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愛すべき馬鹿と僕の日常  作者: 雪菜
16/18

第16話〜日向side〜


(もぅ、放課後…か)

気付けば、時計の針は夕方を指し示す。

あれから、蒼弥は少し機嫌が悪いのだと思う。

なんせ、俺と目があっても、蒼弥はすぐ視線を外してきたからだ。

(ま、気付いてるやつは少ないだろうけど)

勇気がない俺は、視線を外されてから、気まずくて声を掛けられないでいた。

(ぜってぇ、タイミング…逃したよなぁ…)

胸中で呟いて、二列右…俺の席から斜め前にいる蒼弥を見つめる。

体育で、アッサリといつも通りになるかと思っていたが

(よりよって、今日の体育は体力測定だったしよ…)

俺は、自分の席で頬杖をつく。

どうにか、話しかけようと思うものの、蒼弥の周りには女の子達が数人寄っている。

(…あれじゃ、声かけれねぇよ…)

ため息を一つついて、俺は空っぽに近い学生カバンを肩にかける。


そんな俺に背後から

「……日向、待って」

声がかかる。

まさかの声の人物に

「蒼弥!どうした?」

俺は振り返る。


『ごめんね。ちょっと通して』

と女子達を制しながら、蒼弥が近づいてくる。

「………時間少しいいか?部活に響かないように手短にする」

蒼弥は、間を置いてから、俺に問いかける。

「ぇ?ぁ…まぁいいけど…」

俺の声は尻すぼみになっていく。

何故なら、話を蒼弥に切り上げられた女子達が、物凄い勢いで睨んでくるからだ。

(ひぇぇ…女って恐ぇぇ…)

「…?なんか良くなさそうだな。明日でもいいや」

眉をひそめながら蒼弥は言い放ち俺に背を向ける。


このタイミングを逃せばきっと明日はもっと気まずいから、

「ちょっ、待てって!」

俺は蒼弥の肩を掴み振り向かせる。

「…何?」

不機嫌そうに蒼弥は俺を見る。


(お前に寄ってきてる女子達が恐いんだって‼︎)

とは、女子達がいる教室で言えるはずもなく

「……」

ただ、黙る俺に

「部活に向かうつもりだったんだろ?引き止めて悪かったな」

「…違う!」

「じゃあ、黙るなよ」

と、蒼弥は俺にデコピンしてくる。

「…っ…てぇな…」

唇を尖らせる俺に、蒼弥は

「いつまで怒ってんの?」

と質問してくる。

「………はい?」

女子達が見ていることも忘れ、俺は目が点になる。

「だから、いつまで怒ってるんだよって。例の…更衣室での件を話してなかった俺も悪いけど」

少しだけ恥ずかしそうに蒼弥は告げてくる。

「誰が…怒ってるって?」

俺は呆気に取られ質問する。

「…日向、怒ってんじゃないの?」

「いやいや、俺一つも怒ってねぇよ‼︎」

思わず叫び突っ込む。

「嘘つくなよ」

「嘘じゃねーし!ピリピリしてんの蒼弥だろ⁉︎」

「……は?」

俺の言葉に、今度は蒼弥が目を点にする。

「…例のこと、俺が知ったから怒ったりしたんじゃねぇーの?」

「別に俺、日向に怒ったつもりないけど」

蒼弥の答えに

「いや、でもなんかピリピリしてるっつーか…」

目も…逸らされたし…


と、しどろもどろに付け足す俺に

「あぁ、それはごめん。正直、知られて恥ずかしいやら、どうしていいやら混乱してた」

サラッと謝罪される。


「…なんだよぉぉぉ」

俺は、安堵の声が漏れる。

「日向?」

「俺、嫌われたかと思ったじゃんよ」

「なんで?」

「蒼弥の知られたくない部分知ったんだろうなって…」

「それは、被害妄想だ。…まぁ、俺が目を逸らしたからそんな妄想になったんだろうけど」

と蒼弥は、手近にある机に座る。

「蒼弥はなんで俺が怒ったと思ってたんだ?」

腰に手を当て、いつもより視線の低い蒼弥に問う。

「……いつも、子犬みたいに話しかけてくんのに、あれ以来話しかけて来ないから?」

「それは…なんか気まずくて……って子犬かよ‼︎」

俺は、自分が子犬と言われたことにツッコミを入れる。

「自覚ないの?日向って芝犬って感じじゃんね」

クックッと、蒼弥は喉を鳴らし笑う。

いつものようなやりとりになり、俺が安心していると、


そんな俺らの会話に

「蒼弥くぅん」

蒼弥の後ろから、甘ったるい声が響く。

「何?」

蒼弥が、振り返ると

「時間じゃない?」

と言って、女の子が教室の時計を指差す。

「…本当だ。行かなきゃ」

そう呟いて、蒼弥は机から立ち上がる。

「蒼弥?」

俺が名を呼ぶと

「これから約束あるんだ。日向も急いだ方がいいんじゃないか」

「え?」

「黒猫の縫いぐるみが、お前のこと待ってんじゃね?」

と蒼弥は問いかける。

「黒猫の…縫いぐるみ?……ぁっ!やべ行かなきゃ!」

また明日な!

と言い捨てて、俺は教室から飛び出る。

「あんななりで、手芸部とか…ね」

と、蒼弥が見えなくなる俺の背中に呟いたのだった。

ご拝読ありがとうございます(*´∀`*)

Blove様で更新していたのは前回までで、今回からは本当の新作です。


ブクマも一件増えててありがとうございます!


シュシュを手作りしてるところから、想像はついていたかと思いますが、

日向の趣味は手芸です。笑


手芸部ってことを書きたくて、このお話でした。笑



次回は、湊sideになる予定です。

次回も、よろしくお願いします。

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