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死の惑星に安らぎを  作者: 京衛武百十
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齟齬

アンナTSLフラウヴェアとプリムラEL808は、それぞれの家の中からGAB-11-エリミネーター対LG砲と、ゴングMBKハンドカノンを持ち出し装備した。


GAB-11-エリミネーター対LG砲は、ランドギアという、メイトギアやレイバーギアとは根本的に設計思想の異なる純粋な軍用ロボットの一つで、運用方法としては戦車のそれに近く、人型戦車や有脚戦車とも呼ばれる大火力重装甲のロボット兵器に対抗する為に開発された大型の銃である。もっとも、全長二メートルを優に超え、直径三十ミリの超硬徹甲弾を撃ち出すそれは、銃と言うよりもはや大砲ではあったが。


一方のゴングMBKハンドカノンは、高い防弾性能を持った戦闘用のレイバーギアを一撃で破壊する、対ロボット専用の大型拳銃だった。拳銃と言っても、大きさや発射時の反動からとても生身の人間が扱えるような代物ではなく、ロボットが使うことが前提で設計されている。


メイトギアの接近に気付いた彼女達が何故そんなものを持ち出したかと言えば、当然、メイトギアを破壊する為だ。彼女達はトーマスを守ろうとしているのだ。


この星にいるロボットにはCLS患者の処置が命令として与えられており、それには当然、トーマスも含まれているので、そんなロボットからトーマスを守る為に彼女達は準備しているという訳だ。


彼女達は外見上人間と大きく変わらないトーマスを人間として認識し、それを保護対象として危害を加えようとする者を排除することを自分達の役目としていた。これも実はロボットとしての基本的な命令には背いていない。彼女達は要人警護仕様なので、保護対象の人間を守る為に必要であるなら何者をも実力をもって排除するということが実行できてしまうのである。


この辺りは、慌ててリヴィアターネを封鎖し、そこで生じる様々な事態を詳細に検討、対策を行わなかった総合政府の失策であった。単純にバイタルサインで死亡が確認できればCLS患者と見做すようにという安易な規定しかしなかった為、何をもって死亡と認定するのかということを綿密に決めていなかったのだ。それ故、ロボットにより判断にブレが生じてしまっているのだった。彼女達は、死んでるように見えないトーマスを『死んでいる』と認識できないでいたという訳だ。


しかし他のロボット達の多くはトーマスのことをCLS患者と認定し処置しようとする。それが不幸の素だった。


相手もロボットだから自らの役目に忠実であろうとするので、そこに話し合いの余地はない。トーマスを守るということは、他のロボットを破壊するということになるのだった。



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