不幸な人生を送って自殺した俺に転生の女神様が『好きなところに転生できるようにしてあげましょう。王族にしますか?それとも勇者の一族がいいですか?』と言ってくれたので巨乳な女神様のお腹を指差してみた。
思いつきの短編投下します!
俺は自殺した。
親にも兄弟姉妹にもクラスメイトにも先生にも、ありとあらゆる者たちから俺はいじめ続けられ、俺の逃げ場所は『死』しかなかった。
なぜ俺が虐められるのかわからない。
力の無い俺はただ理不尽な仕打ちを受けるだけだった。
俺はひたすら耐え続けた。
中学になれば環境が変わる、高校になればあいつらと会わなくなる、そんな期待を持って進学したが、新しい進学先でいじめっ子が増えただけだった。
社会人になり、職場で上司や先輩や同僚からいじめをうけるようになり、俺はもはや限界になった。
遺書も遺さず俺は死んだ。
誰にも見つからないよう、火口に身を投げた。
そして、俺は気が付くと真っ白な世界にたたずんでいた。
「あなたは転生することになりました」
目の前で美女がそう言ってくれた。
いわゆる異世界転生の時に現れる女神様なのだろう。
対人関係最悪な俺が唯一の逃げ場にしていたラノベ。
だからこの状況もあっさり受け入れられた。
「自殺した人にはチート能力は与えられません。誰かを救ったりした人限定なんです。でも、あなたはあまりにも不幸な人生を送ってきたようですので、特別に好きなところに転生させてあげましょう」
「えっ?どこでもいいんですか?」
「はい。王族にしますか?それとも勇者の一族がいいですか?それとも…」
俺は無言で女神様のお腹を指差した。
「ここですね…って…私のおなかっ?!」
そして女神様は俺の目線がそのお腹よりも上に向いていることに気づいた。
「だだだだだだだだだ」
「削岩機?」
「だめですっ!絶対に駄目ですっ!私はまだ1200年しか生きていない若い女神なんですよっ!あなたの居た世界で言うと12歳くらいの女の子なんです!それにその目線!まさか私の母乳を狙ってますねっ?!」
「うん」
女神様の精神年齢が12歳と聞いて、よけい女神様から生まれたくなった俺。
現実逃避してラノベ読みすぎて、性癖がゆがんだんだろうな。
「なんてことを考えるんですかっ!却下です却下!とにかく平和な異世界で民からも信頼の厚い王族の女王のお腹に転生させますからね!」
『それはならぬ』
突然厳かな声が響き渡った。
「この声は最高神様?!」
『女神エクシードよ。我々神は天界に居る限り、約束を違えてはならんのじゃ』
「そんなっ?!でも、私はまだ1200歳です!他の神々の居る領域に行くことすらできませんから妊娠なんて無理ですからっ!」
『たしかに1600歳にならねば他の神々に会うことは出来ぬ。じゃがな…』
「ま、まさかこの人と子作りをしろと?!」
ずざざざっと後ずさる女神様。
『そうではない。神は相手が居なくても妊娠できるのじゃ。いわゆる処女受胎じゃの』
「ええっ?!」
『母親としての責務を全うするまで転生の業務はしなくてもよいからの』
「私が母親に?!」
『では、そーれー!』
最高神様の掛け声とともにいきなり俺の目の前が真っ暗になった。
まっくらだ…もしかして、ここが女神様のお腹の中?
『そうよ!どうして処女なのに妊娠しないといけないのよ!』
処女と言うことは…生まれる時に俺が『膜』を破るのか。
『自分の子に破られるとかいやあああああっ!』
ぎゅううううううっ
女神様が興奮したせいか俺の周りが狭くなって押しつぶされそうになる。
どうどう、落ち着いてよママ。
『ママって言うなあ!こうなったら、あなたを産んだら人間の世界に捨ててやるんだから!』
神様がそんなことしていいの?
