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ユニゾン 生命一心共同体  作者: カミカクシン
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魔法試験

 魔法学園ではひと月の終わりに魔法試験が行われる。


 C5クラスは復旧された練習場で、安藤先生から試験の説明を受けていた。


「今から説明を行うので静かにしてくださいね」


「魔法試験はひと月ごとに行われて、魔法の扱いの成長具合を計るためのものです」

「試験は、精度・威力・発動までの早さの三点で評価をします」


 一人の生徒が手をあげる。


「先生! それはもしかして赤点とかって……」


 安藤先生は笑顔で答える。


「もちろんありますよ!」

「一定の評価に達しなかった生徒は放課後、補習を行います」


「まじかよ」

「えー」


 生徒から声が上がるが、安藤先生は気にせず説明を続ける。


「試験の内容は簡単です」

「自分の得意な魔法を的に当てるだけです」

「練習と特に変わったところはないのでどんどんやっていきましょう」


 一人また一人と生徒の試験が終わっていく。


 そして、雅章の番がやってきた。


「ファイアボール」


 雅章の放った魔法はしっかりと的をとらえた。


「おー!」

「すごい!」


 的に当てられない生徒がほとんどだったので、生徒から歓声が上がる。


「すごいですね! 自主練の成果がよく出ています」


 安藤先生も驚きの声を上げる。

 

 次は翔の番になる。


「ファイアランス」


 魔法は的を勢いよく貫く。


「え?」


 生徒たちは何が起きたのか一瞬理解できなかった。


「これは本当に驚きですね」

「もうすでにC5には思えませんね」

「素晴らしい!」


 安藤先生は素直に感嘆の声をもらす。


「「おー!」」

「もっとすごい奴がでてきた!」


 翔はとても誇らしい表情を見せたが、雅章は暗い顔を見せていた。


 そして、いよいよ隼人の番がやってきた。

 他の生徒はユニゾンである隼人に期待の眼差しを向ける。


 その眼差しに隼人は苦い表情を見せる。

 一緒に自主練をしていた翔と雅章は苦い表情の理由を理解していた。


「ファイアボール」


 放たれた魔法はすぐに消えてしまった。


「どういうこと?」

「手をぬいてるのかな?」


 安藤先生は冷静に質問する。


「今のが本気ということでいいのかな?」


「はい」


「そうですか。では次の人」

 

 隼人はそっと自分の場所に戻る。


 そう、隼人は魔法がまったくと言っていいくらいコントロールできていなかった。 

 テウスとの模擬戦では、至近距離からの発動だからどうにかなったが今は違う。

 

 C5クラス、全生徒の試験が終了する。


 安藤が試験の結果を発表する。


「今回は全員合格です!」


「やった!」

「ほんとに怖いね!」


 そう言って喜ぶ生徒の中に、浮かない表情の隼人がいた。

 

「授業はこれで終わりです」

「放課後、如月君は職員室に来てくださいね」


 隼人にパッと視線が向くが、隼人はうつむいたままだった。



 放課後、隼人は安藤先生に会いに行く。

 そこで言われたことは隼人の心に大きく刺さった。


「如月君はC5でも最低限度の適性しか持っていないようですね」

「今回は大丈夫でしたが次回は危ないかもしれないので頑張ってくださいね」



 隼人は帰宅して、テウスと竜二に話をする。


「そんなん努力でどうにかしろ!」

「身体強化系の魔法は使えるんだ。いつかきっと上手になるさ」


 二人の言葉は隼人に活力を与えた。

 

 隼人はまだ知らない。


 自分の中に開花すれば何物をも凌ぐ魔法の才能が眠っていることを。

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