3話
リコにシバかれた翌日、ってか毎日その翌日なんだけど。まあ、昨日しばかれたことも懲りず、俺は生徒会活動をサボり、学校の屋上で、活動が終わるのを待っていた。
ここから見る夕焼けはここ以外のどこから見るよりも綺麗だ。
「ここにいたんだ、カジ」
「探したよ〜会長のブタくん」
夕焼けに思いを馳せ、黄昏ていた俺に不意に声がかけられた。
「俺はブタじゃねー。仏田だ」
「ええやん。どーせ悦んでるんだろ?会長に呼ばれて」
「お前らは俺をMだと思ってるのか?」
「え、違うの?」
「ちげぇよ」
「「ふーん」」
こいつらは、生徒会の書記と会計。
女の方は書記のカナセ。
男の方は会計のレイ。
なんでも、2人の共通の憧れがリコだそうで。
まあ、リコにブタを探してこいとでも言われたんだろう。
「いくら、リコに言われても俺は今日は生徒会にはでねーよ、」
「別に会長に言われて来たわけじゃないわよ」
「ただ、やむにやまれぬ?事情があってね」
何その、怖そうな事情。
「実は…」
ドタドタドタ!!!バンッ!!!!!
「やっと来たわね、ブタ」
「え?」
「まーた生徒会サボって。ただじゃおかないわよ?」
「ええ?」
「さあ、ブタ。覚悟なさい」
「ええええ!?」
数分前…
「実は…会長熱あるらしくてしんどそうなんだが、それでも仕事するってきかなくて…」
「カジくんならなんとか説得できるかなって」
「そんなこと言って〜、どうせ2人してハメたいだけだろ」
ってか、そんなことが何回かあったし。
「本当だよ〜…。今日の会長、朝から顔色悪かったし…。」
「会長、目元くまあるし…。過労死しちゃう…」
「いーや。おれは行かないね」
ほんとにハメられて、リコに絞られるのはごめんだ。
「そっか。なら、私達でまた様子見るよ」
「悪かったな、カジ」
そう言って2人は悲しそうに背を向けてかえっていった。それを見て俺は夕焼け空に視線を戻し、浅いけれど、とても心地の良い眠りについていく…。はずだった。
俺はどうやら、お人好しらしい。
気づいたら、俺はいてもたってもいられない、というように、その場から走り出していた。
てなわけで、今に至る。
「さあ、覚悟なさい、愛の時間よ」
「おい、お前らまたはめt」
やっぱり来なければよかった、
そう思って、2人を責めようとした瞬間…
ドサッ!
俺が咄嗟に出した腕にドシッと重たいものが乗った。
それは、顔色を悪くし、しんどそうに息をする、りこだった。