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HERO SAGA ~NOAH~  作者: 陰キャ怪獣ザトウクジラ
第一章 黒い吹雪と紅の刃
6/12

歯車レシピと時空シャッフル

今回も新キャラ登場です…ちゃんと伏線回収できるか心配です…

 ~亜空間シャドーゾーン~

「ダークスクリーム。何か人間たちに動きはあったか?」

「はい。ヒーローマン及びダークブリザードの戦闘を元に、我々に対抗するためのロボット兵器を製造しているようです。」

「ロボット兵器か…面白い。で、それは地球人のテクノロジーでは無理だ。技術提供者は誰だ?」

「それが…過去を覗いても技術提供のタイミングでしか存在していないんです…恐らくこの能力は…」

「デルゼビュートか…奴も俺の気配を感じ取ったというところか…まぁいい。この世界で消える命が一つ増えただけだ。」

 ~インフィシブ 2F~

「というわけで、私は新兵器の心臓部の設計図を本部まで運ぶから、その間はみんなだけで上手くやっててね!」

 藍染小影。彼女は28歳にして自衛隊の陸将を務める。同時にインフィシブの経営もしているが、それには家庭的な深い事情があり、副業についても例外的な扱いになっている。

「新兵器とは一体どういうモノなんですか?」

 一番最初に興味を持ったのは識学博だ。彼は昔から興味のあるものに関しては徹底的に質問する癖があり、それ故に自然と知識を蓄えていった。

「そうね…強いて言うなら…巨大ロボット?」

「巨大ロボットって…重量は体高の三乗倍増加するわけですから到底動くものにはならないですよ?それとも切り札を持っていたりするんですか?」

「察しがいいわね!その通りよ。とは言ってもちょっとルーツが怪しいからそれを検証しに行くんだけどね…怪しい人が教えてくれたものだし…」

「よくそんなもの受け取りましたね。」

「そうね…何かよく分からないけど…その人の言葉には力があったのよ。で、その設計図をこれから本部に運ぶところ。明日から学校が再開するっていうのに大変なこと任しちゃってごめんね!じゃあ行ってきまーす!」