『いいのよっ!そう決めたんだからっ!』
そんなやり取りが何か月も続き、ついに俺は生まれた。
「おぎゃあおぎゃあ…って生まれてすぐに泣かないと駄目なんだよな」
「何で普通にしゃべってるのよおおおおっ!」
「前世の記憶があるせいかな?」
「とにかく!あなたは人間界に捨てますから!」
女神様は空間を開くと、その中を覗き込んだ。
「孤児院…ここなら放り出しても面倒見てくれるわ。じゃあね」
ぽいっ
こうして俺は異世界の孤児院に捨てられた。
「…ってなんで私も一緒なのよっ?!」
『元女神エクシードよ。母親としての責務を全うするまで転生の女神に戻れないと言ったのを忘れたかの?』
「そんなあ!最高神さまあっ!」
『生き延びるために必要なスキルは適当に見繕って渡しておいた。頑張るのじゃ』
「最高神様、覚えてなさいよおおおっ!」
ガチャッ
その時扉が開いて誰かが入ってきた。
「話し声がすると思ったら…あなた、いったいどこから入り込んだの?」
そう言うのは温厚そうな雰囲気のシスターだった。
「あ、え、えっと私はその…」
「身なりはいいのね?もしかして貴族…だったら子供だけでこんな所に来ないわよね?」
「あ、えっと…どう言ったらいいのか…」
女神様の外見は精神年齢に合わせたのか12歳相当になっており、緊張のためかしどろもどろになっていた。
『私たち、捨てられたんです。それで彷徨っているうちにここに』
「そうだったんですか」
「えっ?!私は何も言ってないけど?まさかあなたが?!」
女神に抱きかかえられて余裕のある俺は自分のステータスをすでに確認していた。
名前:まだ無い
職業:まだ無い
年齢:0歳
スキル『母乳搾乳』『声真似』『魔法(神)』『念動力』
しゃべれるだけじゃなくて声真似ができるから女神様の声を真似してみたんだ。
「それでその子はあなたの弟なの?」
「いえ、知らない子です」
『いえ、私の子です』
「えっ?どっち?」
ここは強く言ったもの勝ちだ!
『私の子だなんて現実受け入れられないのっ!錯乱してついひどいことを言ったりしてしまうから助けてくださいっ!』
「ちょっ?!あなた何言ってるのっ?!」
「ああ、そんなに取り乱してしまって!それにしてもこんな幼い体で子を産んでしまうとは、なんということでしょうか」
「私まだ処女だから!子供なんてできるわけないの!」
『いまだに処女受胎なんて信じられないの!ああ、現実逃避を叫びたいわ!』
「だから変なこと言わないで!シスターさん!この子が勝手に言ってるだけですから!」
「わかりました」
シスターはこくりと頷く。
「神の思し召しか、あなたは幼く清い身ででありながら子を孕んでしまったのですね。それで親に捨てられ、ここにたどり着いたと」
うん、シスターさんナイス補完だ。
「だから違…」
『おぎゃああ!おぎゃああ!おぎゃああ!』
「あらあら、お腹空いたのね?でも困ったわ。今この孤児院には赤ちゃんが居ないせいで母乳をもらえる人はを頼んでいないのよ」
『大丈夫です。この赤ちゃんのスキルで、若い女性なら誰でも母乳を与えらるようになりますから』
「また勝手に私の声で?!」
「えっ?そんなスキルあるの?じゃあ、私があげようかしら」
『ばぶー!』
俺は喜んで巨乳美人のシスターに抱きかかえられた。
だって女神様、背丈だけじゃなくて胸まで小さくなったんだもの。
「ふふっ、不思議ね。男性を知らない身でありながら、こうやって赤ん坊にミルクをあげられるなんて」
『ちゅーちゅーうまうま』
「シスターさん、そんな変態にミルクなんてあげなくていいのに…」
「本当に精神的に病んでしまったのね。それならこれから二人ともここで暮らすといいわ。そのうち精神的にも落ち着くでしょう?」
「この子だけ預かってください。私は帰りますから」
『母親としての責務を全うしないと天界には帰れぬぞ』
「ううっ、わかったわよ!私もここでこいつの面倒見るから!」
