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愛すべき馬鹿と僕の日常  作者: 雪菜
14/18

第14話〜日向side〜



「…で?昨日は答えもらえたんだろ?」

「今、それ聞くか?」

春風に吹かれながら

俺たちは昼休みを過ごすため屋上へと来ている。

昨日の穏やかさは何処へいったのか。

今日は少し風が強い。


「別に、俺は教室で聞いても良かったんだぞ」

あぐらをかきながら、蒼弥は俺に言う。

まだ少しだけ肌寒いこの季節。

屋上へと来ているのは俺らのみ。


「…今…だよなぁ…」

「だろ?まぁ、飯食ってからでもいいか…」

ホラ。と言って蒼弥は俺に一つの巾着袋を渡す。

「サンキューッ」

俺はそれを手に取り、あぐらをかく自身の足下で広げる。

「今日は、ネギ入りの卵焼きがオススメだそうだ」

そう言う蒼弥は何処か嬉しそうで。

「マジかよ。ネギ俺好きっ」

巾着の中にはお弁当箱。

蒼弥も俺も購買でパン派だったのだが…

「佐々岡ちゃんにお礼言っとけよ」


俺らの担任、英語教師の佐々岡 雅幸。

通称『佐々岡ちゃん』はすごく面倒見がいいんだと思う。

昨年の冬からだが…

昼飯の基本スタイルが購買のパンと飲料の俺らに、余裕のある日は弁当を作ってくれている。


「にしても…いくら担任だからって生徒の昼飯事情よく知ってるよなーっ!恋人かよーっ!」

俺が感心しつつボケをかますと

ゲホゲホッ!

と蒼弥がむせる。

「蒼弥?」

「緑茶がな…気管に入った」

右手にホットの緑茶を持ちながら、蒼弥はゼェゼェ言う。

「ぇ?大丈夫?」

「あぁ。心配させて悪いな。食べよう」

蒼弥の言葉に促され

パカッと弁当箱を開けて中身を見ると、

「今日も美味そうっ」

俺の口の中に涎が広がる。

「…彩りも気にしてるのかもな…」

ご飯の上に豪快に、豚肉と玉ねぎが鎮座している。

今日はどうやら生姜焼き弁当らしい。


その脇に、オススメのネギ入りの卵焼き。

あとは、ほうれん草のおかか和えに、プチトマト。

彩り豊かな弁当に俺は

「いっただきまーすっ」

気合の入った声が出る。


「いただきます」

俺らは手を合わせ、弁当に手をつける。

「うわぁっ…ネギのシャキシャキ感と卵フワッフワ」

俺は感動する。

「勧めてきただけはあるな」

綺麗な箸づかいで、蒼弥も卵焼きを口に含む。


「なぁなぁ、一つだけ疑問いい?」

「なんだよ…」

緑茶を口に含む蒼弥に俺は

「幸人と、打ち合わせっていつも何処でしてんの?」

ファミレス?と付け足し聞くと

「………幸人の家」

緑茶のボトルにキャップをしながら蒼弥は間を開けて答える。

「何その間。なんか隠してる?」

俺は蒼弥に問い詰める。

蒼弥が間を開けて答えるなんて珍しいからだ。

「なんも、隠してねぇよ。事実だ」

いつものような口ぶりに

「怪しい〜」

と追い討ちをかけるが


「俺からも質問いいか?」

と蒼弥が、俺に質問してくる。

「おぅ。聞いて聞いてっ!」

「…お姫様、なんだって?」

俺はその一言で

「ぁぁぁ…素敵なランチタイムが…」

一気に現実に引き戻される。

「あれ?昨日抱き合ってたから…てっきり」

「…お友達でだとよ」

ハァァァ…と長く深いため息を俺はこぼす。

「は?」

「だぁかぁらぁっ!お友達なの!」

俺は、ふて腐れながら生姜焼きを口に放り込む。

「お前のこと追いかけて、濃い青のブレザー着てんだろ?」

違うの?と蒼弥な付け足す。

「違くねぇよ」

「じゃあ、その答えが俺的には納得できない」

「んなこと言ったってよ…」

俺は唇を尖らせる。

「…あぁ。もしかして…」

「なんだよ」

「お姫様、自分の気持ちがまだ定かじゃない?」

蒼弥の考察力に

「…ご名答」

とだけ、答える

「定かじゃなきゃ、追いかけることも、抱きしめられる事も嫌だと思うけどね」

風に青い髪を撫でられながら

蒼弥は微笑む。

「俺…遊ばれてる?」

「んな訳ねぇよ。まぁ…アレだな」

「どれ?」

「お互いをキチンと知ってからの方が良いんじゃねぇの」

そう言って、蒼弥は伸びをする。

「…だよなぁ」

「ま、お前には俺が付いてる。どう転んでも支えてやるよ」

一つだけウィンクをして弁当箱を綺麗にしていく蒼弥に

「どう転んでもって…応援してくれよぉ〜」

「してるさ。もはや、ハッピーエンドしか見えてないよ俺には」

そう言って蒼弥はポンポンと俺の背中を叩く。

「マジ?どの辺?」

「それは、お前…なんとなくだよ」

「はぁ?」

「ほれほれ。早く食えよ。5限目体育だぞ」

「ぁっ!そうだよな!急がねぇと!」

そう答え、俺らは箸の手を早めた。

数話ぶりの日向サイドです。



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