顛末書
冥界の王タルタロス殿。
このたびは、当部署より送った魂の混同により、貴部署の浄化ラインに混乱が生じた事、深くお詫び申し上げます。
経緯と致しましては、殺人により発生した魂の、加害者側と被害者側の名前と生年月日が同じだった為、魂の分別が付かず、本来天界へと送られるべき魂も冥界へと送られてしまい、担当者が浄化ラインを一時的に止める事となりました。この事により、魂の浄化ラインに多大なる延滞が生じた事に加え、我々の最も尊ぶべき大切な魂に傷をつける事となってしまいました。
対策と致しまして、混同した魂、2体におかれましては、転送先にて経過観察を続け精査し、分別した後、全力を挙げサポートする所存でございます。
その手順につきましては、以下のように対応する所存です。
1. 転生体2体は同条件で精査する事。
2. 転生体が16年を経過した後、転生体2体を監査し、その魂の純度の高い転生体を被害者と決定し、その世界に残し、保護する事。
3. 残る1体は、加害者として冥界へと戻す事とする。
尚、転生体の監査が行われる16年より前に命が失われる事がないよう、サポーターを付け、厳密に管理する事と致します。
今後、この様なミスを二度と起こさないよう、神一同、細心の注意を払う所存でございます。本当に、申し訳ございませんでした。