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オッド愛!  作者: ネコミミ
1章 会長様とブタはソウシソウアイ?
5/14

4話

生徒会室に置いてあるふかふかのソファの上。

俺はリコをそこに寝かせ、水で濡らしたタオルをリコの額においた。リコの体はとても熱かった。

こんな中、仕事をするとは対した度胸だ。目の下のクマも、遅くまで書類に目を通していたのだろう。


「無理してんじゃねーよ、ばーか」


俺は小声で誰にも聞こえないように言った。


「おい、カジ。どうだ?会長の具合は」

「レイか。んー、疲労による体調不良だな、たぶん」

「そうか。」


「おまえ、少しは会長の気持ち考えろよ」


レイはリコの状態を確認し、そう言って生徒会室をでていった。


「カジくん、たまには生徒会ちゃんと来てね」


レイを待つのに生徒会室の前にいたらしいカナセも、そう扉が閉まる直前に言い残して行った。


俺はソファのそばに正座して座った。リコが起きるまで、ずっと正座した。リコを見つめながら。

そして、生徒会長の仕事用の机に顔をむけた。

そこには、生徒会にまわされた仕事、書類が山積みになって置かれていた。

これだけの仕事を、この状態で1人でこなそうとしていたと思うと、俺は震えを覚える。


「んん…。カジ…?」


そうやって、生徒会室を見回しているうちに、リコが重たそうな瞼を開いて言った。

リコが俺を名前で呼ぶなんて、相当珍しい。

普段は、ブタ呼ばわりだし。


「まだ、寝とけよ。しんどいんだろ?」

「だめ、まだ今日中に終わらせなきゃいけない仕事が・・・」

「何言ってもダメだ。お前は寝てろ。仕事は…。俺がなんとかしておくから」

「カジじゃ、また失敗する」

「大丈夫だ。重要資料はさすがに無理だけど、簡単な仕事は終わらせとくから」

「じゃあ、あの左側においてある、書類の確認をお願いするわ。あとはいいから」

「はいよ。まだちゃんと休んどけよ」


俺は、弱っているリコにさえ何も逆らえないらしい。

そう思って、おれは、言われたとおりの資料をソファの近くまで運び、リコの様子を見ながら作業することにした。


「少しでも間違えたら、明日しばくから」

「わーぁったって。はよ、寝ろ」

「うん。ありがとう、カジ」

「はいはい。ゆっくり休みなさい」


弱ってるリコを前にするとどうも調子が狂う。

リコは小さい頃から、体が強かった。

風邪にもほんとんどかからないし、怪我もあまりしない。

容姿も整ってて、頭も良くて、責任感あって、言われたことはちゃんとこなす。

そんな子だ。そして、今でもそうだ。

・・・容姿を除いては。


そこまで考えた所で、俺は心を無にして作業にとりかかった。

今は、そんなこと考えなくてもいい。


そう自分に言い聞かせて、俺は明日リコにしばかれないように、

仕事に取り組んだ。

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