第42回 わらしべ 6
おじいさんのありがた~い おはなし。
「ふむ、これは……。しんりゃくしゃたちのしきんとして、送られたものに違いない。おれの左目がそういっている。」
又八が金をほりあてたひょうばんは、あっというまに広がり、左目に眼帯の少年が、又八をたずねてきたそうな。
「しんりゃくしゃ?」
「竹林に光る竹を何本も送りこんできて」
「全部、金か?」
「いや、こちらは……しんりゃくしゃだ。」
「それは、なんかいやだな。」
「まあ、身の回りには気をつけろと、とーちゃんからのことづけだ。となりにたけぞうさんもいるからだいじょうぶだと思うけど。」
「たけぞう?あいつはよひょうっていうだ。すずしくなるまで北の方に行くって、言ってただ。」
「留守なのか。心配だな。とにかくしんりゃくしゃには注意することだな。」
「しんりゃくしゃって、どんなやつだ?」
「とりあえず、光るものにはちゅういだな。」
そのころ、「はせ寺」では、かんのん様のおつげで、しっぽをつかんで、大金もちになった又八の話が、ひょうばんになって、「しっぽちょうじゃ」伝説が大流行したそうな。
「わしは、えんむすびが専門なんじゃあ!」
と、かんのん様が、おつげの中で言っても、みんな「しっぽ」をのぞむようになり、「はせ寺」までの長い参道では、「しっぽ」ぐっずが売られるようになったそうな。また、「しっぽ」をつけた女性が人気になると、若い女性がみな「つけしっぽ」をするようになったそうな。
「なんで、あんな品のないしっぽが、流行るのよ。」
「そうよ。私たちのしっぽのほうが、ゆうがで美しいし。」
「いぬのしっぽって、笑っちゃう。」
この空前の「しっぽぶーむ」が、おもしろくないのか、3びきのど〇きつねの娘たちが文句を言い合っていたそうな。
「でもこっちきてから、ろくなことないよね。」
「きっと、あくりょうにとりつかれてるのよ。」
「ほんと、おうえんも、おかねも送ってこないし、まじやばい。」
「せっかく すてきなだんすを教えてあげてるのに、ばずらないもんね。」
「きんぴかのしょうぐんさまにとりつかれているみたいだし。」
「もう、そば売って、おどるの まじだるい。」
そこに天才きつねがやってきた。
「どうやら『しっぽちょうじゃ』があやしいですわ。」
「そりゃ、あんなしっぽ流行らせたのは、あいつでしょ。」
「しっぽじゃなくって、おかねのほうです!」
「えっ、わたしたちのおきゅうりょう?」
「竹づつに入っていたってのが、あやしいと思いますわ。」
「竹? あれってまさか転送かぷせる?」
「たぶん、そうですわ。」
「ええ?」
「まじ?」
「かえせ!わたしのおきゅうりょう!」
「でもなんで『しっぽちょうじゃ』のところに行っちゃったの?」
「問い合わせているけど、多分、また昼寝してるみたいなんです。」
「ねぇ、まさかと思うけど、おうえんの人たちは?」
「どこかに着いてるかも。」
「きつねだんすが、流行らないのも?」
「それは、きんぴかしょうぐんのせいでしょ。」
「まあ、連絡を待ちましょ。それより、おかね。もうそば売るの限界よ。」
なんと、しんんりゃくしゃは実在したのか?
ど〇きつねたちは、「しっぽちょうじゃ」のようすをさぐることにしたそうな。
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
よくかんがえよ~、おかねはだいじだよ。
【ごきょうくん】が大事
基本ひらがな書きです。
子孫が寝る前におはなししてあげてください。
柳生一族 vs ど〇きつね?
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