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ユニゾン 生命一心共同体  作者: カミカクシン
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交渉 2

 ベヘルの一室で一馬とロディス、一対一の交渉が始まる。


「私たちが求めるものはこの紙にまとめてきています」

「字も読めるように書いたので理解できると思いますよ」


 そう言ったロディスが紙を一馬に手渡しする。

 その紙を見た瞬間、一馬の動きが止まる。


「どうしたんですか?」

「そんなにひどい交渉には思えませんが」


 一馬がゆっくりと口をひらく。


「……酷すぎる。一か月に十万人の命を差し出せなんて」


 一馬が怒りの感情を表にだす。


「これでは我が国に滅びろと言っているようなものでわないか!」

「ただでさえ二回の進行で人口が減っているんだ。こんなのは無理だ」


 ロディスは顔色一つ変えない。


「ですから、その代わりにこちらの世界の技術を提供すると書いてありますよ」

「こちらの世界の技術は十万人の命に匹敵すると思いますが」


「結局、人がいなくなっては技術も何も意味がないではないか」


 一馬が続けて力強く叫ぶ。


「そもそも命とは、何かと交換できるものではない!」

「交渉は決裂だ!」


「私たちはそれでも構いません」

「その代わり一か月後この国に、外にいる魔物の軍を使い総攻撃を行います」


 一馬はその返答にも力強く返す。


「そうなったとしても、我が国の命を差し出したりはしない!」


 ロディスは一馬の言葉に驚く。


「そうですか?! これが最終確認です。交渉はしないんですね?」

「長生きできるチャンスは掴むべきですよ」


 一馬はさらに力強く返す。


「何ど言われても答えは同じだ。我が国の命は売らない!」

「この答えは国民に選ばれ首相となった船崎一馬の、誇りと信念にかけて曲げることはありえない!」

 

「そうですか……」

「できれば人を殺したくはないんですがね」


 ロディスは少し残念そうに言うと、部屋から出ていく。

 そして魔物の軍勢を率いてベヘルから去って行った。


「言ってしまった」

「全面戦争か……」


 部屋に一人になった一馬がつぶやく。


「大丈夫ですか?お怪我は?」


 慌てた様子で気を取り戻した康次が部屋に入ってくる。


「大丈夫だ」

「ただ、一か月後あの魔物の軍勢と全面す戦争することになった」


「全力を尽くします。たとえ勝てなくとも我が国の魂、見せてやりましょう」


 二人は力強く握手を交わし準備に取り掛かったのだった。




 一か月後


「一人残らず殺せ。この国に終焉をもたらせ」


 ロディスの一声で三度目の蹂躙劇が始まる。



「もうだめだ」

「これでこの国も最後だ」

「楽に殺してくれ」


 国民はさらなる絶望の渦にのまれる。

 一般市民だけでなく兵士まで。




「マスターこれ以上は見過ごせません。止めても俺は行きますよ!」

「時期が早いからってここで何もしなかったら、ユニゾンを作った意味がなくなりますよ」


「そうだな。多少早い気もするが、いいだろう」



「ユニゾンR6から全世界のユニゾン全戦士へ告げる」

『持てるすべての力を駆使し、助けを待つものを救い、命を奪うものを断罪しろ!』

「ただしR5、R4については力の制限をする」


「「「「「了解!!!」」」」」




「どうしてこんなことを。助けてください」


 ロディスに一人の女性がすがりつく。


「これは君たちの首相が決めたことだ」

「できれば僕もやりたくはない。でも仕方ないんだ。すまないね」


 そう言いながらロディスの腕が女性を貫く。


「ロディスお兄ちゃん?どういうこと?」


 ロディスが声のほうに振り向く、とそこには隼人がいた。


「人は殺さないって。悪くないって言ったのに」


「隼人、すまない。こちらにも事情があるんだ」

「これは君には理解できないよ。せめて僕の手で殺してあげるから」


 ロディスは隼人に近づき腕を振り上げ、隼人に向かって振り下ろす。



 だが、振り下ろされるべき腕はそこにはなかった。地面に落ちていた。



「大丈夫かい? 少年! 遅くなって悪かった」

「俺たちはユニゾン! 君たちを救いに来た!」

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