6話
「おはよう」
昨日、疲れで熱を出して倒れていたリコとは違い、今日は疲れも取れて元気がよさそうだった。
「お、おはよう。体調はよくなったか?」
「見てのとおりよ。で、あんた今日生徒会くるわよね?てか、こなかったら、わかるよね?」
「きょうは、行くよ。無理させれないしな」
「ええ。まあ、来るのが当然だとおもうけれどねぇ」
そんな調子で朝から廊下で話をしていると、奥から見知った二人が走ってきた。
「おーい、会長!カジ!」
「会長!ちょっと、来てください!!」
レイとカナセだ。焦ったような声で話しかけてきて、俺たちの手を引いて生徒会室へと向かっていった。
俺とリコはどういう状況か分からず、二人に連れられていくしかなかった。
ガラガラガラダンッ!
「え、なに・・・これ・・・?」
「・・・・・!?」
そこには、昨日までの綺麗に整頓されて、古き良きアンティーク調のもので揃えた部屋は跡形もなく、
机の上の書類は散らばり、部屋中にあふれている。
綺麗にひかれ、等間隔に並べられていた生徒会室の椅子は、そこらじゅうに散りばめられたり、倒れたりしている。そして、いろいろな資料や、備品などがはいっている、棚や引き出しは開けられて、そこから出された資料やものはバラバラに散らかっていた。
「私達、昨日の会長に任されていた仕事がまだ残ってたんでついさっき来てみたらこれでして」
「俺達ではどうにもできないような資料があると困るんで、まだ何も触っていません」
「先生は呼んだの?」
「呼ぼうと思って職員室にもいったんですけど、担当の先生がおられなくて・・・」
「あー、そうね、これは担当の先生じゃないとどうにもできないものね」
「とりあえず、リコなら先生の連絡先持ってるだろ?先生の携帯にかけてみるか?」
「そうしたほうがよさそうね、かけてみるわ」
リコの電話には、念のため担当の先生の連絡先、学校の連絡先も入っている。
絶対入れる必要はないみたいだが、リコが何かあったときにと入れているらしい。
「先生、すぐ来てくださるらしいわ。それまで、一応資料の整理を私達でしておきましょ」
「そうだな、」
そんなこんなで、少しずつ部屋を片付けていると、先生も到着し、先生も一緒に生徒会室を元に戻すのを手伝ってくれた。
ほかの生徒会の生徒も、ここを通り俺らに気づくと
「手伝います!」
と、加わってくれたので案外、資料のまとめ作業以外の片付けは粗方済んだ。
「ありがとうみんな、おかげで少しは元に戻ったわ」
「あとは、この大量の書類だな」
「これは、私と副会長でやるから、あとのみんなはもう自分の教室へもどりなさい」
そのリコの言葉に、片付けでかいた汗を拭いながら、個々に
「はい、わかりました。お先、失礼します」
と言って、去っていった。
さすがは、優等生達。礼儀がただしい。
「さあ、資料の仕分けからはじめるわよ」
「うへぇ、なんで俺がこんなこと…」
「なに、しばかれたいんすか?あなた」
「あ、すいません、やるから許して」
そんなこんなで、おれとリコはまたもくもくと作業に戻った。