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勉強教えて、神沢

凛を教室におくったあと、俺は自分の教室へと向かった。ちなみに凛はクラスメイトから謝罪されていた。もちろん凛も謝っていた。


これならあまり心配する必要はなさそうだ。


教室についた俺は周りの視線を少し気にしつつ自分の席に座った。


どうやら俺の友人達はまだ誰も登校していないらしい。友人達が来るまでスマホでも見て時間をつぶそうとしたのだが…1人の生徒に声をかけられた。


「神沢…ちょっといい?」


「どうしたんだ?石田さん」


彼女の名前は石田 咲

テストの順位では4位だった。

長い黒髪に綺麗な顔付き、それに物静かな性格のため彼女は1部の男子からはかなり人気があるらしい。

そんな彼女に1つ欠点があるとしたら無表情なところだ。彼女は絶対に笑わない美少女とも言われている。


「ん。今回のテスト神沢1位だった」


石田さんはそう言った。


「そうだな、1位だったな。それがどうかしたか?」


俺はシンプルにそう返した。

今は石田さんがどう言う理由で俺に話しかけてきたのかを知りたい。


「別に私は、神沢に文句とかイチャモンをつけにきた訳じゃない」


「あぁ。それは分かってる」


石田さんの性格的にそんなことをするような人ではないことは俺も分かっている。

分かっているからこそ俺に話しかけきた理由が気になるのだ。


「神沢……今日の放課後時間ある?」


「ほ、放課後……?それまたどうして?」


「勉強…教えてもらいたい。今回のテストで分からないところがあった」


「いや…まぁ別にいいけど…先生に聞いた方がいいんじゃないか?」


その方が時間も短時間で済むしお互いの放課後の時間を削らなくて済むと思うのだが……


「それはいや。この学校の先生はみんな偉そう。そういうのは苦手」


あぁ……確かにこの学校どうしてかは分からないけど偉そうな口調で話す先生が多いんだよなぁ……その気持ちすごいわかる。


「そういうことなら…わかった。放課後に勉強を教えるよ。多分、凛も一緒に来ると思うけどいいかな?」


「ん。問題ない。1位と2位が来てくれるなんて心強い」


石田さんが頷きながらそう言った。


「その放課後イベントに私も参加させてもらうわ!」


教室の扉が勢いよく開き彼女――神楽坂 美颯はそう言った。神楽坂は俺と石田さんの元へとやって来た。


「神楽坂…ここは3組。2組の貴方の来るとこじゃない。それと放課後貴方は必要ない」


石田さんが言った。


「なに?石田さん?私が来るとなにか不都合でもある訳?」


「ある。神楽坂はうるさい。勉強の邪魔になる」


「なっ…!私はうるさくなんかないわよ!」


「ほら、今もうるさい。」


「それは…貴方が私を侮辱するからでしょ!」


「侮辱した覚えはない」


2人は睨み合う。


「神楽坂はなにが目的?放課後に私達と一緒に何がしたいの?」


「そんなの決まってるわ!この王子……じゃなくて!神沢 優の実力をこの目で確かめさせてもらうのよ!」


「そう。なら、尚更必要ない。早く出ていって」


石田さんはそう言って神楽坂の手を引っ張って教室を出ていった。

神楽坂を、教室に戻した石田さんは再び俺の元へとやって来た。


「2人は仲がいいのか?」


俺はそう石田さんに聞いてみた。


「神沢……今のを見て仲良さそうに見えたなら重症。神楽坂はテストの順位が発表されると毎回私に嫌味を言ってくる。私より少し点数が高いだけなのに……」


なるほどな、神楽坂らしいな。


「多分…神楽坂の本心は石田さんと仲良くなりたいんだと思うな…。」


「いやそれはない。今回の件みたいに良く言い合いをしている。放課後でさえ、正門で私が出てくるのを待ってまで嫌味を言ってくる」


あぁ……それもう確実に友達になりたいやつじゃん。


『キーンコーンカーンコーン♪』


予鈴が鳴った。


「神沢…放課後よろしく」


石田さんはそう言い自分の席へと戻った。

……っと思ったらまた戻ってきた。忘れ物でもしたのか?


いや……どうやらそういう訳ではないようだ。


石田さんは俺の席の前に立ちこう言った。


「今日の神沢は少しだけカッコイイ……」


そして俺の返事を聞くことなく戻って行った。


まさか……あの石田さんがデレた!?

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