決意
隼人と健二は向き合って立っていた。
隼人の言葉に健二は怒りの表情をあらわにする。
「調子に乗りやっがて」
「おまえ、それは本気なんだろうな?」
「本気だよ」
「わかった。模擬戦やってやるよ」
「来週の月曜の放課後だ。怖くなったら逃げても構わんぞ」
「勝つのは俺だからな」
隼人は鼻で笑う。
「逃げたりしないよ」
「勝つのは僕だからね」
「勝手に言ってろ。大勢の前で恥をかくのはお前だ」
そういうと健二はとりまきを連れて他の席に向かっていった。
隼人は首をかしげる。
「大勢?」
「大丈夫? 雅章」
隼人が手をさしだす。
「大丈夫だよ」
「心配かけてごめんね」
雅章と隼人は席に着き四人で食事を再開する。
「やっぱりユニゾンは駄目ね」
「如月君あんなこと言って大丈夫なの?」
「この学校の模擬戦は降参するか戦えなくなるまで続くんだよ!」
「そうだよ隼人! 去年の模擬戦で大ケガしたってニュースみたんだ」
「僕も行くから今からでも模擬戦取り消してもらおうよ」
「心配しなくても大丈夫!」
「でも、隼人は何も悪くないし」
「隼人が怪我するところ見たくないよ」
「だから心配しなくても大丈夫だよ」
「それより、あの人が大勢の前で恥をかくって言ってたんだけど、どういうこと?」
奈津子は驚きの表情を浮かべる。
「まさか他の生徒が見に来るって知らないの?」
隼人がうなずく。
「模擬戦は誰が見ようが自由なんだよ」
「注目される模擬戦だったらたくさん生徒が集まってくるらしくて」
「ひどい負け方をしたりしたらほんとにさらし者にされるのよ」
隼人が苦い表情浮かべる。
「なるほど」
「それは困ったね」
「でしょ! だからやめとこうよ」
「そういうことじゃないんだ」
「いろいろ準備が必要みたいだから」
「頑張らないとね」
そうして食事は終わり波乱の昼休みは終了した。
午後の授業も終了し三人は自主練を開始する。
「隼人もっと頑張って!」
「こんなんじゃ絶対勝てないよ」
「頑張ってはいるんだけどね」
「やっぱり才能ないのかな」
「言い訳してないでもっと練習しようよ!」
模擬戦が決まってから自主練は厳しさを増すのだった。
「ごめん。トイレ行ってくるね」
雅章がトイレに行き、翔と隼人が二人っきりになる。
「本気で模擬戦やるつもりなのか?」
「もちろん!」
「そうしたらみんなにユニゾンってばれるかもしれないぞ」
「その時はその時だよ」
「心配しないで!」
自主練が終わり隼人が帰宅する。
リビングに行くと竜二が夕飯を作っていた。
「兄貴ただいま。帰りは早かったんだね」
「おかえり。早く仕事が終わったからな」
「もう夕飯食できそうだから、さっさと着替えてこい」
「そうするよ」
食事中、隼人が今日あった出来事を話す。
「そんなことがあったのか」
「まあ、隼人の自由だ! ばれようがばれまいが関係ないさ」
「やりたいようにやってみろ」
「ありがとう。兄貴」
その言葉で隼人は何かを決意したようだった。
その後も隼人たちは毎日自主練を続けた。




