第13回 おにがしまの たたかい
おじいさんのありがた~い おはなし。
むかし むかし あるところに おにがしまという しまがありましたとさ。
そこでは おにたちが なかよく しまのたからをまもってくらしておりました。
ところがあるひ ひがしのそらから いちわのきじが とんできて
おにがしまの いりぐちのもんを あけてしまいました。
もんがあくと なかから はんにゃのおめんをつけた きながしのおとこが、
いぬと、さるをひきつれて はいってくるでは ありませんか。
「なにやつ?」 もんをまもっていた おにがたずねると
おとこは めんをとりながら
「ももからうまれた。あっ、ももたろう……。」
あまりにもあやしかったので もんばんはなぐりたおしてしまったとさ。
……なぜだ、なぜ、きいてくれないんだ……。
うすれる いしきのなかで ももたろうざむらいは いのちがつきるのをかんじていた。
「なにやつ?」 もんをまもっていた おにがたずねると
おとこは めんをとりながら
「ももからうまれた。あっ、ももたろう!」
こんどは、うまくもんばんの こうげきをさけた
「ひとおつ、ひとよりちからもち♪」
「まちがえた、やりなおし…。」
どすっ!
みるとむねから やが はえている。
……なぜだ、なぜ、ここでまちがえるかな……。
うすれる いしきのなかで ももたろうざむらいは いのちがつきるのをかんじていた。
「なにやつ?」 もんをまもっていた おにがたずねると
おとこは めんをとりながら
「ももからうまれた。あっ、ももたろう!」
こんども、うまくもんばんの こうげきをさけた。
「ひとおつ、ひとよの いきちをすする。」
「おれたち きゅうけつきじゃないから ちは すすらないなぁ」
「そうだよなぁ」
おにたちは あつまってきて いいあっている。
「めんどうだから やっちゃお!」
……なぜだ、なぜ おやくそくが わからない……。
うすれる いしきのなかで ももたろうざむらいは いのちがつきるのをかんじていた。
「なにやつ?」 もんをまもっていた おにがたずねると
おとこは めんをとりながら
「ももからうまれた。あっ、ももたろう!」
こんども、うまくもんばんの こうげきをさけた。
「ひとおつ、ひとよの いきちをすする。」
「おれたち……」
「ふたあつ、ふらちな あくぎょうざんまい。」
こんどは おにが はんろんするまえに なぐりたおした。
「みいいつ……」
また、むねから やがはえてる……。
……なぜだ、なぜさいごまで いわせてくれないんだ……。
うすれる いしきのなかで ももたろうざむらいは いのちがつきるのをかんじていた。
「なにやつ?」 もんをまもっていた おにがたずねると
おとこは めんをとりながら
「ももからうまれた。あっ、ももたろう!」
こんども、うまくもんばんの こうげきをさけた。
「ひとおつ、ひとよの いきちをすする。」
「おれたち……」
「ふたあつ、ふらちな あくぎょうざんまい。」
こんども おにが はんろんするまえに なぐりたおした。
それから、やのとんできたほうこうに てをあげて
「ちょっとまって!」と はやくちで、
「みいいつ、みにくい うきよのおにを たいじてくれよう、あっ、ももたろう!」
と、とんできたやをかわすと、
「いえた!おれはやったぞ!」
うれしそうに、ももたろうざむらいは かえっていきましたとさ。
めでたし、めでたし。
「ぜろからはじまる ももたろうざむらい2」
【ごきょうくん】
おじいさんとのやくそくだよ。
おやくそくはだいじだけど、もくてきをわすれちゃいけないぞ。
【ごきょうくん】が大事
基本ひらがな書きです。
子孫が寝る前におはなししてあげてください。
また死に戻っちゃいました。
あのセリフ、最後まで聞けるのは一番悪い奴だけだけどね。
あと「いなかっぺ大将」って知ってました?