 コカゲは二階から飛び降り、愛車のオープンカーに飛び乗った。

「どこまでもアグレッシブな人だな…」

「ああ。よくあんなことができるなと思う。」

 ヒロシと秀樹はちょっと呆れ気味に言った。

「まぁ…個性…なんじゃないかな?」

 6月も終わりの時期。ジメジメとした空気が彼らの心をちょっぴり蝕んでいく。

「あー!こういう暇なときはどっか遊びに行きたい気分なんだよ!」

「午後からはSLCの活動をしてもいいって言われてるからそれまで頑張ろうよ!その時にどこかしら寄って…ね?」

 それからお互いに励まし合いながら四人は仕事を続けた。

 どんよりとした空気だからか客足は少なく、予想以上に楽な仕事だった。

「これだけ楽だとちょっとやりがいが無いって言うか…」

 仕事に不熱心な秀樹もそう思ってしまうぐらい客足が少なかった。

「秀樹、どうやらそれは何らかの超常的な力が働いている証拠だ。アナザーワンとはまた違う…」

「分かった。午後そっち側の調査をするよ。」

 ~12:00~

「終わったぁ!じゃあ行ってきまーす!」

 時計の針が十二時を指し機械仕掛けの小鳥がそれを知らせたとたん、秀樹は裏口から店を飛び出していった。

「皿洗いは俺たちの仕事かよ…まぁすぐに終わりそうだけど。」

「じゃあ後は頼んだよ。コウジだけでもすぐに終わるよね?」

「じゃあ行ってくるね。」

 コウジだけを残して二人も裏口から店を出る。

「ちょっ!待てよ!って言ってもニ三枚だから一人でやるにしても少ない量か…」

 そんなことをつぶやきながら皿を手に取ると、かなり違和感があった。

 いや、違和感というよりは『不条理』という言葉が正しいだろう。

 さっきまではソースなどで汚れていた皿が白く光っている。泡の残りどころか水滴すらも付いていない。

「おかしいな…確かに何枚か洗ってない皿があったんだけどな…気のせいか。俺もどっか行こう…やっぱおかしいよな?まぁいいか。」

 そこで物事を簡単に考えようとする癖が彼の欠点であり、この後の事態に関する伏線も逃してしまった。

 そんな伏線など気付くはずも無く表口から店を出た。

 ~流星タワー東部~

 流星タワー。流離市の名物であり、高さ100m断面積28100㎡(東京ドーム約六個分)という特異な形態から切り株のあだ名で親しまれる。

 このタワーの麓に、ヒーローマンは何か異様なモノを感じていた。

「気を付けろ…この辺りに何か危険な存在がある…」

「人間の俺にもそのぐらいわかるさ。まだ昼だっていうのにもう薄暗い…太陽はキレイに光って雲一つないのによ…」

 北へ50mも離れていないこの場所だが、空気感が全く違うことを感じるまでも無く理解した。

 たったそれだけの距離を移動しただけで息が切れている。

「やっぱり……何かおかしいぞ!」

 秀樹は更に北へ走り出した。

 ~さすらいふれあいパーク~

「本当に人が少ないよね…何かあったのかな…」

「心配することは無いよ。っていつもなら言うけど…何かがおかしいみたいだね…」

 市のイベントなどを多く開くこの公園にもやはり人はいない。

「アリエ、足元に気付いたかな?」

「うん…だけど…」

 恐る恐る足元に視線を向ける。

 そこからは長い影が東に向かって伸びていた。

「正午なら影は短いものができるはずだけどこの影は異常に長い。それが東に延びてるってことは夕方の影だね…明らかにおかしい…」

「そういえば…秀樹君のすぐ後に出たはずなのに後ろ姿も見てないよね…何が起こってるんだろう…」

 二人は謎を確かめるため更に公園の奥まで進んだ。

 ~近くのコンビニの前~

「やっぱりあの皿おかしいよな…」

 コウジはそんなことをつぶやきながらコンビニの前を横切る。

 その時、ガラスに映る自分の姿に違和感を覚えた。

「何でちょっと遅れてるんだ?」

 最初は気のせいかと思ったが、明らかに時間差が発生している。

 ガラスに向かって手を振ったり足を上げたりしたが、確かに遅れて見えた。

「このガラスが変なのか?ちょっと試してみるか!」

 コウジはそのまま走り、少し遅れてガラスの中のコウジがそれを追いかける。

 ~インフィシブ表口付近~

「どのガラスにも遅れて映ってる…これってマジで幽霊とかなのか?」

 コウジがその奇怪な現象に戦慄している所に同じく突っ走ってきた秀樹が突っ込んできた。

「コウジ⁉やべぇ止まれない!」

「秀樹⁉」

 二人はぶつかり、そのまま地面に転がった。

「どういうことだよ…お前は裏口から出たはずだろ…」

「そういうお前もどっから来てるんだよ…」

 もう一つの公園の中からヒロシとアリエが二人の所にやってきた。

「おかしいな…ふれあいパークにいたはずが流離公園から出てくるだなんて…」

「流離公園?じゃあここはインフィシブの南西だって言うのかよ!」

 秀樹は体を起こし、あたりを見渡す。そこにはいつも店から見ている景色があった。

「まず状況を整理しよう。俺とアリエたちは裏口から、コウジは表口から出たんだよな…そしてそれぞれ別の場所に向かったのにそことは全く別の地点で合流した。途中でテレポートしたってことなのか?」

挿絵(By みてみん)

「信じたくはないけど多分そうかも…それに僕たちの方では影が東に伸びていた。今はちゃんと北に向かって伸びてるけど…」

「ちゃんとって言ったけどよ…じゃあ何で太陽が三つ光ってるんだよ…」

 コウジが空を見上げながら呆然とつぶやいた。

「状況を整理してる間に状況が変わるな!ホント何が起こってるんだよ!」

 秀樹が思考を放棄しようとしたその時、どこからともなく機械音とうなり声のようなモノがが聞こえた。

「ヴヴゥゥゥ…ヴォォォォォォ…」

 骸骨のような怪獣が霧の中から姿を現し、秀樹たちに襲い掛かった。

 巨大な手が土煙を起こし、アスファルトを抉り取る。

「ガイコツ?ヒーローマン!あれがこの異常現象の根源なのか?」

「いや違う。だがどっちにしろ戦うことは避けられない!皆から見えない場所に移動するんだ!」

 秀樹はとっさにコンビニの中へ滑り込み、商品棚の裏へ隠れる。

 それとほぼ同時に紫色の稲妻が怪獣を貫いた。

 しかし秀樹はそれに気付いていない。

「何今の⁉それに秀樹君はどこ⁉」

「アリエ、落ち着いてよ。秀樹亡き今君しか話の通じるやつがいないんだ。」

「秀樹君死んじゃったの⁉嘘でしょ⁉ねぇ嘘って言って!」

「冗談だって。死んではいないだろうけどここにいないことには変わりない。それにパニックは全ての敵だ。」

 その時、甲高い笑い声のようなモノが三人を掠めて通り過ぎた。

「キャハハハハハ‼」

 骸骨の怪獣とは違う巨大な影が突然現れる。

 灰色の巨人。その姿は異形そのものだった。前と後ろの区別がつかない体、青く光る巨大なバイザーアイと幻のように揺らめく輪郭。

 あり得ないがその場にいるような不条理さを持つそれは、地に足を付けずに歩き出した。

 そこでタイミングが悪いのが早星秀樹という男だ。

「行くぞ!ヒーローマン!」

 オーバーブレスにオーパーツを突き刺し、ヒーローマンの姿へと変身する。

「骸骨だと思ったら幽霊かよ!まぁ似たようなものだし…」

「秀樹…こいつはヤバい…逃げるなら今の内だ!」

「逃げるかよ!つい最近覚悟決めたばかりなのによ!」

 秀樹はその怪獣に向かって走り出した。

「キャホホホホホ!」

 直後、紫色の稲妻がヒーローマンの体を吹き飛ばした。

奇声をあげながら戦うキャラって大体ぶっ壊れステータスなイメージ

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