8話
「資料、さがしたんだけど見つからなくて、誰かが来てしまったからあわてて部屋でようとしたらああなったんだよね」
そう、レイは顎に手を当てながら言った。
一応、有罪ではあるものの資料紛失の原因ではないということで、拘束ははずれた。
「え、ちなみにさがしてた資料は・・・?」
「2013年の1年2組女子生徒名簿とか」
「てことは、レイが来る前にもうなくなってたのか」
「ちなみになんで、そんなもん探してたの?」
「いやーそれは秘密かなー」
「そう。」
少し、おどけたように口元に人差し指をやったレイはいつもより少し違うように見えた。
いつもは、おどけてはいるときはあるが、基本はまじめで誠実そうなんだが。
これが本性らしい。
「とりあえず、もう一回隅々まで調べてみましょうか」
「そうだな」
「レイ、あんたも散らかしたんだから手伝いなさいね」
「えー」
「断ったら、生徒会から追放ね?w」
「あ、はい、すいません、やるから許して」
そんなこんなで、もう一度生徒会室に戻ると、他のみんなは先生が返したらしく、残っていなかったが、
カナセだけが一人残っていた。
「・・・レイ。資料のこと・・・いや、なんでもない。」
「え、あ、ああ」
「会長、これからまた仕事ですか?」
「いや、もう一度資料を探そうと思って」
「え、持っていなかったの?レイ」
「ああ、探したけど見つからなかったからね」
「そうなんだ。じゃあ、手伝います」
そんな感じで、俺らは4人で資料を手分けして探した。
だが、引き出し、棚の隅から隅、机の中など、いろんな場所をくまなく探し、おんなじ場所を2回くらい繰り返しさがしたりしてみても出てくることはなかった。
そんなことをしていると、もう外は暗く、最終下校時刻を知らせる音楽が鳴り響いた。
「もう下校時刻ね。まあ、今日はこんなところにしておきましょう。」
「そうだな、俺ももう電車の時間だし、はよ帰りたい」
「そうだね、レイ。」
「お前はもうずっとここで資料探しとけ」
そんな会話をしながら、身支度をし、俺たちは家路についた。
「あーもう。本当にどこに行ったのかしら。」
「あれだけ探してもないってことは本当に盗まれたんじゃねーか」
「んー。これで私がなくしてたたら・・・」
「大丈夫だって、そんなミスしないだろ?」
「いやま、そうなんだけど・・・。まあ、いいわ、もう家だし。そんじゃ」
「ん。じゃーな」
気づけばリコの家のまえにつき、不安げにリコは家に入っていった。
一人の帰り道、昨日みたいにならないように俺は溝からすこし離れてあるいた。
そのおかげで、今日は事故にあわずに済んだ。
「はーつかれた。んーシャワーするかー」
おれは、家に入り、速攻着替えて、シャワーをした。
今日は生徒会で一段と動いたために、汗をかいていたからとても気持ちよかった。
「ふー。あ、そうだ。ファイルの整理しとかないと、ファイルぱんぱんだ」
シャワーをあがってすぐ、そんなことをつぶやきながら俺は部屋に向かう。
そして、カバンからファイルを取り出し、プリントの仕分けをした。
今日、紙の書類の仕分けをさんざんやったために、心なしか手際がよかった。
パパッと終わらせて、ゆっくりしようと思った、そんな時。
俺は、自分のファイルの中から出てきたものを見て青ざめた。
「・・・・・・殺される・・・」