R4
「あの子もユニゾンだなんて」
「しかも今、R4って言わなかったか」
「イヤリングもあっちのよりでかいぞ」
「ウソだろ! 隼人がユニゾンだったなんて」
模擬戦場は驚きの声に包まれる。
それは健二も例外ではなかった。
「R4? ウソだろ。そんなことがあるのか」
「ウソじゃないよ」
「君もこのイヤリングの意味が分かるだろ」
健二は何かを閃いたように話し始める。
「そうだ。お前は偽物だろ!」
「そのイヤリングはどこかで作ったんだろ!」
「そんなわけないだろう」
「ユニゾンを名乗ったこと後悔させてやる」
「全力でつぶす」
「フレイム」
炎が健二のまわりを囲うように展開される。
「フレイムバースト」
まとった炎が槍状に形成される。
「消し炭になれ!」
「身体強化レベル1」
槍が隼人を飲み込み爆音をたてる。
「どうだ。ユニゾンをバカにした奴は許さない」
「別にバカにしたわけではないだろう」
「それを言うならそちらも恥さらしだよ」
煙の中から傷一つない隼人が現れる。
「ウソだろ」
「これで分かっただろう」
「僕は本物のユニゾンだよ」
「信じてもらえたかな?」
健二は力が抜けたように地面に座り込む。
「……はい」
隼人が笑顔で健二に近づいてく。
「僕も正直驚いたんだよ! 思っていたより遥かに強かった」
「力を使わなくても勝てるのでは? とさえ思ったからね」
「それは誇っていいことだよ」
「ありがとう……ございます」
「でも、君の態度は目に余るよ」
「もしも僕が偽物だったらどうしてたのかな?」
「君は人殺しになるところだったよ」
「それは……」
「学校の態度も悪いし、ほんとにユニゾンか疑ったよ」
「すいません」
一通り話終わると隼人の表情が変わる。
「ここまでがユニゾンとしての話ね」
「ここからは僕個人としての話だから」
健二の表情がこわばっていく。
「僕の友達を罵倒し、暴力をふるったことは絶対に許さない」
「立ってください。全力で戦いましょう」
「手加減なんていりません。絶対に死にませんから」
「わかりました」
健二が立ち上がる。
「先生! もう一度始めの合図をお願いします」
両者が始めの位置につく。
ユニゾンの証であるイヤリングをつけ、真剣な眼差しで。
「始め」
「フレイムサンシャイン エンドレス」
サンシャインよりもはるかに大きい火球が大量に展開される。
「行け!」
「身体強化レベル5」
隼人の思考が加速し、体が人の限界を凌駕する速度で移動する。
一瞬にして距離をつめた隼人に火球は当たるわけがなく、蹴りが健二に直撃する。
蹴りの勢いで健二が吹き飛び壁に激突する。
「カハッ」
防御体制もとれず壁に激突した健二が吐血する。
体が壁から離れて落下し始めると同時に二度目の蹴りが炸裂する。
追撃でさらに体が血だらけになる。
「たす……け……て」
「大丈夫! もちろん死なせませんから」
もう一発蹴りが放たれる。
「う………」
「こんなもんかな」
隼人が薬を取り出し健二に飲ませる。
すると健二の怪我がみるみる消えていく。
「ありがとうございます。降参します」
そうして波乱の模擬戦が終了をむかえる。
模擬戦を観ていた人に様々な思いを残して。




