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HERO SAGA ~NOAH~  作者: 陰キャ怪獣ザトウクジラ
第一章 黒い吹雪と紅の刃
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憎むべきは『もう一人』

原始恐獣プリミティブとヒーローマン「イーヴィルヒール」の戦いです!

ウルトラシリーズや仮面ライダーなどを見たりして『必殺技の構え』『変身アイテムのデザイン』などを考えました。仮面ライダーダブル面白いウルトラマンネクサス面白い(ドハマり)

 あの不思議な空間がはじけ飛び、俺は怪獣と対峙した。いや、ヒーローマンとして対峙したと言う方が正しいだろう。

 目の前ではこの世の物とは思えないほど禍々しい生物がこちらを睨んでいる。しかし俺自身がそれ以上の異常としてここにいた。怪獣と同じか少し高い目線でその眼を睨み返す。

 身長は怪獣と同じ50m程だろうが、それでもこちらの目線が高いということは直立している証拠だ。

 人間に限りなく近い姿をしているが、まず両手に違和感を感じる。

 ふと目をやると、その異形が目に映った。指が異常に鋭いかぎ爪になっている。

「早星秀樹と言うのか。ではヒデキ。君の記憶は一通り見せてもらった。自分がどういう姿なのかもわからないのは混乱するだろう。しかし勝手自体は人間の肉体と同じだ。好きなように動ける。」

 少々不安は残るけど、まぁ動きが制限されることは特に無い。はずだ。たぶん。

「打撃斬撃は手の甲で、光線は手の平で受けるんだ。そうすれば痛みは無い。」

「アドバイスありがとう。じゃあ…いくぞ!」

 地面を蹴り、怪獣に突進する。まるで無重力のように体が軽い。

 怪獣の巨体を突き飛ばし、その余波で周囲の樹木が吹き飛ぶ。

 地面に倒れた怪獣は再び口から光線を吐き、俺を攻撃する。

「手の平でガードするんだ!受け止めてから振り払えば光線が霧散する!」

 ヒーローマンのアドバイスの通りに光線を右手で受け止める。

「熱っ!だけど我慢できないほどじゃないな…」

 確かに熱いが、焚火に手をかざしたとき程度だ。地面をえぐる程の威力を持つ熱線に耐えるということは、地球上のあらゆる生物よりもヒーローマンは強固な体をしているということだ。

「じゃあ次はこっちの番だ!」

 右手を振り払い、怪獣の光線を消滅させる。

 そして鋭い爪で怪獣の左腕を切り裂く。

「グオォォォォ‼」

 怪獣が苦痛の咆哮を上げ、右腕の刃で攻撃する。

「斬撃には手の甲でガードするんだ!」

 ヒーローマンの指示通り、刃を左の手の甲で受け止める。

 手の甲は鎧のようになっており、刃が一切通っていない。

「手の平にパンチを打ち込めばエネルギーが増幅して弾き返せる!」

 アドバイスの通りに右手で左手に拳を叩き込む。

 すると左手の手の甲から衝撃波が放たれ、刃が木端微塵に砕け散る。

 それでも怪獣は怯まず、その太い尻尾を薙ぎ払う。

「手裏剣を投げるようにどちらかの手を尻尾に向かって振るんだ!」

 言われたとおりに腕を振ると三日月形の光の刃が手から放たれ、怪獣の尻尾を焼き切った。

「『エアロスパイク』、この技を使えばあの怪獣に近付かずに攻撃ができる!」

 中々いい技だ。これなら完全に封殺できる。

 後ろに下がりながら次々とエアロスパイクを放ち、怪獣の動きを封じる。

「グウゥゥゥゥ…グヴァァウ‼」

 怪獣が熱線を放ち、光の刃を蹴散らす。俺は熱線をギリギリのところで受け止める。

 その一瞬の隙に怪獣が突進を始めた。エアロスパイクを放ったが、怪獣の動きは止まらない。

「どうすればいいんだよ!あいつ痛みに耐性持ったぞ!」

「跡形も無く吹き飛ばすしかない。腕を伸ばして体の前で左を上にして交差させるんだ。その後腕を曲げて両脇で拳を作る。そして再び、今度は右の拳が上になるように両腕を突き出すんだ。」

