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愛すべき馬鹿と僕の日常  作者: 雪菜
17/18

第17話〜湊side〜



(……さてと…)

部活が終わり、僕は教室へと足を運ぶ。

自分の席に座り

(疲れたなぁ…)

一つだけ伸びをする。

結局、僕は中学から続けているテニス部に入部した。

気が付けば、日向先輩に再開してから数日経っていた。

(部活もだけど…何よりも…)


流石、エリート校。

新入生だからって甘くない。

文武両道を見せつけられた。

宿題の量が半端じゃなかったのだ。


(…一応、入試トップで入れたみたいだし、五本指には入ってたいなぁ…)


放課後の、誰もいない教室の窓を開ける。

ほんのり冷たい風が吹き込み、僕は目を閉じる。

目まぐるしい数日を送った僕の体はほんのりと香る、春の匂いにホッとする。

「…会いたい…な」

勿論

日向先輩に。

ポツリと呟いたその言葉は、風に乗って廊下へと運ばれたらしい。

「会いに行けばいーじゃん?」

後ろからそんな声がする。

「……っ…幸人君⁉︎」

僕の後ろに立ち、人懐こい笑顔を見せ、近づいてくる。

「いつからそこに?」

「ついさっき。見かけたから付いて来ちゃった」

僕の隣に立ち、窓辺に頬杖をし、幸人君は続ける。

「連絡して会いに行けばいーじゃんか」

ヒュォッ…と小さく風が入り込んでくる。

幸人君の言葉は勿論正解なのかもしれない。

でも…

「……」

「どうしたの?」

黙る僕に幸人君は覗き込んでくる。

「…連絡先、知らないんだ」

「え!?」

嘘でしょ?と付け足し、幸人君は眉根を寄せて、僕を見る。

「聴き損ねたんだ」

カラカラ…

と窓を閉め、僕は帰る準備をするために自分の席に戻る。


そんな僕の机に両手を乗せ

「あの日、二人になったのに⁉︎もしかして、すぐ帰ったの⁉︎」

「ぁ…やー……夕方まで一緒に…」

あはは。

と乾いた笑いを零し僕は先日のことが鮮明に蘇る。

そして…頬が熱くなるのを感じる。

幸い

「…まぁ、日向さんも湊くんもちょーっと、抜けてるところあるし…仕方ないか」

と呟いて腕組みをする。

既に暗い教室は、僕の朱に染まる頬を隠してくれたようだった。

というよりも…

「抜けてるって何…」

半眼で僕は机を挟み立つ、幸人君を見上げる。

「…?可愛いところって思っただけだってー!ごめんねっ」

言い方が悪かったーっ!

と幸人君は顔の前で両手を合わせる。

「か…可愛い?」

「うん。可愛い!ま、俺の方が可愛いけどねーっ」

ふふーんっ!とふざけて言う幸人君の姿に笑いが漏れる。

笑った僕にホッとしたのか、幸人君も笑う。


「ぁ」

僕は時計を見て声が漏れる。

「何ー?」

制服のポケットに手を入れて幸人君は僕を見下ろす。

「いい時間だ。帰ろっか」

鞄に、参考書を入れながら僕は幸人君に微笑む。

「うんっ!帰ろー!」

幸人君の元気な声とともに、僕たちは教室を出る。


一緒に歩くのは、校門まで。

校門で咲く桜が、ライトに照らされている。

その光景を前方に見ながら歩みを進めると、

「そーだ!俺、湊君の連絡先、知ってるんだ!」

幸人君がパンッと両手を合わせる。

「どうしたの?」

「俺さ、日向さんの連絡先も知ってるんだ!」

「ぇ?」

僕は一瞬だけ、フリーズする。

僕が知らない日向先輩を、幸人君は知っているのだと思ったからだ。

僕には空白の2年間。

なのに…

幸人君は…日向先輩との思い出があるんだ…


そう思うとモヤ…と何かが頭を僕の中でもたげる。


そんな僕に気付かず、屈託のない笑顔で、

「あとで、日向さんに幸人君に教えていいか聞いてみるねっ」

ギュッと僕の手を取り幸人君は告げる。

「ぇ?ぁ、うん。分かった」

「日向さん次第だけど、許可降りたら直ぐ連絡するから!」

「ぇ、ぁ…うん」

「どうしたの?日向さんと連絡取りたくない?」

不思議そうに、幸人君は僕を見上げる。

「ううん。違うよ。ただ、何話したらいいか分からなくって」

僕は眉根を垂らし、小さな嘘をつく。

幸人君は悪くないのに…

モヤモヤしたなんとも言えない感情が僕に絡みつく。


嫌な感情だ。


「さっきの『会いたい』でいーじゃん!それじゃ、またあとでねーっ!」

会話をしながらいつの間にか、校門前まで来ていて。

「うん。あとでね」

僕は幸人君に手を振る。

自転車置き場まで歩く幸人君を見送りながら


(…どうしてこんなにモヤモヤするんだろう…)

照らし出される桜の下、僕はなれない感情に疑問を感じていた。

少しぶりです。

こんにちは(=゜ω゜)ノ


ご閲覧、ブクマありがとうございます。


お陰様で、更新のたびにブクマが増えて

感極まっている雪菜です←


港sideのお話を展開させていただきました。


もぅ、3月ですね

暦の上では春ですが、雪国はまだまだ遠いお話です。

花粉症の季節にもなってまいりますね。

皆様、体調管理お気をつけ、ご自愛なさってくださいね。


現在、新作のR-18BLのキャラデザ、プロット作成しております。

ほのぼのなんかしてません。

もはや、私の趣味全開のBLになるので

皆様にドン引かれないことを祈ります…笑

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