
「あっ!」
「そうか。」
「で、そこのとこどうなのよ!」
まーきゅりーはあわててつうしんきにもどった。
ぱん、ぱん、ぱぱん?
……ぺったん、ぺったん、ぺ……!
「『……え、おくったよ、あっ……』ですって、まさか?」
ぺったん、ぺったん、ぺぺぺぺぺ。
「修正してなかったですって。」
「何よ、ばぐうさぎ!!!」
「ってことは、また『しっぽちょうじゃ』?まためんどうなことになりそう。」
「だいじょうぶ、今度は金ぴかしょうぐんは味方よ。」
というわけで、ど〇きつねたちは、又八のところにむかったそうな。
とんとんと、ど〇きつねたちが又八の家の戸をたたくと、おすぎかあさんが出てきたそうな。
「また、あんたたちかい。何の用だい? わたしゃもうおどらないよ。」
「『しっぽちょうじゃ』さんいますか?」
「しっぽちょうじゃ? ああ、又八かい。又八なら畑に行っちょるわい。」
「おかねもちなのにはたらいているの?」
「ああ、まいぞうきんって、おぶぎょうさまがあずかって、ちょうさちゅうで、かってに使えんのじゃ。まあ、きゅうに金持ちになって、なまけものになるのもみっともないしの。」
「遊んでくらせるお金があるのに?」
「それ、だめ男になるぱたーんじゃろ。ばかなあそびに手を出すようになったらしまいじゃ。」
「だめ男?」
「ばくちやさけに金使うようになって、しまいには女をはたらかせて、うまいこと言って遊んどるやつおるじゃろ、うちのさくらはまじめじゃから心配じゃ。又八がひもとかいうやつになってもこまるからのう。」
「なんかそのぱたーん、聞いたことがあるなぁ、じゅぴたー。」
「ぎくっ……私のおしは違うもん……うりかけあるけど……。」
「それに、金をもつと、ろくなことにならん。毎日のようにいろいろへんな人がきての、ほけんとか、くるまとか、きんゆうしょうひんとか、こううんになるつぼとか売りに来るんじゃ。」
「こううんになるつぼ?」
「れいかんしょうほうってやつね。むーんが前にひっかかったやつ。」
「それに『しっぽちょうじゃ』の家って、見に来るやつや、金を借りに来るやつも多くての。それにますこみってやつが、どろーんまでとばすんじゃ。」
「どろーん?」
「おばけ?」
「おばけこわい。」
「おんりょうたいさん!」
「あんたたちも、お金がめあてなら、やめといたほうがいいよ。」
「じつは、あれ私たちのものなんです。」
「そんなうそは、何度も聞いたよ。私がむかし…とか、先祖が…とか言うんだ。」
「うそじゃありません。名前が入っていたでしょ。」
「いや、大判小判がざくざく入っておったぞ。」
「そんなぁ。」
「じゃあ、畑で又八に聞いてみな。今ごろはさくらとおべんとうを食べてるだろうよ。」
枯れた桜の大木の下で、又八は、さくらのひざまくらでよこになっていた。さくらもしっぽをゆらゆらとふって、しあわせそうな二人だったそうな。
「おら、お金がなくてもおまえとこうしていられたら、しあわせだぁ。」
「わたしも又八といっしょだとしあわせよ。」
そのようすをみつけたど〇きつねたちは
「なんか、あまあまな感じなんですが……。」
「あの人、昔好きだったせんぱいににている。」
「あんたまた?そういって何回だまされたの?」
「きっと、悪いれいがついているのよ。」
「それより、はやく行きましょう。」
「よし、行くよ。」
ど〇ぎつねたちが、又八たちに近づくと、さくらはしっぽをぴんとたてて、けいかいしたそうな。
「あなたたち、また来たの?」
「今日こそ、返してもらうわ!」
「返すって何をだ?」
「私たちのお給料!」
「きゅりょうて何だ?それ食えんのか?」
「おかね!」
「今まで何人も、自分のものだから返せっていってきたけど、しょうこあるの?」
「名前書いてあったでしょ。」
「いや、中には大判小判がざくざくだっただ。でも名前は書いてなかったぞ。」
「うそ、じゃあ見せてよ。」
「ここにはないんだ。おぶぎょうさまがあずかってるだ。」
「もう、めんどうね。いくわよみんな。」
「めいくあっぷ!」
「愛と正義の美少女ど〇きつね戦士 どんむーん。月に代わって……。」
「愛と知の美少女ど〇きつね戦士!どんまーきゅりー、水星に代わって……。」
「愛と情熱の美少女ど〇きつね戦士!どんまーず、火星に代わって……。」
