第43回 わらしべ 7
おじいさんのありがた~い おはなし。
それから数日後の夜、ど〇きつねたちは、「しっぽちょうじゃ」の家の前までやってきたそうな。
「ねぇ、このへん、前にきゃんぺーんで来たことがなかった?」
「記録とってますよ。」
「ゆーちゅーぶに上がってるよ。あの男のおどろいた顔ちょっとばずったわね。」
「いいから、こっちの方の家よね。」
とんとんと 又八の家のげんかんの戸をたたくと、おすぎかあさんが出てきたそうな。
「こんな時間にだれだい。」
「わたしたち 旅のど〇きつねです。」
「ど〇きつね?」
「そう、わたしたち」
「月に代わって……。」
いきなり、ど〇ぎつねたちは、きつねだんすをおどりだした。おすぎかあさんもなんだか体がかってにおどりはじめていた。
「かあちゃん、なにおどってるだ?」
「おかあさま、どうなさいました?」
又八とさくらが、外のさわぎに気づいて、出てくると
「しっぽ娘がでてきたわ。するとあの男が『しっぽちょうじゃ』だね。」
「みんながんばって、あいつらを」
きつねだんすのめろでぃと、りずむに又八とさくらも、体がしはいされはじめている。
「だめだ、おらこのままだと……。」
「又八、これはおどっては、だめよ。」
「でも、おら……。」
動き出そうとする体を、必死にこらえていた又八は、何か体をささえるものを、さがして手をのばした。そこにあったのは……。しっぽ。
「きゃん!」
すると、ふしぎなことに、さくらのしっぽが光った!
「又八、おらはだめよ。おれ!」
「うううう、おれ?」
「おれよ!」
その間にも二人の足は、きつねだんすのすてっぷをふみはじめていた。
「おれ!おれ!おおおおおれ!」
どこからか けいかいな さんばのりずむが ながれはじめた。
しだいにそのりずむはきつねだんすのりずむをのみこんでゆく。
そして、金ぴかのいしょうをきて 白い馬に乗った男が あらわれて、歌い出した。
必死にていこうして、きつねだんすをおどっていたど〇きつねの娘たちが、乱れはじめていた。おすぎかあさんのおどりはさんばにかわっていた。そしてついに……。
「おどってくれなきゃ、やだやだやだやだやだ。」とだだをこねだした。
「でた!あれが、かのゆうめいな……。」
「あまえんぼう しょうぐん!!!」
「せいばい!!!」
と、しょうぐんさまが となえたので、ど〇きつねたちはあわててにげだした。
「てったーい!」
「おぼえてらっしゃい!」
「わたしのおきゅうりょうが…。」
「こんげつの うりかけが…。」
「ふん、さくばんそのようなことが……。」
片目眼帯の少年はそう言うと、片目をおさえた。今日はなぜか右目であったが…。
かんしかめらのえいぞうをみながら、少年はある場面に気が付いた。
「『月に代わって……。』か、やはり、月か?」
「おしおきあるのか?」
「たぶんない。あと、最後のこの場面だな。」
「てったーい!」
「おぼえてらっしゃい!」
「わたしのおきゅうりょうが…。」
「こんげつの うりかけが…。」
さくらが首をかしげる。
「うりかけ?」
「いや、そこじゃない」
少年は、しばらく考え込むと
「なぞは全て解けた!」
「じっちゃんの名にかけて?」
「しんじつはいつもひとつ?」
「いや、それ違うたんてい。」
少年は、眼帯をおさえながら、
「このえいぞうをみるかぎり、ど〇きつねがしんりゃくしゃの正体だな。」
「あの娘らが、しんりゃくしゃか?」
「又八どのが、見つけたのは、やつらの活動資金。」
「かつどうしきん?」
「おら、かつどんはすきだな。」
もう、又八のぼけにつっこむのにつかれた少年はスルーして
「となれば、また来るな。」
「返した方が、いいだべか?」
「あの娘たちの目的はしんりゃくなの?」
と、さくらはふしぎそうな顔をした。
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
きめぜりふはだいせつじゃぞ。
【ごきょうくん】が大事
基本ひらがな書きです。
子孫が寝る前におはなししてあげてください。
実在の十兵衛は隻眼じゃなかったみたい。
ってことは隻眼設定はやはり?
読んでいただいてありがとうございます。
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