そして5年後。
俺は普通に成長した。
ただしそれは外見だけの事。
『魔法(神)』というぶっ壊れスキルを持っていた俺は孤児院のある街を襲ってきたレッドドラゴンを退治してしまい、史上最年少の冒険者になることになった。
「というわけで、パーティメンバーになってね、ママ」
「『なってね、ママ』じゃないわよっ!もうあなたは独り立ちしたんだから、私は天界に帰るんですからねっ!」
「帰れるの?」
「帰れるに決まってるでしょう?!ね!最高神様!」
『無理じゃ』
「ええっ?!どうして?!」
「母としての責務を全うしてないからじゃない?」
「あんなに世話をしてあげたのに?!もう一人立ちできるなら私は必要ないでしょう?」
「『母としての責務を全う』だから、全てやらないといけないよ」
「全てって何よ?何をやり残したって言うの?」
「授乳」
「なっ…」
この5年で女神様は人間と同じように年を取り体も胸も大きくなった。
「さあ、今こそ最後の役目を果たす時っ!」
『そうじゃそうじゃ!』
「何で最高神様までノリノリなんですかっ!」
結局、女神様は俺に授乳はしてくれなかった。
いや、厳密に言うと授乳は出来た。
でも、『胸以外から』だった。
俺のスキル『母乳搾乳』は指や耳たぶなど、しゃぶれる先端があればどこからでも母乳を出せるようになるからだ。
「せめて耳たぶで」
「あんたなんて足の小指で十分よっ!」
「それはそれでご褒美です、ちゅー」
こうして女神様は母親としての責務を全うして天界に帰っていった。
「じゃあ次の転生の人……生前の記録によれば、究極魔法をぶっぱなして自爆?自殺じゃないならチートは無しで、転生先だけ選ばせてあげるわ」
「じゃあ、女神様で」
「馬鹿言わないで…って、あなた、どうしてここに?!」
俺は女神様と別れてわずか2年で死んでしまった。
大魔王を倒すために最高威力の魔法を使ったせいだ。
「というわけで、今度こそ女神様の母乳直飲みを…」
「それならこれを見なさいっ!」
そこに現れたのは誰が8歳くらいにしか見えない幼さでありながら超絶美少女な女の子の映像だった。
「この子から生まれてみたくない?!」
「みたいですっ!」
胸は無くてもこんな美少女なら喜んで!
「では、行ってらっしゃーいっ!」
「はうっ?!な、何じゃ?どうして急にわしのお腹に赤子が?!」
「最高神様、どうなされました?」
「な、何でもないのじゃ!しばらくわしは仕事をやすむのじゃ!」
「最高神様?!またそうやって仕事をサボる気ですね?!」
「調律神セシルよ、そうではないのじゃ!わしのお腹に急に子が宿ったのじゃ!」
「まさか仕事をサボって男神と遊んでいたんですかっ?!」
「違うのじゃ!560億年ずっとまだ清い身なのじゃあ!
「嘘をつくならもっとうまくついてください!」
「だから嘘ではないのじゃあああっ!」
そっか、最高神様って男性の声だったのに外見はこんなお子様美少女だったんだ。
560億年も生きている最高神らしい威厳を保つためにあんな声にしていたんだな。
「なっ?お前はあの時の人間ではないかっ?!」
『おせわになりまーす』
「ま、ま、ま、ま、まさかわしの母乳を飲む気なのか?」
『巨乳じゃなくても合法8歳児母乳なら喜んで!』
「この変態があああああっ!」
その後、産まれた俺は最高神様の母乳を堪能したものの、色々あってわずか5年で生涯を終え、最高神様にいっぱい仕事を持ってくる調理神セシルのお腹に強制的に入れられた。
「なんで男嫌いのわたくしのお腹に子供がああああっ?!」
「ほほう、これは仕方ないのう。しばらく仕事は休むと良いのじゃ、ひーっひっひ」
「最高神様の仕業ですわねえええっ?!」
調律神というだけあって、体型やお味や栄養価など色々バランスの取れた女神様でした。
うん、ごちそうさま。
で、次はどの女神様のお腹に?えっ?爆乳魔神?
お読みいただきありがとうございました!