 言われたとおりに腕をクロスする。すると両腕の重なった場所に凄まじい量のエネルギーが集まった。

 腕を曲げて拳を作るとそのエネルギーが腕全体に広がる。

「ヒーローマン…これってもしかして…」

「ああ。そのもしかしてだ。」

 腕を前に突き出すと全てのエネルギーが両腕の拳に集まった。そして次の瞬間、両手から凄まじい量のエネルギーが赤黒い破壊光線となって放たれた。

 その光線は怪獣の体を簡単に貫き、木端微塵に粉砕する。

「『フォトンストローム』、エネルギーを両腕に集め、それを破壊光線として相手に照射する。これが私の…いや、私と君の必殺技だ。」

「光線技…昔から夢だったんだよ!巨大ヒーローに変身して光線を放つのが!」

「そうか…」

 ヒーローマンと談笑…談笑って言うのか?まぁ話していると、背後に黒い巨人が姿を現す。

 俺はそのただならぬ気配を感じて、大きく距離をとる。

「お前は誰だ!って言っても通じるのか?」

「俺の名はダークブレイバー…全てを切り裂く…暗黒の刃…」

 黒い体に刺々しい黄金の鎧、黄金のマスクの隙間からは三本の黒い角と二つの赤い目が覗いている。

「ヒーローマン、こいつは一体何なんだ?言葉を話すってことは宇宙人か?」

「ダークブレイバー…だと…既に活動を始めていたのか?」

 ヒーローマンの様子がおかしい。かなり動揺している。

「どうしたんだよ⁉アイツがそんなにヤバいのか?」

「ああ。さっきの怪獣には黒幕がいる。このダークブレイバーにもだ。時間軸よりも昔から存在し、いくつもの宇宙を消し去った暗黒の破壊神『アナザーワン』…対の存在である『サーガ』との長き戦いの末にお互いは肉体を失った…その思念がこの星に潜伏していることは知っていた。それのためにこの星に来た。だが既に奴は活動を始めている!ダークブレイバーは奴の力の一部だ…恐らく人間の姿となって暗躍している…」

 時間軸よりも昔…いくつもの宇宙…地球とは時空法則の段階から桁違いだ…

 そんな生物…いや、地球の常識からしたら生物とは言えないだろうけど…そんなものがこの地球に姿を変えて潜伏しているだなんて…

「行くぞ…覚悟しろ…」

 ダークブレイバーが両腕にエネルギーを集める。

 あまりにも突然だったせいで回避が間に合わない。

「秀樹!変身解除だ!」

 ぎりぎりの所で変身が解け、ダークブレイバーの光線は遥か頭上を通過する。

 地平線の向こうの着弾点では巨大な爆発が起こり、その余波がここまで届いている。

「なんて威力だ…」

 再びダークブレイバーの方を見るが、既にその姿は無かった。

「秀樹…聞こえるか?私だ。ヒーローマンだ。」

 声のした方…手元を見ると銀色の短剣を握っていた。

「今君が握っているのは『オーパーツ』というアイテムだ。左手の『オーバーブレス』に刺せば変身ができる。」

 左手を見ると、同じく銀色のブレスレッドをしていた。

「普段はその二つのアイテムはそれぞれ指輪と腕時計に擬態させてある。オーパーツは変身以外にも武器として使えるが…この星ではあまり使わないだろう。」

 変身アイテムも中々カッコイイぞ…しかもオモチャっぽくない!最近のヒーローの変身アイテムはカッコイイんだがどこかオモチャっぽいからな…

 そんなことを考えていると聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「秀樹くーん!そんな所で何してたの?」

「そうだ秀樹…私と一心同体であることは誰にも秘密にしておいてくれ…」

 たしかに。無暗に言いふらせば変身前に襲われるかもしれない…

「秀樹くん?聞いてる?」

「分かってるって。」

「大丈夫だったの?大きな恐竜と巨人二人が出てきて大変なことになってたけど…」

「大丈夫だって。学校に戻ろう。」

「今日は休校。近くでこんなことがあったんだから。インフィシブに帰ろうよ。」

 まだ太陽は東寄りに輝いている。

 アリエと一緒にインフィシブに帰ると、コウジとヒロシがテレビの前に座っていた。

「ヒロシ!二人が帰ってきたぞ!」

「遅かったじゃないか。あのことは早速ニュースになっているよ。」

 テレビではヒーローマンの映像の前でニュースキャスターが原稿を読み上げている。

『今日午前10時ごろ、流離市立詐瞳高校の裏山に突如、巨大な恐竜のような生物が出現しました。今まで化石が確認されていない種であり、口から指向性の熱線を吐くなど今まで確認された生物とはかけ離れた性質を持っていることが分かっています。』

『さらに、この生物とほぼ同時に巨大な2体の人型の生物も確認されており、その二体に関しては両腕から指向性の熱線を放つ能力を有していることが分かっています。政府は暫定的に恐竜型の生物を『怪獣』。人型の二体を『巨人』と呼び、今後の対応を検討しております。』

『なお、怪獣に関しては二体の巨人の内一体によって殲滅されており、これらの関係についても調査が進められています。』

 怪獣に巨人ねぇ…正しいっちゃ正しいけどなんだかなぁ…

「まぁいいじゃないか。今は『巨人』だがいつの日か『ヒーローマン』になれるはずだ。君と一緒なら…」

 ヒーローマンが優しく語りかける。みんなには聞こえてないらしい。念話みたいなものだろうか。

「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだからな…いや、これから始まるのか。よろしくな。ヒーローマン。」

「ああ。この星は光で溢れている。私たちはその光を守り、それらに助けられるだろう。」

次回は秀樹たちの通う高校、詐り(偽り)の瞳と書いて『詐瞳高校』の紹介みたいな回ですね…

いつまでも設定説明が続くのやら…

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