第15話〜日向side〜
弁当を食べ終えた俺たちは
「あーぁー。更衣室地味に遠くて嫌なんだよなー」
教室に一度戻ってから体操着を、手に取り更衣室に来ている。
「そう言って、律儀に来てるじゃないか」
蒼弥はそう言いながら、学ランとシャツのボタンを外していく
「まぁ…そうなんだけど」
俺は自分のワイシャツのボタンを外す。
男のくせに、ゴツくない蒼弥の指先を見つめる。
それと同時に、蒼弥の首筋に掛かる、十字架に薔薇の花が彫り込まれたシルバーのネックレスに目がいく。
冬から突然付けだした、このネックレス。
俺はなんとなく女の匂いがするって思ってる。
(…隠し事はされたくねぇけど…言わねぇしな……って…あれ、もしかして…)
鎖骨の下にある赤い痕に俺は凝視してしまう。
「…何?」
俺の視線を怪訝に感じながら蒼弥は、
体操着を取るために、しゃがみこむ。
青い髪の下。
俺は背中にも目がいってしまう。
「何ってお前…」
「ん?」
青い前髪の隙間から、蒼弥の瞳が覗く。
「…抜け駆けだぞ」
俺はしゃがみこみ、蒼弥の耳元で囁く。
「抜け駆け?」
さも、分かっていない様子の蒼弥に俺は意を決する。
更衣室に、誰もいないことを確認し、尚且つ耳元に手を当てながら
「随分と積極的な彼女できたんだな」
囁く。
「……?俺に彼女はいないよ?」
「ココ!とココ!赤くしてんのに⁉︎」
そう言って俺は蒼弥の背中と鎖骨の下…そぅ…胸元を指で触る。
そこを視線で辿った蒼弥は
「………ぁ…」
と、少し顔を赤らめて呟く。
「おいおいおいっ!誰だよ‼︎」
バッ!と立ち上がる俺に
「……えぇ?言うわけ?」
眉根を寄せて、蒼弥は俺を見上げる
「なんだよ‼︎この俺にも言えない相手⁉︎」
「…いや…ぁ〜…」
渋る蒼弥を前に、
俺の脳裏には昨日女子達が言っていた言葉が蘇る。
「まさか‼︎ユッキー⁉︎」
「……ユッキーて、お前その名前どこから」
体操着を着ながら蒼弥は立ち上がる。
「女子達の噂!蒼弥も隣にいた時だ!アオって、お前のことなんじゃねぇの⁉︎」
「あぁ…あの子達ね。あれはあくまで噂。俺の相手じゃない。まぁ、アオは俺だけどね」
口角を上げて、蒼弥は俺を見る。
「…違うの?」
「ユッキーは、幸人のこと。女の子達から呼ばれてるアダ名だよ」
クスクスと蒼弥は笑う。
「ぇ⁉︎幸人って」
「うん。昨日も会ったでしょ?」
「ぇ…じゃあ、幸人と恋仲なのか⁉︎いつから⁉︎」
俺は蒼弥の肩を掴み揺らす。
「…だから違うって……ぁー…脳が揺れる〜…」
ガクガクと俺に頭を揺らされながら蒼弥は否定してくる。
「じゃあ誰だよ‼︎」
揺らすことをやめ蒼弥に問い詰めると
「幸人の…兄さん」
ボソボソと蒼弥は小声で答える。
「に…兄さん?」
ぇ?男?と俺の脳内にはクエスチョンが沢山浮かぶ
「男だろうが、女だろうが愛さえあればいいだろ」
「いや、まぁ俺にも湊がいるしな?」
「まだ、お前のものじゃねえだろ」
と、俺は蒼弥からチョップを食らう。
「名前は⁉︎」
そのチョップをもろともせず俺は聞く。
困った顔をして蒼弥は俺に
「…教えてもいいけど…お前、絶対顔に出すもん」
その言葉に俺は脳が珍しく閃く。
「ぇ、待って。ソレって俺も会ったことがある奴なの?」
「……」
しまった。と言う顔をして蒼弥は黙りこくる。
すると、
コンコン。
と、俺たちしかいない更衣室のドアが外からノックされる。
「はいはーいっと」
俺は、ドアへと駆け寄りガチャリとノブを回す。
俺の顔を見るなり
「ぉ〜いたいた」
と言って現れたのは
「佐々岡ちゃん。どうしたの?」
訪ねると、
「2人に話があってな」
そう言って更衣室に入ってくる。
「俺らになんか用ですか?」
佐々岡ちゃんを睨みながら蒼弥は問いかける。
俺が睨むなら分かるけど、蒼弥が睨みをきかせるなんて珍しい。
(どうしたんだろ?)
そう思い2人を見ていると
「明日は弁当無しだ。他生徒の前だと言いづらいからな」
「……」
黙りこくる蒼弥。
微妙な沈黙が耐えられなくて俺は
「ぁ!佐々岡ちゃん!いつも弁当ありがとね」
蒼弥に屋上で言われた
お礼。
を述べる
「ん?あぁ。気にするな。弟の分作るついでだ」
爽やかな笑顔を見せ佐々岡ちゃんは俺の頭をワシワシと撫でる。
「ん??」
今、なんて言った?
弟…?
考える俺に
「あれ?片割れから聞いてないか?晴南第三高校に通いだしたんだぞ」
「えぇっ⁉︎佐々岡ちゃん、弟いんの⁉︎」
蒼弥に黙られていたことよりも、佐々岡ちゃんに弟がいる事実に驚きが隠せないでいると
「おう。今年入学した」
と言って、Vサインをする。
「俺の…好き…じゃない…知り合いもソコに今年入学したんだぜ!ちなみに、名前は?」
好きな人とは言えず、俺も流石にそこを濁して問いかけると
「ぁーっ!もぅ!佐々岡先生⁉︎俺ら着替えてんの‼︎」
と言って、蒼弥が佐々岡ちゃんをドアの外へと押し出そうとする
「なんだよー。別に男同士だし…なぁ?」
と言って、佐々岡ちゃんは俺に視線をよこす。
「貴方の男同士は…っ…」
言いかけて、蒼弥は口をつぐむ。
「そ…蒼弥?」
「……」
蒼弥はそっぽを向いて奥へと引っ込む。
(も…もしかして…)
「なぁなぁ、佐々岡ちゃん?耳貸して?」
俺は小声で佐々岡ちゃんを呼ぶ
「なんだ」
佐々岡ちゃんは俺の口元に耳を近づける。
「弟の名前って…幸人っていう?」
「その通りだが…やっぱり蒼弥から聞いてたか」
その、答えを聞いて
俺は、蒼弥のいつもと違う雰囲気に納得がいくと同時に…
「…まぁ…その…程々にしなよ」
ポンと佐々岡ちゃんの肩を叩く。
「…?なんだ?」
「…なんでもない。ほら着替えるから出て」
ガチャリとドアを開け、佐々岡ちゃんを見送り、
俺は深くため息をついた。
ここまで、お読みいただきありがとうございます♡
ブクマ、評価嬉しいです♡
さて、佐々岡ちゃん×蒼弥という展開ですが、これはちゃんと決めてました(*´∀`*)笑
この二人のラブストーリーはチョコっとビターな大人の恋愛となる予定です。
日向と湊が落ち着いてきたら、こちらのカップルも短編で出していく予定です。
…その場合はR-18です(*´∀`*)
濃いです(*´∀`*)
ほのぼのなんてさせません(*´∀`*)笑
需要あればいいな(´・∀・`)




