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愛すべき馬鹿と僕の日常  作者: 雪菜
13/18

第13話〜湊side〜


「じゃ、今日はありがとな」

少しだけと思っていた昼食は思いの外長くなり

暖かい太陽は、ゆっくりと傾き始める。


少しだけ冷たい風が僕たちの間を吹き抜ける。

「こちらこそありがとうございました」

僕は頭を下げ礼を言う。


頬をポリポリと人差し指で掻きながら先輩は

「長い時間連れ回して悪かったな」

時刻は既に夕刻。

夕日が、僕と日向先輩の顔を赤く染める。

「いえ、2年ぶりに…というか初めてユックリ話せて良かったです」

コレは、お世辞ではなく僕の本当の気持ち。

「俺もっ!」

と、先輩は人懐っこい笑顔を溢す。

「ここまで送って下さってありがとうございました」

再び、頭を下げ礼を言うと、

「礼を言われることなんてしてねぇよ」

ポンポンと頭を撫でられる。

心地の良い手のひらに自然と僕は

「ふふっ。やっぱり優しいや」

こういうところを見ると、不良だなんて思えない。

自然と笑顔が綻ぶ。

「…っ…湊…」

「…はい?」

「…その笑顔は反則だと思うぞ」

僕の頭を撫でることを辞めて、先輩は僕の肩を掴む。

「ぇ?笑顔が反則?」

聞き返す僕に先輩は

「ぁぁっ!もぅ!」

「わっ…⁉︎」

グイッと僕を引き寄せる。


165センチの僕は173センチの先輩の腕の中に収まる。

「…こういうこと…したくなっちまうんだよ…」

耳元で囁かれて

「…っ…」

少しだけ掠れた声に、

今までに味わったことのないゾワゾワとした感覚を背中の下の方に感じる。

どうしていいか分からない僕に

「……ごめん。あと30秒こうさせて」

切なげに言うから

「……し、失礼します」

と言って僕は、学ランの背中に腕を回す。

すると

「ばっ…おま‼︎ダメだダメだ‼︎」

「ぇ⁉︎」

ベリッと突然剥がされた僕はフリーズする。

「あのな‼︎いいか湊っ」

ガッ!と僕の両手首を掴みながら先輩は僕の視線に己の視線を合わせる。

「は、はい」

「よーーっく聞けよ?」

日向先輩の迫力に気圧されて、僕はコクコクと頷くと

「俺は、2年前から変わらず湊が、好きなんだよっ」

顔を真っ赤にして言い切る。

突然の告白に

「…ぁ、あの?」

「好きなやつに、微笑まれて我慢できる男じゃないの俺は!」

ましてや、シュシュまで大事にしてるしよ…

と付け足してズルズルとその場にしゃがみこむ。

「えっと…」

僕も同じ目線までチョコンとしゃがみこむと

「湊は俺のこと好き?」

と顔を上げる

「えぇっ?僕の気持ちですか⁉︎」

「それは、やっぱりNoと受け取るべき?」

「いや…あの…」

「ハッキリ答えて。2年待ったけど諦めれないけど諦める覚悟は出来てるからっ」

「それ、どっちですかっ⁉︎」

思わず僕は突っ込む。


そんな僕の言葉に、

「…あぁ、男らしくねぇな俺」

ハァァッ…と長いため息をつき赤い髪を抱える。

「どっちかっていうと僕が男らしくないと思いますけどね」

苦笑いをして答えると

「…?」

訳がわからないという顔をして先輩は僕を見る。

僕は、覚悟を決めて

今の気持ちを正直に伝えることにした。


「日向先輩のことを追いかけて、このブレザーを着ようと思いました。でも、先輩は他の高校だった……」

「それは…悪い…」

謝る先輩に

「問題はそこじゃないんですよ」

「ぁん?」

「沢山関わって、陽向先輩の良いところを沢山知りたいと思ったから追いかけたんです」

僕は先輩の手を包み込み続ける。

「正直に言うと、まだ僕は先輩のことを好きかどうか分かりません。関わりがやっと始まったんですから」

「…な…」

僕の答えに日向先輩はたじろぐ。

でも…誤解されたら困るから僕は急いで気持ちを伝え続ける。


「でも、嫌いじゃないんです」

「ぇ?それって…」

先輩の期待した目を痛く感じながらも

「でも恋愛対象として好きかも分からないんです…」

僕は思い切って伝える。


敢えて口には出さないけれど、


単に、放っておけない気持ちなのか…

好意を持たれたから気になってるだけなのか…

純粋に日向先輩を知りたいのか…



本当に、恋心なのか……


僕にはまだ分からないから…


僕の答えに、

「…そりゃ、そうだよなぁ…」

ガックリと肩を落とす先輩に僕は続ける。

「なので…お友達。から始めてもらえませんか?2年も待たせてしまったのに…」

これは僕の我儘な気持ちだから…


謝ろうとした矢先先輩は、再び僕を抱きしめる

「…いいのか?」

「…っ…むしろ、こんな答えで良かったんですか?」

「充分だ。嫌われると思っていたから」

そう呟き、僕を抱きしめる先輩の手のひらは微かに震えていて

「…ちゃんとした答え出せてなくてすいません…」

一言謝ると

「謝んなよな。真剣に考えてくれて嬉しいんだからよ」

そう呟いて、再び僕を強く抱きしめる。

しゃがみながら、懐かしい腕の感触に、

「やっぱり、日向先輩の腕の中心地いいですね」

2年前も、思ったけれど

日向先輩の腕の中はなぜか安心したときだった。


「何、こんな場所で、しゃがみながら抱き合ってんだ陽向」

頭上から声が落ちてくる。

「…っ⁉︎」

慌てて僕たちは離れ見上げると…


日向先輩の声が上がる。

声をかけてきたのは

「蒼弥っ‼︎」

「何、イチャついてんだよ」

「いやぁ…その…」

乾いた笑いを溢す日向先輩に対して

「湊くんゴメンね。連れて帰るから」

と言って、蒼弥さんは陽向先輩の襟ぐりを掴み、歩き出す。

止めることもできず僕はただただ、見ていると

「ちょっ!蒼弥止まれよ!」

「…?」

怪訝な顔をして蒼弥さんはブロック塀の所で立ち止まる。

それを機に

「湊っ!また、来るから!今日はゆっくり休めよ!」

と、叫んで来るから

「はーいっ!日向先輩もユックリ休んでくださいねーっ」

と返して手を振った。

そんな僕らのやり取りを

蒼弥さんは少しだけ羨ましそうに見つめていたけれど

「ほれ、帰んぞ」

と言って日向先輩のお尻を叩く。

「はいよぉ〜」

と、一言返事して2人は僕の前から姿を消した。


空には、一番星が輝き始めていた。

第13話ご拝読いただきありがとうございます。


本日確認したら、またブクマ一件増えてまして!


こんな底辺BL小説にありがとうございますぅぅぅぅっ!

私は単純なやつなので、調子に乗ります(*´∀`*)笑


次回は、ようやく日向sideです。

主人公二人を差し置いて、あの人とアイツが⁉︎

な展開にしておりますゆえ、お楽しみに(*´∀`*)☆


今週中には更新予定です(*´∀`*)

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