「愛と勇気の美少女ど〇ぎつね戦士!どんじゅぴたー、木星に代わって……。」
なんかくいぎみに次々に名乗りを上げると、急にがけのうえから
「またせたわね。愛と美の美少女ど〇ぎつね戦士!どんびーなす、金星に代わって……。」
「あいつら、自分で美少女っていってるだ。」
「私の方が、きっときれいよ。」
「んだ、さくらのほうがきれいだ。」
「もう何言ってんのよ!そういうせっていなの!」
「わたしは美少女、わたしは美少女、わたしは……。」
「ぜんりょくでいくわよ。」
「くらいしす、めいくあっぷ!」
青と白のチアリーダー姿に変身したど〇きつねたちは、きつねだんすをおどりはじめた。
「又八!おれよ。」
「わかっただ。おれ、.おれ、おれ~!」
どこからか けいかいな さんばのりずむが ながれはじめた。
しかし、しだいにそのりずむが、きつねだんすのりずむにのみこまれていく。
金ぴかのいしょうに金ぴかのきつね耳、金ぴかのしっぽをつけて しろいうまにのったおとこが あらわれて、うたいはじめた。
ふぁっ、だず ざ ふぉっくす せい? ♪
「何だ?」
「何か、しょうぐんさままで?」
「さくら、どうしよう?からだが動いてしまうだ。」
又八は、必死にこらえていたが、もう指がきつねに……。指に何かがふれた。
「ん?」
そのとき、又八の頭のなかで「最初にさわったものを大切にするんじゃぞ。じゃぞ、じゃぞ……。」とかんのんさまの言葉が……。しっぽ……。
「きゃん!」
すると、ふしぎなことに、さくらのしっぽが光った! そして、急ににぎやかなおんがくも、おどりも止まってしまったそうな。
「ここほれ、わんわん!」
さくらは急にさくらの木のうらがわにまわって、根元をさした。みんな何事かとようすをみている。
「ここほれ、わんわん!」
又八がくわでほってみると、太いさくらの根っこに光る竹がささっていたそうな。
「あ、これ転送かぷせるじゃん。」
「ここにあったのね。」
「これ抜ける?」
「けっこう深くささってるよね。」
というわけで、みんなで、力を合わせて根っこからかぷせるをひっこぬいたそうな。
そしてその中には……。
「あった!わたしのおきゅうりょう!」
中には「きゅうりょうぶくろ」のたばがぎっしり入っていたそうな。
ど〇ぎつねたちが、自分の3年分のきゅうりょうぶくろを取り出し、おおよろこびしていると、さくらは、今度は上をぼーっと向いている。
「ね。又八。」
「ん?」
「これ何?とてもきれい!」
又八が上を見上げると、今まで枯れ木だとおもっていたさくらの大木に次々と花が咲き始めていたそうな。
「これがさくらの花だ、これをさくらにみせたかったんだ。」
みるみるうちにさくらの花は満開となった。
金ぴかしょうぐんはじょうきげんで、
「あっぱれ!みごとなさくらだ。おまえに「はなさかじいさん」の称号をやろう。」
「まってください。又八は『じいさん』じゃありません。それに私、ころされて灰になりたくありません。」
「んだ。それに『しっぽちょうじゃ』とか『はなさかじいさん』とかきゃらじゅうたいだ。」
「そうか。ざんねんじゃな。まあここでみんなで花見といこう。」
そんなわけで、おすぎかあさんや、やぎゅうさんもよんで、三日三晩、にぎやかにみんなで、お花見をしたそうな。
そして、みんなで仲良く「きつねだんす」をおどったそうな。
「せいこうです。地球人と仲よくだんすをおどっています。」
ぱん、ぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん
ぺぺぺぺぺぺ……。
「また昼寝みたいですね。」
「これにて いっけん らくちゃく」
お花見が終わったころに さくらふぶきのあそび人が あらわれた。
めでたし、めでたし。
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
いっしょにおどればなかよくなれるぞ!
【ごきょうくん】が大事
基本ひらがな書きです。
子孫が寝る前におはなししてあげてください。
第4章完結です。
わらしべ長者と花咲爺をかすった感じになりました。
「さくら」を死なせたくなかったんですよ。
読んでいただいてありがとうございます。
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